2026年版・5-7

滞納管理費への対応の一問一答

マンション管理士「管理組合の運営の円滑化に関すること」から、滞納管理費への対応に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-7

管理費の滞納と消滅時効に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①管理費債権は、公共料金の債権と同様に1年で時効によって消滅する
  • ②管理費債権は、権利を行使することができる時から2年で時効により消滅するのだ
  • ③管理費債権は、権利を行使できることを知った時から5年で時効により消滅する
  • ④管理費債権については、消滅時効という制度の適用がないものとされている
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正解 ③管理費債権は、権利を行使できることを知った時から5年で時効により消滅する
解説
管理費は毎月一定の期日に支払われるべき債権であり、管理組合は当初からその弁済期を把握している。民法166条1項1号により、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないときは時効によって消滅するから、管理費債権の消滅時効の期間は5年となる。判例も、管理費債権が定期的に発生する債権として短期の消滅時効に服することを認めている。

他の選択肢が不適切な理由
民法の改正により職業別の短期消滅時効は廃止されており、2年や1年といった期間が管理費債権に適用されることはない。また、管理費債権も通常の債権と同様に消滅時効の対象となるため、時効の適用がないとする理解も誤りである。滞納が長期化すると古い期間の分から順に時効が完成していくため、早期の対応が不可欠である。
問25-7

滞納管理費の消滅時効への対応に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①内容証明郵便による催告は、その時から6か月を経過するまで完成を猶予する
  • ②滞納者が滞納額の一部を支払った場合、債務の承認として時効は更新されるのだ
  • ③訴えを提起して勝訴の判決が確定した場合、新たな時効の期間は10年となるのだ
  • ④催告を繰り返せば、そのたびに完成猶予の効果が積み重なるものとされているのだ
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正解 ④催告を繰り返せば、そのたびに完成猶予の効果が積み重なるものとされているのだ
解説
民法150条は、催告があったときはその時から6か月を経過するまでは時効は完成しないと定める一方、催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告には完成猶予の効力を認めていない。したがって督促状を繰り返し送っても猶予の期間が積み重なることはなく、6か月以内に訴えの提起や支払督促の申立てなど実効的な手段を採る必要がある。

他の選択肢が正しい理由
内容証明郵便による催告は民法150条の催告に当たり、その時から6か月間は時効が完成しない。滞納額の一部の弁済は債務の存在を認める行為であるから民法152条の承認に当たり、時効は更新されて新たに進行を始める。確定判決によって確定した権利については、民法169条により新たな時効の期間は10年となる。
問35-7

区分所有法が定める先取特権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①先取特権は、債務者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に成立する
  • ②先取特権は、債務者の区分所有権の上には成立せず動産のみを目的とする
  • ③先取特権は、登記をしていれば常に抵当権に優先するものとされているのである
  • ④先取特権を行使するには、あらかじめ集会の特別決議が必要である
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正解 ①先取特権は、債務者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に成立する
解説
区分所有法7条は、共用部分等について他の区分所有者に対して有する債権や、規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者である区分所有者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有すると定めている。滞納管理費は規約に基づく債権であるから、この先取特権の被担保債権となる。

他の選択肢が不適切な理由
先取特権の目的物には区分所有権そのものが含まれており、動産に限られない。この先取特権は優先権の順位及び効力について共益費用の先取特権とみなされる一般の先取特権であり、登記をした抵当権者には対抗することができないため、常に抵当権に優先するわけではない。また、先取特権の行使そのものに集会の特別決議を要求する規定は置かれていない。
問45-7

滞納管理費の請求の相手方に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①滞納者から専有部分を賃借した者に対しても、滞納分を請求することができる
  • ②滞納者から専有部分を買い受けた者に対しても、滞納分を請求することができる
  • ③競売の手続により専有部分を取得した者に対しても、滞納分を請求することはできない
  • ④買主が滞納の事実を知らなかった場合には、請求は一切できないとされる
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正解 ②滞納者から専有部分を買い受けた者に対しても、滞納分を請求することができる
解説
区分所有法8条は、同法7条1項の債権について、債務者である区分所有者の特定承継人に対しても行うことができると定めている。売買により専有部分を取得した者は特定承継人に当たるため、管理組合は前の所有者が滞納していた管理費等を新たな所有者に対しても請求することができる。前の所有者の債務が消滅するわけではなく、双方に対して請求できる点も重要である。

他の選択肢が不適切な理由
賃借人は専有部分の占有者にすぎず区分所有権を承継していないため特定承継人には当たらず、滞納分の支払義務を負わない。競売による買受人も所有権を承継して取得する特定承継人であるから、請求の相手方となる。また、特定承継人の責任は法律が定める効果であり、滞納の事実を知っていたかどうかによって左右されるものではない。
問55-7

滞納管理費の回収手段としての支払督促に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①支払督促の申立ては、簡易裁判所の裁判所書記官に対して行うものとされている
  • ②債務者が2週間以内に督促異議を申し立てないときは、仮執行の宣言を申し立てる
  • ③支払督促は、請求額が60万円以下の金銭債権に限り利用できるものとされている
  • ④督促異議の申立てがあった場合には、通常の訴訟の手続へ移行することになるのだ
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正解 ③支払督促は、請求額が60万円以下の金銭債権に限り利用できるものとされている
解説
請求額が60万円以下という制限は少額訴訟の要件であり、支払督促には請求金額の上限がない。支払督促は、金銭その他の代替物等の一定の数量の給付を目的とする請求について、債権者の申立てに基づき裁判所書記官が発するものであり、滞納額が大きい場合にも用いることができる。

他の選択肢が正しい理由
支払督促の申立ては、債務者の住所地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対して行う。債務者が支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議を申し立てないときは、債権者は仮執行の宣言を申し立てることができ、これによって強制執行が可能となる。督促異議が申し立てられた場合には、請求額に応じた裁判所において通常の訴訟の手続に移行する。
問65-7

少額訴訟に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができるとされているのである
  • ②訴額が140万円以下の金銭の支払の請求について利用することができるとされる
  • ③審理は、原則として3回の期日に分けて行われるものとされているのである
  • ④訴額が60万円以下の金銭の支払の請求について利用することができるとされる
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正解 ④訴額が60万円以下の金銭の支払の請求について利用することができるとされる
解説
民事訴訟法368条は、簡易裁判所において訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができると定めている。同一の簡易裁判所において同一の年に利用できる回数に制限がある点も、実務上あらかじめ確認しておく必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
140万円以下という金額は簡易裁判所の事物管轄の基準であって、少額訴訟の要件ではない。少額訴訟は、特別の事情がある場合を除き最初にすべき口頭弁論の期日において審理を完了する一期日審理が原則であり、3回に分けて行われるものではない。また、少額訴訟の終局判決に対して控訴をすることはできず、同じ簡易裁判所に異議を申し立てる方法によることになる。
問75-7

管理組合が滞納管理費の回収のために法的措置を採る場合の手続に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約(単棟型)によれば最も適切なものはどれか。

  • ①理事長は、理事会の決議により管理組合を代表して法的措置を追行できるのだ
  • ②理事長は、いかなる場合も総会の決議を経なければ訴えを提起できないとされる
  • ③理事長は、理事会にも総会にも諮ることなく訴えを提起できるとされているのだ
  • ④訴訟の追行は、管理業者が管理組合に代わって行うものとされているのである
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正解 ①理事長は、理事会の決議により管理組合を代表して法的措置を追行できるのだ
解説
マンション標準管理規約60条は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事長が理事会の決議により管理組合を代表して訴訟その他法的措置を追行することができると定めている。滞納の回収は迅速性が求められる一方で内容が定型的であるため、総会を待たずに理事会の決議によって対応できるようにしたものである。

他の選択肢が不適切な理由
管理費等の請求については理事会の決議で足りるとされているため、常に総会の決議を要するとするのは誤りである。他方、区分所有法26条は管理者が訴訟を追行するには規約又は集会の決議によるべきものとしているから、理事会にも総会にも諮らずに訴えを提起することもできない。また、訴訟の追行は管理組合自身が行うものであり、管理業者が代わって行うことはできない。
問85-7

滞納管理費に付随する請求に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約(単棟型)によれば最も不適切なものはどれか。

  • ①規約に定めた利率による遅延損害金を加算して請求することができるとされる
  • ②遅延損害金の利率は、法定利率を超えて定めることができないとされているのだ
  • ③督促及び徴収に要した諸費用を加算して請求することができるとされているのだ
  • ④違約金としての弁護士費用を加算して請求することができるとされているのだ
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正解 ②遅延損害金の利率は、法定利率を超えて定めることができないとされているのだ
解説
マンション標準管理規約60条は、組合員が期日までに納付すべき金額を納付しない場合に、管理組合が遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して請求することができると定めている。遅延損害金の利率は規約で定めるものとされ、そのコメントでも、滞納を防止する機能を持たせる観点から法定利率を上回る利率を定めることが可能である旨が示されている。

他の選択肢が正しい理由
規約に定めた利率による遅延損害金の請求、違約金としての弁護士費用の請求、督促及び徴収に要した諸費用の請求は、いずれも規約が明文で認めているものである。これらを請求できる根拠を規約に明記しておくことが、実際の回収の局面で重要となる。
問95-7

管理費を著しく長期にわたって滞納している区分所有者への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①競売の請求に当たっては、当該区分所有者に弁明の機会を与える必要はないのだ
  • ②区分所有法に基づく競売の請求は、理事会の決議のみで行うことができるのだ
  • ③区分所有法に基づく競売の請求は、集会の特別決議を経て訴えにより行うのだ
  • ④競売の請求が認められた場合、管理組合が当然に所有権を取得するとされるのだ
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正解 ③区分所有法に基づく競売の請求は、集会の特別決議を経て訴えにより行うのだ
解説
区分所有法59条は、区分所有者が共同の利益に反する行為をし、他の方法によってはその障害を除去して区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときに、集会の決議に基づき、訴えをもって当該区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができると定めており、この決議には特別の多数が要求される。長期にわたる多額の管理費の滞納も、共同の利益に反する行為に当たり得るとされている。

他の選択肢が不適切な理由
競売の請求は区分所有権を失わせる重大な措置であるため、理事会の決議のみで行うことはできない。また、決議をするに当たっては、あらかじめ当該区分所有者に対して弁明の機会を与えなければならない。競売はあくまで裁判所の手続によって第三者に売却されるものであり、管理組合が当然に所有権を取得するわけでもない。
問105-7

滞納管理費への対応に関する次のア〜エの記述のうち、適切なものの組み合わせはどれか。 ア 管理組合は、滞納者に対する督促の記録を残し、債権ごとに時効の完成する時期を管理する必要がある。 イ 滞納者が破産手続開始の決定を受けた場合でも、その後に発生する管理費は新たな債権として請求することができる。 ウ 管理組合は、滞納者の氏名と滞納額を掲示板に掲示して公表することが、有効な督促の方法として推奨されている。 エ 管理組合は、滞納が続く組合員に対し、規約に定めがなくても水道の供給を停止することができる。

  • ①アとイ
  • ②アとウ
  • ③イとエ
  • ④ウとエ
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正解 ①アとイ
解説
滞納への対応では、督促の日時・方法・相手方の反応を記録に残し、債権ごとに時効の完成する時期を管理することが不可欠であるからアは適切である。また、破産手続開始の決定を受けた後も区分所有者である限り管理費の支払義務は生じ続け、開始後に発生した分は新たな債権として請求することができるからイも適切である。

他の選択肢が不適切な理由
滞納者の氏名と滞納額を掲示板で公表する行為は、名誉やプライバシーを侵害するものとして違法と判断されるおそれが高く、推奨される方法とはいえないためウは誤りである。また、水道の供給の停止は生活の基盤を直接奪う措置であり、規約に定めのないまま管理組合が一方的に行うことは許されないと解されているため、エも誤りである。

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