2026年版・6-15

劣化診断とマンションの調査・診断の一問一答

マンション管理士「マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること」から、劣化診断とマンションの調査・診断に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-15

マンションの劣化診断に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①一次診断は、目視や簡易な計測を中心とする予備的な診断である。
  • ②二次診断は、必要な部位について詳細な計測や試験を行う診断である。
  • ③診断は必ず三次診断まで行わなければ、修繕計画を立てられない。
  • ④三次診断は、破壊試験等も用いて劣化の原因を特定する詳細な診断である。
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正解 ③診断は必ず三次診断まで行わなければ、修繕計画を立てられない。
解説
マンションの劣化診断は、目視・簡易な計測を中心とする一次診断(簡易診断)から始め、その結果、より詳細な把握が必要と判断された部位について二次診断、さらに原因の特定が必要な場合に三次診断(詳細診断)へと段階的に進めるのが一般的である。すべての建物について必ず三次診断まで行わなければ修繕計画を立てられないというものではなく、費用対効果を踏まえて必要な範囲で実施すればよいため、この記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
一次診断が目視、打診、簡易な計測を中心とする予備的・概略的な診断であるとする記述は正しい。二次診断が、一次診断で問題が認められた部位について詳細な計測や各種試験を行い劣化の程度を定量的に把握するものであるとする記述も正しい。三次診断が、コアの採取やはつりなどの破壊を伴う試験も用いて劣化の原因を特定し、対策の選定につなげるものであるとする記述も正しい。
問26-15

外壁の調査方法に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①打診法は、外壁のひび割れの幅を精密に測定するための方法である。
  • ②赤外線サーモグラフィ法は、表面温度の差から浮きの有無を推定する。
  • ③赤外線による調査は、天候や日射の条件により結果が左右されうる。
  • ④打診法は、打診棒等で壁面をたたき、その音により浮きの有無を判定する。
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正解 ①打診法は、外壁のひび割れの幅を精密に測定するための方法である。
解説
打診法は、打診棒やテストハンマーで仕上げ材の表面をたたき、又は転がして、その打撃音の違いにより下地からの浮き(剥離)の有無と範囲を判定する方法である。ひび割れの幅を測定するには、クラックスケールやクラックゲージを用いた計測を行うのであって、打診法はその方法ではないから、この記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
打診法が打撃音の違いにより浮きの有無を判定する方法であるとする記述は正しい。赤外線サーモグラフィ法は、浮きの部分では下地との間の空気層により熱伝導が妨げられ健全部と表面温度に差が生じることを利用して浮きを推定する方法であり正しい。赤外線調査は、日射量、外気温、風、降雨などの条件により温度差が現れにくくなることがあり、測定の時間帯や天候の選定が重要とされるため、この記述も正しい。
問36-15

コンクリートの中性化に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①空気中の二酸化炭素の作用により、アルカリ性が失われていく現象である。
  • ②中性化の進行の深さは、経過年数に単純に正比例して大きくなる。
  • ③中性化が鉄筋の位置まで進むと、鉄筋が腐食しやすい状態となる。
  • ④フェノールフタレイン溶液を噴霧し、呈色しない部分が中性化した部分である。
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正解 ②中性化の進行の深さは、経過年数に単純に正比例して大きくなる。
解説
コンクリートの中性化は、表面から進むにつれて二酸化炭素が内部へ拡散しにくくなるため、進行の速度は次第に遅くなる。一般に中性化深さは経過年数の平方根に比例するとされ(いわゆるルートt則)、経過年数に正比例するものではないから、この記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
中性化は、空気中の二酸化炭素がコンクリート中の水酸化カルシウムと反応して炭酸カルシウムに変化し、強アルカリ性が失われていく現象であり正しい。フェノールフタレイン溶液は強アルカリ性の部分で赤紫色に呈色するため、コアやはつり面に噴霧して呈色しない部分の深さを中性化深さとして測定するのであり、この記述も正しい。鉄筋はアルカリ性の環境下で不動態被膜により保護されているため、中性化が鉄筋位置まで達すると被膜が失われて腐食しやすくなり、この記述も正しい。
問46-15

鉄筋コンクリート造の調査に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①電磁波レーダー法により、鉄筋の位置やかぶり厚さを推定することができる。
  • ②自然電位法は、鉄筋の腐食の可能性を非破壊で推定する方法である。
  • ③はつり調査によれば、鉄筋の腐食の状況を直接目視で確認することができる。
  • ④鉄筋のかぶり厚さが小さいものほど、鉄筋の腐食は生じにくくなる。
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正解 ④鉄筋のかぶり厚さが小さいものほど、鉄筋の腐食は生じにくくなる。
解説
かぶり厚さとは、鉄筋の表面からコンクリート表面までの最短距離をいい、これが大きいほど中性化や塩化物イオンが鉄筋に到達するまでの時間が長くなり、鉄筋は腐食しにくくなる。逆にかぶり厚さが小さいと早期に腐食が生じ、鉄筋の膨張によってコンクリートのひび割れや剥落を招く。したがって、かぶり厚さが小さいほど腐食が生じにくいとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
電磁波レーダー法は、コンクリート中に電磁波を放射し鉄筋からの反射波を捉えることで、鉄筋の位置やかぶり厚さを非破壊で推定する方法であり正しい。自然電位法は、鉄筋とコンクリート表面との電位差を測定し、その値から腐食の可能性を非破壊で推定する方法であり正しい。はつり調査は、コンクリートを部分的に削り取って鉄筋を露出させ、腐食の程度を直接目視・計測するもので、確実性は高いが局部的な破壊を伴うため、この記述も正しい。
問56-15

コンクリートの強度に関する調査方法についての次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①コアを採取して行う圧縮強度試験は、非破壊試験に分類されている。
  • ②反発度法は、コンクリートを採取して直接圧縮する破壊試験である。
  • ③反発度法は、表面の反発の程度から圧縮強度を推定する方法である。
  • ④超音波法は、コンクリートの中性化深さを直接測定する方法である。
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正解 ③反発度法は、表面の反発の程度から圧縮強度を推定する方法である。
解説
反発度法(リバウンドハンマー法、いわゆるシュミットハンマーによる試験)は、コンクリート表面に一定の衝撃を与え、その反発の度合い(反発度)を測定して圧縮強度を推定する非破壊試験である。手軽に多数の測定点を得られる一方、表面の含水状態や中性化の程度、仕上げの有無により値が左右されるため、必要に応じてコア採取による試験と併用される。したがって、この記述が適切である。

他の選択肢が不適切な理由
反発度法はコンクリートを採取しない非破壊試験であるから、採取して直接圧縮する破壊試験とする記述は誤りである。コアを採取して行う圧縮強度試験は、供試体を切り取って圧壊させるものであるから局部破壊試験であり、非破壊試験に分類するとする記述も誤りである。超音波法は、超音波の伝播速度からコンクリートの内部欠陥やひび割れの深さを推定する方法であり、中性化深さを直接測定するものではないため、この記述も誤りである。
問66-15

コンクリートの変状に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①乾燥収縮によるひび割れは、必ず鉄筋の腐食が原因で発生する。
  • ②コールドジョイントは、打継ぎ部の一体化が不十分な場合に生じる。
  • ③アルカリシリカ反応は、骨材との反応により膨張ひび割れを生じさせる。
  • ④エフロレッセンスは、白色の析出物が表面に現れる現象である。
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正解 ①乾燥収縮によるひび割れは、必ず鉄筋の腐食が原因で発生する。
解説
乾燥収縮によるひび割れは、コンクリート中の余剰水が乾燥により逸散して体積が縮もうとする際、鉄筋や周囲の部材に拘束されて引張応力が生じることにより発生するものであり、鉄筋の腐食を原因とするものではない。鉄筋の腐食による膨張が原因のひび割れは、鉄筋に沿って直線的に生じるという特徴があり、乾燥収縮ひび割れとは発生の機構が異なる。したがって、この記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
エフロレッセンス(白華)は、コンクリート中の可溶成分が水とともに表面へ移動し、水分の蒸発と二酸化炭素との反応により白色の析出物として現れる現象であり正しい。コールドジョイントは、先に打ち込んだコンクリートが固まり始めた後に次のコンクリートを打ち重ねたために一体化が不十分となった不連続面であり正しい。アルカリシリカ反応は、セメント中のアルカリと反応性の骨材が反応して生成物が吸水膨張し、亀甲状のひび割れを生じさせるものであり、この記述も正しい。
問76-15

外壁タイルの調査に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①引張接着試験により、タイルの接着強度を確認することができる。
  • ②タイルの浮きは、外観の目視のみによって確実かつ正確に判定できる。
  • ③タイルの剥落は、第三者に危害を及ぼすおそれのある重大な劣化である。
  • ④浮きの範囲は、打診や赤外線による調査によって把握することができる。
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正解 ②タイルの浮きは、外観の目視のみによって確実かつ正確に判定できる。
解説
タイルの浮きは下地との界面で生じる内部の欠陥であり、外観からは判別できないことが多い。したがって、打診や赤外線サーモグラフィ等の方法により内部の状態を把握する必要があり、外観の目視のみで確実に判定できるとする記述は誤りである。実際、目視では健全に見えるタイルが打診により広範囲に浮いていると判明する例は少なくない。

他の選択肢が正しい理由
引張接着試験は、タイル面に接着した治具を引張り、剥離するときの力から接着強度を測定するもので、補修の要否や工法の選定の判断材料となり正しい。浮きの範囲を打診や赤外線調査により把握できるとする記述も正しい。タイルの剥落は通行人等の第三者に危害を及ぼすおそれがあり、建築基準法12条1項の定期調査で外壁の全面打診等が求められている趣旨もそこにあるため、この記述も正しい。
問86-15

マンションの調査・診断に関する次のア〜エの記述のうち、適切なものはいくつあるか。
ア 建築基準法第12条第1項の定期調査においては、竣工や外壁改修等から10年を超えたものについて、外壁の全面打診等の調査が求められる。
イ 給水管の劣化の状況は、内視鏡による調査や抜管による調査により把握することができる。
ウ 劣化診断の結果は、長期修繕計画の見直しの基礎資料となる。
エ 診断に当たっては、居住者へのアンケートにより不具合の情報を収集することも有効である。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ④四つ
解説
アは正しい。建築基準法12条1項の定期調査では、竣工、外壁改修等から10年を超え、かつ3年以内に落下により危害を生ずるおそれのある部分の全面打診等を実施していないものについて、外壁の全面打診等の調査が求められる。イも正しい。給水管の内面の腐食やスケールの付着状況は、内視鏡(ファイバースコープ)による観察や、配管の一部を切り取る抜管調査により把握できる。ウも正しい。劣化診断で得られた劣化の程度や進行の見通しは、推定修繕工事の時期や内容を見直す基礎資料となる。エも正しい。漏水、結露、異音、詰まりなど日常生活の中で気付く不具合の情報は、居住者へのアンケートにより効率的に収集できる。したがって適切なものは四つである。

他の選択肢が不適切な理由
ア〜エはいずれも法令及び診断の実務に照らして正しい記述であるから、適切なものが一つ、二つ、三つにとどまるとする記述はいずれも該当しない。特に外壁の全面打診等については、近年、無人航空機を用いた赤外線調査も同等の方法として認められており、実務上用いうる方法が広がっている点もあわせて押さえておきたい。
問96-15

コンクリートの劣化の要因に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①塩害は、塩化物イオンにより鉄筋の不動態被膜が破壊されて生じる。
  • ②凍害は、水分の凍結と融解の繰返しにより劣化が進行する現象である。
  • ③海岸に近い立地では、飛来する塩分による塩害に注意する必要がある。
  • ④鉄筋が腐食しても、その体積は変化せずかぶりが剥落することはない。
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正解 ④鉄筋が腐食しても、その体積は変化せずかぶりが剥落することはない。
解説
鉄筋が腐食すると、生成した錆の体積は元の鉄の体積の数倍に膨張する。この膨張圧によりかぶりコンクリートに内部から引張力が働き、鉄筋に沿ったひび割れが生じ、進行すればかぶりが浮き上がって剥落する。したがって、体積は変化せず剥落することもないとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
塩害は、塩化物イオンがコンクリート中の鉄筋に達し、アルカリ環境下で形成されていた不動態被膜を局部的に破壊することにより腐食を進行させる現象であり正しい。凍害は、コンクリート中の水分が凍結して膨張し、融解と凍結を繰り返すことでひび割れやスケーリング(表面の剥離)を生じさせる現象であり正しい。海岸に近い立地では飛来塩分が外壁に付着して塩害の原因となるため注意を要するとする記述も正しい。
問106-15

マンションの給排水設備の調査・診断に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①配管の内面の腐食やスケールは、内視鏡による調査で確認できる。
  • ②抜管調査では、配管の一部を切り取って断面の状況を直接観察する。
  • ③給水管の劣化は、外観の目視のみで正確かつ確実に判定できる。
  • ④排水管の劣化の診断では、詰まりや漏水の履歴も参考となる。
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正解 ③給水管の劣化は、外観の目視のみで正確かつ確実に判定できる。
解説
給水管の劣化は、主として配管の内面で進行する腐食やスケールの付着によるものであり、外観の目視だけでは正確に判定することができない。したがって、内視鏡による内面の観察、抜管による断面の観察、超音波による肉厚の測定、水質検査などを組み合わせて診断する必要があり、外観の目視のみで正確に判定できるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
内視鏡(ファイバースコープ)を配管内に挿入して内面の赤錆やスケールの付着状況を観察できるとする記述は正しい。抜管調査は、配管の一部を切り取って切断面や内面を直接観察し、肉厚の減少や腐食の程度を把握するもので、確度は高いが断水等を伴うため、この記述も正しい。排水管については、過去の詰まりや漏水の発生履歴、清掃時の状況が劣化の進行を推し量る有力な手掛かりとなるため、この記述も正しい。

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