2026年版・6-16

防水・外壁の修繕の一問一答

マンション管理士「マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること」から、防水・外壁の修繕に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-16

屋上防水の工法に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①アスファルト防水は、アスファルトルーフィングを積層する工法である。
  • ②シート防水は、塩化ビニル樹脂系や加硫ゴム系のシートを用いる工法である。
  • ③ウレタンゴム系塗膜防水は、複雑な形状の下地にも施工しやすい工法である。
  • ④アスファルト防水の熱工法は、無臭であり、煙も発生しない工法である。
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正解 ④アスファルト防水の熱工法は、無臭であり、煙も発生しない工法である。
解説
アスファルト防水の熱工法は、溶融釜でアスファルトを約200度以上に加熱して溶かし、アスファルトルーフィングを積層して張り付ける工法であり、施工時に特有の臭気と煙を伴う。居住しながら工事を行うマンションではこの点が問題となりやすく、臭気や煙の少ないトーチ工法や常温粘着工法が用いられることが多い。したがって、無臭で煙も発生しないとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
アスファルト防水が、アスファルトを含浸させたルーフィングを複数層積層して防水層を形成する工法であるとする記述は正しい。シート防水が、塩化ビニル樹脂系や加硫ゴム系の合成高分子シートを接着又は機械的固定により張り付ける工法であるとする記述も正しい。ウレタンゴム系塗膜防水は、液状の材料を塗り重ねて継目のない防水層を形成するため、立上りや設備基礎など複雑な形状の下地にも施工しやすく、この記述も正しい。
問26-16

屋上防水の改修に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①かぶせ工法は、下地の含水の状態にかかわらず常に最適な工法である。
  • ②既存の防水層に含水がある場合は、脱気装置の設置を検討する。
  • ③撤去工法は、下地の状態を直接確認することができる利点がある。
  • ④既存の防水層を撤去せずに施工するかぶせ工法は、廃棄物を抑えられる。
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正解 ①かぶせ工法は、下地の含水の状態にかかわらず常に最適な工法である。
解説
かぶせ工法(非撤去工法)は、既存の防水層を残したままその上に新たな防水層を施工する工法であり、廃棄物の発生と工期を抑えられる利点があるが、既存防水層や下地に水分が残っていると、その水分が気化して新設した防水層にふくれを生じさせるおそれがある。したがって、含水の状態にかかわらず常に最適とする記述は誤りであり、含水が著しい場合は撤去工法を選択するか、脱気装置を併用する必要がある。

他の選択肢が正しい理由
かぶせ工法が既存防水層を撤去しないため産業廃棄物の発生を抑えられるとする記述は正しい。下地の水分を逃がす脱気装置(脱気筒・脱気盤)の設置を検討するとする記述も、ふくれの防止策として正しい。撤去工法は、既存防水層を除去することで下地コンクリートのひび割れや劣化の状況を直接確認して適切な処置を施せる利点があり、この記述も正しい。
問36-16

シーリング材の改修に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①打替え工法は、既存のシーリング材を除去して新たに充填する工法である。
  • ②増打ち工法は、常に打替え工法より耐久性に優れている工法である。
  • ③ブリッジ工法は、既存の目地の上をシーリング材で覆う応急的な工法である。
  • ④目地の動きが大きい目地は、ワーキングジョイントと呼ばれている。
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正解 ②増打ち工法は、常に打替え工法より耐久性に優れている工法である。
解説
増打ち工法は、既存のシーリング材を残したままその上に新たなシーリング材を充填する工法であり、劣化した既存材の上に施工するため、既存材ごと剥離するおそれがあり、耐久性は打替え工法に劣るのが通常である。したがって、常に打替え工法より耐久性に優れるとする記述は誤りである。大規模修繕工事では、原則として打替え工法が採用される。

他の選択肢が正しい理由
打替え工法が、既存のシーリング材をカッター等で除去し、清掃・プライマー塗布のうえ新たなシーリング材を充填する工法であるとする記述は正しい。温度変化や地震、風圧により目地の幅が変動する動きの大きい目地をワーキングジョイントといい、これに対し動きのほとんどない目地をノンワーキングジョイントということも正しい。ブリッジ工法は、既存の目地を撤去せずその上を橋を架けるようにシーリング材で覆う応急的な工法であり、この記述も正しい。
問46-16

外壁タイルの補修工法に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法は、浮きの部分を固定する。
  • ②注入口付きアンカーピンを用いる工法では、穿孔の数を減らすことができる。
  • ③浮きが生じたタイルは、注入等をせずに放置しても差し支えないものである。
  • ④外壁複合改修構工法は、繊維ネットと仕上材で壁面を被覆する工法である。
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正解 ③浮きが生じたタイルは、注入等をせずに放置しても差し支えないものである。
解説
タイルの浮きを放置すれば、進行して剥落し、通行人等の第三者に危害を及ぼすおそれがある。建築基準法8条は建築物の所有者等に常時適法な状態への維持を求めており、12条1項の定期調査により浮きが確認された場合には速やかに補修する必要がある。したがって、放置してよいとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法は、浮き部に穿孔してエポキシ樹脂を注入するとともにアンカーピンを挿入し、下地に機械的に固定する工法であり正しい。注入口付きアンカーピンを用いる工法は、ピン自体を注入口として用いることで穿孔と注入を一体化し、穿孔数を減らせるとする記述も正しい。外壁複合改修構工法(いわゆるピンネット工法)は、アンカーピンと繊維ネット、仕上材により壁面全体を一体的に被覆して剥落を防止する工法であり、この記述も正しい。
問56-16

外壁の塗装改修に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①高圧洗浄により、劣化した旧塗膜や汚れを除去してから塗装する。
  • ②一般に、下塗り、中塗り、上塗りの工程を経て仕上げられる。
  • ③フッ素樹脂系の塗料は、アクリル樹脂系に比べて耐久性が高いとされる。
  • ④下塗り材は、上塗り材との付着を妨げることを目的として用いられる。
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正解 ④下塗り材は、上塗り材との付着を妨げることを目的として用いられる。
解説
下塗り材(シーラー、フィラー、プライマー等)は、下地への吸込みを抑え、下地と上塗り材との付着を確保し、下地の微細なひび割れを埋めるために用いられるものである。付着を妨げることを目的とするものではないから、この記述は誤りである。下塗りを省略したり不適切な下塗り材を用いたりすると、早期の剥離や膨れの原因となる。

他の選択肢が正しい理由
塗装に先立ち高圧洗浄を行い、劣化した旧塗膜、チョーキングの粉、汚れ、藻・かび等を除去することは、付着性を確保するうえで不可欠であり正しい。仕上げが下塗り、中塗り、上塗りの各工程を経て行われるとする記述も正しい。塗料の耐久性は一般にアクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコン樹脂系、フッ素樹脂系の順に高くなるとされており、フッ素樹脂系がアクリル樹脂系より耐久性が高いとする記述も正しい。
問66-16

建築基準法第12条第1項に基づく外壁の調査に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①竣工等から10年を超えたものは、外壁の全面打診等の調査を要する。
  • ②調査は、竣工から5年ごとに必ず全面打診により行わなければならない。
  • ③無人航空機を用いた赤外線による調査は、まったく認められていない。
  • ④タイル張りの外壁については、この調査の対象から除外されている。
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正解 ①竣工等から10年を超えたものは、外壁の全面打診等の調査を要する。
解説
建築基準法12条1項の定期調査では、タイル張り等の外壁について、竣工、外壁改修等から10年を超え、かつ3年以内に落下により危害を生ずるおそれのある部分の全面打診等を行っていないものは、当該部分の全面打診等による調査を行うこととされている。したがって、この記述が適切である。10年という節目は、剥落による第三者への危害を防ぐために設けられたものである。

他の選択肢が不適切な理由
調査を竣工から5年ごとに必ず全面打診で行うとする記述は、周期も方法も法令の定めと異なるため誤りである。無人航空機(ドローン)を用いた赤外線調査は、告示の改正により全面打診等と同等の方法として認められているため、一切認められないとする記述は誤りである。また、タイル張りの外壁はまさに剥落の危険が高いものとして調査の中心的な対象であるから、除外されているとする記述も誤りである。
問76-16

バルコニーや開放廊下の修繕に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①床には、ウレタンゴム系塗膜防水や長尺塩化ビニル系シートが用いられる。
  • ②バルコニーの床の防水は、区分所有者が個別に行うことが原則である。
  • ③工事の際は、居住者に対し私物の移動を依頼する必要が生じる。
  • ④バルコニーは共用部分であるが、通常は専用使用権が設定されている。
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正解 ②バルコニーの床の防水は、区分所有者が個別に行うことが原則である。
解説
標準管理規約7条・8条及び別表第2により、バルコニーは専有部分に含まれない共用部分であり、その修繕は管理組合が計画修繕として実施するのが原則である。区分所有者が個別に行うのは、通常の使用に伴う清掃や、専用使用部分の管理のうち通常の使用に伴うものに限られる。したがって、床の防水を区分所有者が個別に行うことを原則とする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
バルコニーの床には、ウレタンゴム系塗膜防水や長尺塩化ビニル系シート(防滑性のある床材)が用いられるとする記述は正しい。バルコニーが共用部分でありながら、当該住戸の区分所有者に専用使用権が認められているとする記述も、標準管理規約14条の定めに合致し正しい。工事に当たっては、物置、エアコンの室外機の一時移動、避難ハッチや隔て板の周囲の片付けなど、居住者に私物の移動を依頼する必要が生じるため、この記述も正しい。
問86-16

外壁及び防水の修繕に関する次のア〜エの記述のうち、適切なものの組み合わせはどれか。
ア 屋上のルーフドレンの周辺は、防水層の中でも劣化が生じにくい部位であり、特段の処理を要しない。
イ パラペットの笠木の継目やシーリングの劣化した部分は、雨水の浸入の経路となりうる。
ウ 露出した防水層に生じたふくれは、下地に残った水分とは関係なく生じるものである。
エ 塗膜防水は、所定の性能を発現するまでに養生の期間を要するため、硬化前の歩行は避ける必要がある。

  • ①アとイ
  • ②アとウ
  • ③イとエ
  • ④ウとエ
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正解 ③イとエ
解説
イは正しい。パラペットの笠木は、その継目やシーリングの劣化した部分から雨水が浸入し、内部の躯体や下階の天井に漏水を生じさせる代表的な経路であり、点検と補修が欠かせない。エも正しい。塗膜防水は、塗り付けた材料が硬化して所定の性能を発現するまでに一定の養生の期間を要し、硬化前に歩行すれば防水層の損傷や膜厚の不均一を招く。したがって、正しいものの組み合わせはイとエとなる。

他の選択肢が不適切な理由
アは誤りである。ルーフドレンの周辺は、防水層の端部が集中し常に水が集まるため劣化が生じやすい部位であり、増張りや改修用ドレンの設置など重点的な処理が必要となる。ウも誤りである。露出防水層のふくれは、下地や既存防水層に残った水分が日射による温度上昇で気化し、その圧力により防水層が下地から浮き上がることによって生じるものであり、下地の水分と密接に関係する。したがって、ア又はウを含む組み合わせはいずれも正しくない。
問96-16

鉄部の塗装に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①塗替えの周期は、おおむね4年から6年が目安とされている。
  • ②ケレンにより、さびや劣化した旧塗膜を除去してから塗装する。
  • ③鉄部は、さびが生じてから初めて塗装をすればよいとされている。
  • ④さび止めの効果を持つ塗料を、下塗りとして用いるのが一般的である。
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正解 ③鉄部は、さびが生じてから初めて塗装をすればよいとされている。
解説
鉄部の塗装は、塗膜により鉄を空気や水分から遮断して発錆を防ぐことを主たる目的とするものであり、塗膜が劣化して防食機能を失う前に塗り替えることが重要である。さびが生じてから初めて塗装するのでは、断面の欠損や下地の劣化が進んでしまうため、この記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
鉄部の塗替え周期は、外壁塗装より短くおおむね4年から6年が目安とされ、長期修繕計画でも比較的短い周期の項目として計上されるため正しい。ケレンは、ワイヤーブラシ、サンドペーパー、電動工具等によりさびや劣化した旧塗膜、汚れを除去する下地処理であり、塗膜の付着を確保するために不可欠であるから正しい。下塗りにさび止め塗料(防錆塗料)を用いるのが一般的であるとする記述も正しい。
問106-16

防水に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①脱気筒は、下地に残る水分を排出しふくれを防ぐために設けられる。
  • ②ルーフドレンは、屋上の雨水を排水管へ導くために設ける金物である。
  • ③押えコンクリート工法は、防水層を保護し歩行を可能にする工法である。
  • ④屋上の排水口は、落ち葉等で詰まっても防水の性能には影響しない。
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正解 ④屋上の排水口は、落ち葉等で詰まっても防水の性能には影響しない。
解説
屋上の排水口(ルーフドレン)が落ち葉や土砂で詰まると、雨水が排水されずに屋上に滞留し、防水層の立上りの高さを超えて浸入したり、長期の滞水により防水層の劣化を早めたりする。また滞水の重量が構造体に負担をかけることもある。したがって、防水の性能に影響しないとする記述は誤りであり、定期的な清掃と点検が必要である。

他の選択肢が正しい理由
脱気筒(脱気装置)は、下地や既存防水層に残る水分が気化した水蒸気を屋外へ逃がし、防水層のふくれを防ぐために設けられるものであり正しい。ルーフドレンが屋上の雨水を集めて竪樋・排水管へ導く金物であるとする記述も正しい。押えコンクリート工法(保護防水)は、防水層の上に保護コンクリートを打設して紫外線や物理的損傷から防水層を守り、歩行や設備の設置を可能にする工法であり、この記述も正しい。

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