2026年版・6-3

建築基準法の基礎②(単体規定・耐火建築物等)の一問一答

マンション管理士「マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること」から、建築基準法の基礎②(単体規定・耐火建築物等)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-3

共同住宅の居室及び階段に関する建築基準法の規定について、適切でないものはどれか。

  • ①高さが1メートルを超える階段であっても、手すりを設置する必要はないとされている。
  • ②居室の天井の高さは、原則として2.1メートル以上でなければならないとされている。
  • ③共同住宅の共用の階段には、住宅の蹴上げ・踏面の緩和規定は適用されない。
  • ④階段の高さが3メートルを超える場合は、3メートル以内ごとに踊り場を設ける。
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正解 ①高さが1メートルを超える階段であっても、手すりを設置する必要はないとされている。
解説
建築基準法施行令25条1項は、階段には手すりを設けなければならないと定めており、同条4項により、この規定は高さ1メートル以下の階段の部分には適用しないとされている。裏を返せば、高さが1メートルを超える階段には手すりの設置が義務付けられているのであって、設置する必要がないという記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
建築基準法施行令21条1項により、居室の天井の高さは原則として2.1メートル以上でなければならないという記述は正しい(天井の高さが一室で異なる場合はその平均の高さによる)。共同住宅の共用の階段は、蹴上げ23センチメートル以下・踏面15センチメートル以上とする住宅の階段の緩和規定(同令23条1項の表における住宅の階段の特例)の適用対象から除かれており、直上階の居室の床面積の合計等に応じて蹴上げ20センチメートル以下・踏面24センチメートル以上、又は蹴上げ22センチメートル以下・踏面21センチメートル以上のいずれかによらなければならないので、緩和規定は適用されないという記述は正しい。また、同令24条1項により、階段の高さが3メートルを超える場合は3メートル以内ごとに踊り場を設けなければならないという記述も正しい。
問26-3

共同住宅の共用の廊下の幅に関する建築基準法施行令119条の規定について、最も適切なものはどれか。

  • ①廊下の幅に関する制限は、その階の住戸の床面積の合計にかかわらず一律に適用されるものである。
  • ②住戸の床面積の合計が100平方メートル超の階では、両側に居室のある廊下は1.6メートル以上とする。
  • ③住戸の床面積の合計が100平方メートル超の階では、片側に居室のある廊下も1.6メートル以上とする。
  • ④廊下の幅に関する制限は、共同住宅のうち階数が3以上のものについてのみ適用されるものである。
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正解 ②住戸の床面積の合計が100平方メートル超の階では、両側に居室のある廊下は1.6メートル以上とする。
解説
建築基準法施行令119条は、共同住宅の住戸若しくは住室の床面積の合計が100平方メートルを超える階における共用の廊下について、両側に居室がある廊下(中廊下)にあっては1.6メートル以上、その他の廊下(片廊下)にあっては1.2メートル以上の幅を確保しなければならないと定めている。避難時に多数の居住者が同時に通行することを想定した規定であり、中廊下により厳しい数値が求められている点が特徴である。

他の選択肢が不適切な理由
片側にのみ居室がある廊下(片廊下)について必要な幅は1.2メートル以上であり、これを1.6メートル以上とする記述は数値を誤っている。この規定は廊下の両側の居室の有無とその階の住戸の床面積の合計によって適用されるものであって、階数が3以上の共同住宅に限定されるものではないから、階数を基準とする記述も誤りである。また、その階の住戸の床面積の合計が100平方メートル以下であれば同条の適用はないので、床面積の合計にかかわらず一律に適用されるという記述も誤りである。
問36-3

共同住宅における直通階段に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①共同住宅においては、階数にかかわらず直通階段は常に1つで足りるものとされている。
  • ②避難階においては、居室から屋外への出口に至る歩行距離について制限は設けられていない。
  • ③6階以上の階で居室を有するものには、原則として2以上の直通階段を設けなければならない。
  • ④2以上の直通階段を設ける場合、それぞれの階段に至る歩行経路が重複する部分に制限はない。
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正解 ③6階以上の階で居室を有するものには、原則として2以上の直通階段を設けなければならない。
解説
建築基準法施行令121条1項6号は、共同住宅の用途に供する階でその階に居室を有するもののうち、6階以上の階については原則として2以上の直通階段を設けなければならないと定めている。5階以下の階についても、避難階以外の階で居室の床面積の合計が一定規模(主要構造部が準耐火構造又は不燃材料で造られている場合は200平方メートル、その他は100平方メートル)を超えるときは2以上の直通階段が必要となる。避難経路を複数確保することで、一方向が使えなくなった場合でも避難できるようにする趣旨である。

他の選択肢が不適切な理由
2以上の直通階段を設ける場合、居室の各部分からそれぞれの階段に至る通常の歩行経路が重複する部分(重複区間)の長さは、原則として歩行距離の限度の2分の1を超えてはならないとされており(令121条3項)、制限がないという記述は誤りである。共同住宅について階数にかかわらず直通階段が1つで足りるという記述は、前記の規定に真っ向から反するので誤りである。避難階においても、居室の各部分から屋外への出口に至る歩行距離は、令120条に定める数値の2倍以下としなければならないとされている(令125条1項)ので、制限がないという記述も誤りである。
問46-3

耐火建築物に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①外壁及び軒裏が防火構造であれば、主要構造部の構造を問わず耐火建築物に該当するものとされる。
  • ②室内の内装を不燃材料で仕上げていれば、耐火建築物として取り扱われることになっている。
  • ③主要構造部が準耐火構造であるものは、すべて耐火建築物に含まれるものと定められている。
  • ④主要構造部が耐火構造等であり、延焼のおそれのある部分の開口部に防火設備を有するものをいう。
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正解 ④主要構造部が耐火構造等であり、延焼のおそれのある部分の開口部に防火設備を有するものをいう。
解説
建築基準法2条9号の2は耐火建築物を、主要構造部が耐火構造であるか又は政令で定める技術的基準に適合するもので、かつ、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火設備(遮炎性能を有するもの)を有する建築物と定義している。すなわち、構造体そのものが火熱に一定時間耐えることと、外部からの火炎の侵入・外部への噴出を防ぐ開口部の措置との両方を備えて初めて耐火建築物となる点が重要である。

他の選択肢が不適切な理由
外壁及び軒裏が防火構造である建築物は、いわゆる防火構造の建築物であって主要構造部の耐火性能を問うものではないから、これだけで耐火建築物になるという記述は誤りである。内装を不燃材料で仕上げることは内装制限に関する事柄であって、主要構造部の性能とは別の規制であるから、内装仕上げのみで耐火建築物として扱われるという記述も誤りである。主要構造部が準耐火構造であるものは準耐火建築物(法2条9号の3)であって耐火建築物とは区別されるから、すべて耐火建築物に含まれるという記述も誤りである。
問56-3

建築基準法における防火に関する用語についての次のア〜エの記述のうち、適切なものはいくつあるか。
ア 耐火構造とは、壁や柱等が通常の火災による火熱に一定時間耐える性能を有する構造をいう。
イ 防火構造とは、建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために外壁又は軒裏に必要とされる性能を有する構造をいう。
ウ 不燃材料には、コンクリート、れんが、瓦、鉄鋼、ガラス、モルタル等が含まれる。
エ 難燃材料は、不燃材料よりも高い防火の性能が求められる材料として位置付けられている。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ③三つ
解説
適切なものはア・イ・ウの三つである。アについて、耐火構造とは、壁・柱・床その他の建築物の部分の構造のうち、通常の火災が終了するまでの間、当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために必要とされる性能を有するもので、国土交通大臣が定めた構造方法等によるものをいう。イについて、防火構造とは、建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために外壁又は軒裏に必要とされる性能を有する構造をいい、建築物自体の倒壊防止までを求める耐火構造とは着目点が異なる。ウについて、不燃材料の例としてコンクリート・れんが・瓦・鉄鋼・ガラス・モルタル・しっくい等が国土交通大臣により定められている。

他の選択肢が不適切な理由
エは適切でない。建築材料の防火性能は、加熱開始後に燃焼せず、防火上有害な変形・溶融・亀裂等を生じず、避難上有害な煙又はガスを発生しないことが求められる時間の長短によって区分されており、不燃材料は20分間、準不燃材料は10分間、難燃材料は5分間とされている。最も高い性能が求められるのは不燃材料であるから、難燃材料が不燃材料より高い性能を求められるという説明は順序を逆にしたものである。したがって適切なものは三つとなる。
問66-3

建築基準法施行令112条の防火区画に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①防火区画を貫通する風道には、原則として特定防火設備(防火ダンパー等)を設ける。
  • ②共同住宅の各住戸の界壁は、防火上の性能とは無関係であり遮音性能のみが求められる。
  • ③主要構造部を耐火構造とした建築物は、原則として1500平方メートル以内ごとに区画する。
  • ④3階以上の階に居室がある建築物の吹抜けや階段室等は、竪穴区画としなければならない。
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正解 ②共同住宅の各住戸の界壁は、防火上の性能とは無関係であり遮音性能のみが求められる。
解説
建築基準法30条は共同住宅の各戸の界壁について、隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないよう低減するための遮音性能を求めるとともに、小屋裏又は天井裏に達するものとすることを定めている。さらに建築基準法施行令114条1項は、共同住宅の各戸の界壁を準耐火構造とし、原則として小屋裏又は天井裏に達せしめなければならないと定めている。すなわち界壁には遮音性能と防火上の性能の双方が求められるのであって、遮音性能のみが求められるという記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
主要構造部を耐火構造等とした建築物は、原則として床面積1500平方メートル以内ごとに準耐火構造の床・壁又は特定防火設備で区画しなければならないという面積区画の記述は正しい。3階以上の階に居室を有する建築物等における吹抜け部分・階段・昇降機の昇降路等は、火煙が上階へ拡大するのを防ぐため準耐火構造の床・壁等で区画する(竪穴区画)という記述も正しい。防火区画を風道が貫通する場合には、貫通部又はこれに近接する部分に、火災により煙・熱を感知して自動的に閉鎖する特定防火設備(防火ダンパー)を設けるという記述も正しい。
問76-3

居室の採光に関する建築基準法の規定について、最も適切なものはどれか。

  • ①住宅の居住のための居室の採光に有効な開口部の面積は、常に床面積の20分の1以上あれば足りる。
  • ②採光に有効な開口部の面積は、開口部の実面積をそのまま用いて算定するものとされている。
  • ③共同住宅の住戸内の居室については、採光に関する規定の適用が一律に除外されている。
  • ④住宅の居住のための居室の採光に有効な開口部の面積は、原則として床面積の7分の1以上とする。
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正解 ④住宅の居住のための居室の採光に有効な開口部の面積は、原則として床面積の7分の1以上とする。
解説
建築基準法28条1項は、住宅等の居室について採光のための開口部を設けることを求め、その割合を政令に委ねている。これを受けた建築基準法施行令19条3項により、住宅の居住のための居室では原則として床面積の7分の1以上とされている。もっとも、令和5年4月1日に施行された改正により、床面において50ルクス以上の照度を確保することができる照明設備を設けた居室については10分の1以上まで緩和されることとなった。共同住宅の住戸内の居室もこの規定の対象となる。

他の選択肢が不適切な理由
床面積の20分の1以上という数値は換気に有効な開口部について定められたもの(法28条2項)であって、採光の基準ではないから、常に20分の1で足りるという記述は誤りである。採光に有効な開口部の面積は、開口部の実面積に、隣地境界線等までの水平距離と開口部の上部にある建築物の各部分までの高さの関係から求める採光補正係数を乗じて算定するものであり、実面積をそのまま用いるという記述も誤りである。共同住宅の住戸内の居室も採光規定の対象であるから、適用が一律に除外されるという記述も誤りである。
問86-3

居室の換気に関する建築基準法の規定について、適切でないものはどれか。

  • ①密閉式燃焼器具以外に火を使用する設備のない調理室にも、必ず換気設備が必要となる。
  • ②居室には、原則として床面積の20分の1以上の換気に有効な開口部を設けなければならない。
  • ③換気に有効な開口部が不足する場合には、政令で定める技術的基準に適合する換気設備を設ける。
  • ④火を使用する設備を設けた調理室等には、原則として換気設備を設けなければならない。
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正解 ①密閉式燃焼器具以外に火を使用する設備のない調理室にも、必ず換気設備が必要となる。
解説
建築基準法28条3項及び建築基準法施行令20条の3第1項は、火を使用する設備又は器具を設けた調理室等に換気設備の設置を義務付けつつ、その適用除外を定めている。除外される場合の一つが、密閉式燃焼器具等以外の火を使用する設備又は器具を設けていない室である。密閉式燃焼器具は燃焼用の空気を屋外から取り入れ、燃焼ガスを屋外に排出する構造で室内の空気を汚染しないため、この規定による換気設備の設置義務が及ばない。必ず換気設備が必要になるという記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
居室には原則として床面積の20分の1以上の換気に有効な開口部を設けなければならないという記述は法28条2項のとおりで正しい。この開口部が確保できない場合には、政令で定める技術的基準に適合する換気設備を設けなければならないという記述も同項ただし書のとおりで正しい。火を使用する設備を設けた調理室等には、燃焼に伴う一酸化炭素等の発生に対応するため原則として換気設備を設けなければならないという記述も正しい。
問96-3

シックハウス対策に係る建築基準法の規定について、最も適切なものはどれか。

  • ①この規定の対象となるのは住宅を新築する場合のみであり、増築や大規模の修繕には適用されない。
  • ②住宅の居室には、原則として換気回数0.5回毎時以上の機械換気設備を設けなければならない。
  • ③ホルムアルデヒドの発散量が最も少ない区分の建築材料についても、使用面積の制限を受ける。
  • ④クロルピリホスを添加した建築材料は、使用面積を制限した上で用いることが認められている。
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正解 ②住宅の居室には、原則として換気回数0.5回毎時以上の機械換気設備を設けなければならない。
解説
建築基準法28条の2及び建築基準法施行令20条の8は、シックハウス対策として、居室に機械換気設備(いわゆる24時間換気設備)を設けることを義務付けている。必要な有効換気量は、住宅等の居室では換気回数0.5回毎時以上、それ以外の居室では0.3回毎時以上とされている。住宅の高気密化により自然換気だけでは化学物質の濃度を下げられなくなったことに対応した規定であり、居住者が勝手に停止することは制度の趣旨に反する。

他の選択肢が不適切な理由
ホルムアルデヒドの発散建築材料は発散速度に応じて区分され、発散量が最も少ない区分(いわゆるF☆☆☆☆に相当するもの)は規制の対象外で使用面積の制限を受けないから、制限を受けるという記述は誤りである。クロルピリホスについては、これを添加した建築材料の使用が全面的に禁止されており(令20条の6)、面積を制限して使用できるという記述も誤りである。これらの規定は新築のみならず増築・改築・大規模の修繕・大規模の模様替を行う場合にも適用されるから、新築のみが対象という記述も誤りである。
問106-3

共同住宅の避難施設等に関する次のア〜エの記述のうち、適切なものはいくつあるか。
ア 高さ31メートルを超える建築物には、原則として非常用の昇降機を設けなければならない。
イ 建築物の高さ31メートル以下の部分にある3階以上の階には、原則として非常用の進入口を設けなければならない。
ウ 非常用の照明装置は、共同住宅の住戸内の居室にも必ず設けなければならない。
エ 排煙設備は、共同住宅の住戸で防火上有効に区画されたものについて、設置が免除されることがある。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ③三つ
解説
適切なものはア・イ・エの三つである。アについて、建築基準法34条2項は高さ31メートルを超える建築物に非常用の昇降機(非常用エレベーター)の設置を義務付けており、消防隊の消火・救助活動のための設備である(高さ31メートルを超える部分の階の用途や床面積によっては適用が除外される)。イについて、建築基準法施行令126条の6は、建築物の高さ31メートル以下の部分にある3階以上の階に非常用の進入口を設けることを求めている(非常用の昇降機を設置している場合や、代替進入口となる窓等を一定間隔で設けた場合は除かれる)。エについて、排煙設備は令126条の2に定めがあり、共同住宅の住戸で準耐火構造の床・壁及び防火設備で区画されたものなど、一定の要件を満たす部分については設置が免除される。

他の選択肢が不適切な理由
ウは適切でない。非常用の照明装置について定める建築基準法施行令126条の4は、一戸建の住宅並びに長屋及び共同住宅の住戸を適用対象から除外している。共用の廊下・階段等には必要となるが、住戸内の居室には設置義務がないので、必ず設けなければならないという記述は誤りである。したがって適切なものは三つとなる。

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