2026年版・6-14

長期修繕計画の作成・見直しの一問一答

マンション管理士「マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること」から、長期修繕計画の作成・見直しに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-14

国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインが示す計画期間に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①25年以上で、大規模修繕工事が1回以上含まれる期間以上とする。
  • ②30年以上で、大規模修繕工事が2回以上含まれる期間以上とする。
  • ③新築時は30年以上、既存の場合は15年以上とすることとされている。
  • ④計画期間は、法令により一律に40年と定められているものである。
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正解 ②30年以上で、大規模修繕工事が2回以上含まれる期間以上とする。
解説
国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインは、長期修繕計画の計画期間について、新築・既存を問わず30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回以上含まれる期間以上とすることとしている。大規模修繕工事を2回以上含めるのは、周期の長い工事も含めた費用の全体像を把握し、修繕積立金の額を適切に設定するためである。したがって、この記述が適切である。

他の選択肢が不適切な理由
25年以上で大規模修繕工事1回以上とする記述は、改定前の考え方に近いものであり、現行のガイドラインの基準とは異なるため誤りである。新築と既存で計画期間を区別し既存を15年以上とする記述は、いずれについても30年以上とする現行の考え方に反しており誤りである。また、計画期間を法令により一律40年と定めた規定は存在せず、ガイドラインも法令ではないため、この記述も誤りである。
問26-14

長期修繕計画の見直しに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①5年程度ごとに調査・診断を行い、その結果に基づいて見直すことが望ましい。
  • ②大規模修繕工事の実施の直前又は直後に見直しを行うことが考えられる。
  • ③一度作成した計画は、計画期間が満了するまで変更してはならない。
  • ④見直しに当たっては、修繕積立金の額の見直しもあわせて検討する。
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正解 ③一度作成した計画は、計画期間が満了するまで変更してはならない。
解説
長期修繕計画は、作成時点における推定に基づくものであるから、建物の劣化状況、工事価格の変動、居住者の要望等の変化に応じて定期的に見直す必要がある。ガイドラインは、5年程度ごとに調査・診断を行い、その結果に基づいて見直すことを示している。したがって、計画期間が満了するまで変更してはならないとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
5年程度ごとに調査・診断を実施し、その結果を踏まえて見直すことが望ましいとする記述は、ガイドラインの考え方に合致しており正しい。大規模修繕工事の直前又は直後は、劣化状況や実際の工事費が明らかになる時期であり、見直しの好機であるとされており正しい。計画の見直しにより推定修繕工事費が変動すれば、それを賄う修繕積立金の額も見直す必要があるため、あわせて検討するとする記述も正しい。
問36-14

長期修繕計画に計上する推定修繕工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①建物や設備の性能を新築時と同等の水準に維持・回復する修繕が基本となる。
  • ②必要に応じて、性能を向上させる改修工事を設定することも可能である。
  • ③修繕の周期は、部位ごとに一定の幅を持たせて設定することができる。
  • ④専有部分の内装や設備の更新に要する費用も、必ず計上しなければならない。
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正解 ④専有部分の内装や設備の更新に要する費用も、必ず計上しなければならない。
解説
長期修繕計画は管理組合が管理する共用部分等を対象とするものであり、区分所有者が自らの費用と責任で行う専有部分の内装や設備の更新費用を計上する必要はない。したがって、必ず計上しなければならないとする記述は誤りである。もっとも、専有部分である給排水管を共用部分の工事とあわせて一体的に行う場合など、規約に定めを置いたうえで管理組合が計画的に実施する例はある。

他の選択肢が正しい理由
ガイドラインは、推定修繕工事について、建物及び設備の性能・機能を新築時と同等の水準に維持又は回復させる修繕を基本とするとしており、この記述は正しい。同時に、区分所有者の要望等により必要に応じて性能を向上させる改修工事を設定することも可能としており、この記述も正しい。令和6年6月の改定により、修繕周期の目安は一点の年数ではなく一定の幅をもって示されることとなったため、この記述も正しい。
問46-14

長期修繕計画作成ガイドライン及び長期修繕計画標準様式に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①ガイドラインは法令であり、これに従わない計画は無効となる。
  • ②推定修繕工事費の算出には、部位ごとの数量と単価が用いられる。
  • ③計画の前提条件や与条件を明示しておくことが求められている。
  • ④マンションの建物・設備の概要等を記載する様式が定められている。
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正解 ①ガイドラインは法令であり、これに従わない計画は無効となる。
解説
長期修繕計画作成ガイドラインは、国土交通省が管理組合の参考に供するために策定・公表した指針であって、法令ではない。したがって、これに従わない計画が直ちに無効となることはなく、この記述は誤りである。もっとも、マンション管理計画認定制度の認定基準や標準管理規約のコメントがガイドラインの内容を前提としており、実務上の重要性は高い。

他の選択肢が正しい理由
長期修繕計画標準様式には、マンションの建物・設備の概要、修繕履歴、調査・診断の結果等を記載する様式が定められており正しい。推定修繕工事費は、推定修繕工事項目ごとに数量を拾い出し、これに単価を乗じて算出することとされており正しい。計画の作成に当たっては、計画期間、推定修繕工事の対象範囲、消費税の取扱い、単価の設定方法などの前提条件・与条件を明示しておくことが求められており、この記述も正しい。
問56-14

修繕積立金の積立方式に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①均等積立方式は、計画期間を通じて毎月の額を一定とする方式である。
  • ②均等積立方式では、途中で積立額を見直すことは一切許されていない。
  • ③段階増額積立方式には、将来の引上げが計画どおり進まない懸念がある。
  • ④段階増額積立方式は、当初の額を抑えて段階的に引き上げる方式である。
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正解 ②均等積立方式では、途中で積立額を見直すことは一切許されていない。
解説
均等積立方式は、計画期間を通じて毎月の積立額を一定とする方式であるが、長期修繕計画自体を5年程度ごとに見直すことが前提とされているため、計画の見直しに伴って積立額を改定することは当然に予定されている。したがって、途中の見直しが一切許されないとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
均等積立方式が計画期間を通じて毎月の額を一定とする方式であるとする記述は正しい。段階増額積立方式が当初の額を低く抑え、一定期間ごとに段階的に引き上げていく方式であるとする記述も正しい。段階増額積立方式は、当初の負担が軽い反面、実際の引上げ時に区分所有者の合意が得られず計画どおりに増額できないおそれがあると指摘されており、この記述も正しい。
問66-14

マンションの修繕積立金に関する国土交通省のガイドラインについての次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①専有床面積当たりの月額の目安が、建物の規模等に応じて示されている。
  • ②機械式駐車場がある場合は、その分の費用を加算して考える必要がある。
  • ③示された目安の額は、管理組合が必ず従うべき法定の最低限度額である。
  • ④段階増額積立方式について、引上げ幅の抑制に関する目安が示されている。
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正解 ③示された目安の額は、管理組合が必ず従うべき法定の最低限度額である。
解説
国土交通省のマンションの修繕積立金に関するガイドラインは、管理組合が修繕積立金の水準を検討する際の参考として、専有床面積当たりの月額の目安を示すものであり、法令に基づく下限額ではない。実際に必要な額はマンションごとの長期修繕計画に基づいて算定すべきものであるから、法定の下限額とする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
同ガイドラインは、地上階数や建築延床面積の区分ごとに専有床面積当たりの月額の目安を事例の集計に基づき示しており、この記述は正しい。機械式駐車場は維持管理費や更新費が高額となるため、その分を別途加算して考える必要があるとされており正しい。令和6年6月の改定により、段階増額積立方式については、計画期間全体の平均額に対して当初の額を一定割合以上、最終の額を一定割合以内に収めるという引上げ幅の抑制の目安が示されており、この記述も正しい。
問76-14

長期修繕計画に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①計画修繕工事に要する費用をあらかじめ推定して計上するものである。
  • ②日常的な点検や小修繕の費用は、通常は管理費から支出される。
  • ③災害による復旧費用は、あらかじめ計上することが困難である。
  • ④計画に計上された工事は、総会の決議を経ずに実施することができる。
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正解 ④計画に計上された工事は、総会の決議を経ずに実施することができる。
解説
長期修繕計画は、将来必要となる修繕工事とその費用を推定して示すものにすぎず、個々の工事の実施を決定する効力を持つものではない。実際に工事を行う際には、修繕積立金の取崩しと工事の実施について改めて総会の決議を経る必要がある(標準管理規約48条)。したがって、総会の決議を経ずに実施できるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
長期修繕計画が、計画期間内に必要と見込まれる計画修繕工事の項目・時期・費用を推定して計上するものであるとする記述は正しい。日常的な点検や不具合の都度行う小修繕(経常修繕)の費用は、通常は管理費から支出されるものであり正しい。地震や風水害による復旧費用は、発生時期も規模も予測できないため長期修繕計画にあらかじめ計上することが困難であり、保険の付保等により備えるのが通常であるから、この記述も正しい。
問86-14

長期修繕計画に関する次のア〜エの記述のうち、適切なものの組み合わせはどれか。
ア 長期修繕計画の作成又は変更は、標準管理規約上、総会の決議事項とされている。
イ 長期修繕計画は、区分所有者又は利害関係人から求めがあれば閲覧させることとされている。
ウ 長期修繕計画は、修繕積立金の額とは切り離して作成すべきものとされている。
エ 長期修繕計画の作成に要する費用は、必ず修繕積立金から支出しなければならない。

  • ①アとイ
  • ②アとウ
  • ③イとエ
  • ④ウとエ
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正解 ①アとイ
解説
アは正しい。標準管理規約48条は、長期修繕計画の作成又は変更に関する事項を総会の決議事項として掲げている。イも正しい。長期修繕計画は区分所有者の負担に直結する重要な資料であり、標準管理規約は、理事長が区分所有者又は利害関係人の求めに応じてこれを閲覧させることとしている。したがって、正しいものの組み合わせはアとイとなる。

他の選択肢が不適切な理由
ウは誤りである。長期修繕計画は、計画期間内に必要となる推定修繕工事費の総額を明らかにし、それを賄うために必要な修繕積立金の額を算定する根拠となるものであり、両者は一体のものとして検討される。エも誤りである。標準管理規約は、長期修繕計画の作成又は変更に要する経費及びその調査に要する費用について、管理費から支出することも、修繕積立金を取り崩して充当することもできる旨を示しており、必ず修繕積立金からとする点が誤っている。したがって、ウ又はエを含む組み合わせはいずれも正しくない。
問96-14

マンション管理計画認定制度に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①認定の申請は、管理組合ではなく管理業者が単独で行うこととなっている。
  • ②計画期間が30年以上で、大規模修繕工事が2回以上含まれる必要がある。
  • ③認定は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づいている。
  • ④長期修繕計画が7年以内に作成又は見直しされていることが基準となる。
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正解 ①認定の申請は、管理組合ではなく管理業者が単独で行うこととなっている。
解説
マンション管理計画認定制度は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律5条の13等に基づき、管理組合の管理者等が作成した管理計画を都道府県知事等が認定する制度である。申請を行うのは管理組合の管理者等であって、管理業者が単独で申請するものではないから、この記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
認定基準の一つとして、長期修繕計画が7年以内に作成又は見直しがされていることが求められており、この記述は正しい。同じく認定基準として、計画期間が30年以上で、かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれていることが求められており正しい。認定制度の根拠法がマンションの管理の適正化の推進に関する法律である点も正しく、認定を受けたマンションはフラット35の金利引下げ等の優遇を受けられる場合がある。
問106-14

長期修繕計画の作成の実務に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①作成に当たっては、設計図書や過去の修繕の履歴を確認する必要がある。
  • ②計画は理事長が単独で決定し、区分所有者への周知は不要となっている。
  • ③推定修繕工事費は、物価や工事価格の変動を踏まえて見直す必要がある。
  • ④建物の劣化の状況を把握するため、調査・診断を行うことが望ましい。
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正解 ②計画は理事長が単独で決定し、区分所有者への周知は不要となっている。
解説
長期修繕計画は修繕積立金の額の根拠となる重要な資料であり、その作成又は変更は総会の決議事項とされている(標準管理規約48条)。また、区分所有者の理解と協力を得るためには、計画の内容や見直しの結果を分かりやすく周知することが不可欠である。したがって、理事長が単独で決定し周知も不要とする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
作成に当たり、竣工図等の設計図書や過去の修繕・改修の履歴、保守点検の記録を確認することは、推定修繕工事項目と数量を適切に設定するために必要であり正しい。建物の劣化状況を把握するため調査・診断を実施し、その結果を計画に反映させることが望ましいとする記述も正しい。推定修繕工事費は、資材価格や労務費の変動により実勢と乖離していくため、見直しの都度、最新の価格水準を踏まえて改める必要があり、この記述も正しい。

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