2026年版・5-5

会計処理の実務(仕訳・決算)の一問一答

マンション管理士「管理組合の運営の円滑化に関すること」から、会計処理の実務(仕訳・決算)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-5

管理組合の会計に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①管理組合の会計は、原則として発生主義により処理するものとされているのだ
  • ②管理組合の会計は、現金の入出金のみを記録する現金主義が原則とされるのだ
  • ③発生主義によると、当月分の未収の管理費は収入に計上しないこととなるのだ
  • ④発生主義によると、翌月分として受領した管理費も当月の収入に計上するのだ
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正解 ①管理組合の会計は、原則として発生主義により処理するものとされているのだ
解説
管理組合の会計は、収入及び費用をそれが発生した期間に対応させて計上する発生主義によることが原則とされている。これにより、実際の入出金の時期にかかわらず、当該会計年度に帰属すべき収入と支出が正しく把握でき、予算と決算の対比や修繕積立金の積立ての状況の評価が適切に行えるようになる。

他の選択肢が不適切な理由
現金の動きのみを記録する現金主義では、未収や未払の実態が決算書に表れず、管理組合の財政状態を正しく示すことができない。発生主義の下では、当月分として発生した管理費は入金がなくても未収入金として資産に計上し、あわせて収入にも計上する。逆に、翌月分として先に受領した管理費は前受金として負債に計上し、当月の収入には計上しない。
問25-5

会計年度を4月1日から翌年3月31日までとする管理組合が、3月中に4月分の管理費150,000円を組合員から受領した。発生主義による3月の仕訳として最も適切なものはどれか。

  • ①借方に現金預金150,000円、貸方に管理費収入150,000円を計上する
  • ②借方に現金預金150,000円、貸方に前受金150,000円を計上する
  • ③借方に未収入金150,000円、貸方に管理費収入150,000円を計上する
  • ④借方に前払金150,000円、貸方に現金預金150,000円を計上する
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正解 ②借方に現金預金150,000円、貸方に前受金150,000円を計上する
解説
発生主義では、収入はそれが帰属すべき期間に計上する。4月分の管理費は翌会計年度に帰属する収入であるから、3月中に受領しても当期の管理費収入とはせず、いったん前受金という負債に計上する。現金は現実に入金されているため、借方には現金預金を計上する。翌期に入ってから前受金を取り崩し、管理費収入に振り替えることになる。

他の選択肢が不適切な理由
受領した時点で直ちに管理費収入とすると、翌期に帰属すべき収入が当期に混入し、期間の対応がとれなくなる。未収入金は、収入が発生しているにもかかわらず入金がない場合に計上する資産の勘定であり、入金済みの本問では用いない。前払金は費用を前払いした場合に計上する資産であって、収入を前受けした場合の処理ではない。
問35-5

会計年度を4月1日から翌年3月31日までとする管理組合において、3月分の管理費80,000円が3月31日現在で入金されていない。発生主義による3月の仕訳として最も適切なものはどれか。

  • ①借方に未払金80,000円、貸方に管理費収入80,000円を計上する
  • ②借方に管理費収入80,000円、貸方に未収入金80,000円を計上する
  • ③借方に未収入金80,000円、貸方に管理費収入80,000円を計上する
  • ④入金がないため、当期においては何らの仕訳も行わないこととなる
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正解 ③借方に未収入金80,000円、貸方に管理費収入80,000円を計上する
解説
発生主義では、管理費の請求権が当期に発生している以上、入金の有無にかかわらず当期の管理費収入として計上する。相手勘定は、将来入金される権利を表す資産である未収入金となる。決算書上、未収入金の残高は滞納の状況を示す重要な情報となるため、組合員ごとの内訳を把握しておくことが実務上不可欠である。

他の選択肢が不適切な理由
借方と貸方を逆にすると、収入の取消しと資産の減少を意味することになり、事実と反対の記録になってしまう。未払金は管理組合が支払うべき債務を表す負債の勘定であり、受け取るべき債権を計上する場面では用いない。何らの仕訳も行わないとするのは現金主義による処理であり、発生主義の原則に反する。
問45-5

会計年度を4月1日から翌年3月31日までとする管理組合において、3月分の共用部分の電気料金40,000円が4月に口座から引き落とされる。発生主義による3月の仕訳として最も適切なものはどれか。

  • ①借方に未収入金40,000円、貸方に水道光熱費40,000円を計上する
  • ②借方に水道光熱費40,000円、貸方に現金預金40,000円を計上する
  • ③借方に前払金40,000円、貸方に現金預金40,000円を計上する
  • ④借方に水道光熱費40,000円、貸方に未払金40,000円を計上する
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正解 ④借方に水道光熱費40,000円、貸方に未払金40,000円を計上する
解説
3月に使用した共用部分の電気は当期の費用として発生しているから、支払が翌期であっても当期の水道光熱費に計上する。まだ支払っていない債務は未払金という負債で計上し、翌期に実際の引落しがあった時点で未払金を取り崩す。この処理により、当期の収支報告書に当期に消費した費用が正しく反映される。

他の選択肢が不適切な理由
3月末の時点では現金の支出がないため、貸方に現金預金を計上することはできない。前払金は費用を先に支払った場合に用いる資産の勘定であり、支払が後になる本問の状況とは逆である。未収入金は受け取るべき債権を表す資産であって、費用の未払を記録するための勘定ではない。
問55-5

会計年度を4月1日から翌年3月31日までとする管理組合が、3月中に翌期4月から1年分の損害保険料120,000円を一括して支払った。発生主義による3月の仕訳として最も適切なものはどれか。

  • ①借方に前払金120,000円、貸方に現金預金120,000円を計上する
  • ②借方に保険料120,000円、貸方に現金預金120,000円を計上する
  • ③借方に現金預金120,000円、貸方に前受金120,000円を計上する
  • ④借方に保険料120,000円、貸方に未払金120,000円を計上する
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正解 ①借方に前払金120,000円、貸方に現金預金120,000円を計上する
解説
翌期以降の期間に対応する保険料を当期に支払った場合、その支払額は当期の費用ではなく、役務の提供を受ける権利を表す資産として前払金(前払費用)に計上する。現金は現実に支出されているため貸方に現金預金を計上し、翌期において期間の経過に応じて保険料へ振り替えることになる。

他の選択肢が不適切な理由
支払の時点で全額を保険料として費用に計上すると、翌期に対応すべき費用が当期に前倒しされ、期間の対応の原則に反する。前受金は収入を先に受け取った場合に計上する負債であり、支出をした本問では用いない。また、現に支払を済ませているのであるから、未払金という負債が生じることもない。
問65-5

管理組合の決算書類に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①貸借対照表は、決算日における資産・負債・正味財産の状況を表すものである
  • ②修繕積立金の残高は収支報告書のみに表示され、貸借対照表には表れないのだ
  • ③未収入金は貸借対照表の資産に、前受金は同じく負債に計上されるものである
  • ④収支報告書は、一会計期間における収入と支出の状況を表すものであるのだ
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正解 ②修繕積立金の残高は収支報告書のみに表示され、貸借対照表には表れないのだ
解説
修繕積立金として積み立てられた資金は、決算日の時点で管理組合が保有する財産の裏付けを持つものであり、貸借対照表において預金等の資産と、これに対応する正味財産(次期繰越金)として表示される。収支報告書は一会計期間の収入と支出の流れを示す書類であるから、両者を併せて見なければ積立ての実態は把握できない。

他の選択肢が正しい理由
貸借対照表は決算日という一時点の資産・負債・正味財産の状況を示し、収支報告書は一会計期間の収入と支出の状況を示す。発生主義により計上された未収入金は将来入金される権利として資産に、前受金は翌期の収入を先に受け取ったことによる債務として負債に表示される。
問75-5

会計年度を4月1日から翌年3月31日までとする管理組合が、実施した大規模修繕工事の代金3,000,000円を、修繕積立金会計の預金口座から支払った。この場合の仕訳として最も適切なものはどれか。

  • ①借方に修繕費3,000,000円、貸方に現金預金3,000,000円を計上する
  • ②借方に現金預金3,000,000円、貸方に修繕費3,000,000円を計上する
  • ③借方に管理費3,000,000円、貸方に現金預金3,000,000円を計上する
  • ④借方に前払金3,000,000円、貸方に修繕積立金3,000,000円を計上する
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正解 ①借方に修繕費3,000,000円、貸方に現金預金3,000,000円を計上する
解説
大規模修繕工事の代金を修繕積立金会計の預金口座から支払ったときは、費用の発生を示す借方に修繕費を、資産の減少を示す貸方に現金預金を計上する。修繕積立金は将来の大規模修繕等に備えて積み立てられた資金であり、実際に工事費用として支出された時点で修繕費として費用処理される。

他の選択肢が不適切な理由
借方と貸方を取り違えると、預金が増加し費用が減少したかのような誤った記帳になってしまう。日常の管理運営に充てる管理費と、計画的な大規模修繕に充てる修繕積立金は区分して経理されるべきものであり、大規模修繕工事の代金を管理費として計上するのは誤りである。また、この支払は工事の完了に対する対価としてその場で費用化されるものであり、将来の役務提供に備える前払金として計上する性質のものでもない。
問85-5

管理費と修繕積立金の経理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①修繕積立金は、管理費とは区分して経理しなければならないとされているのだ
  • ②修繕積立金は、計画修繕や不測の事故による修繕などの費用に充当されるのだ
  • ③修繕積立金を取り崩すには、原則として総会の決議が必要とされているのである
  • ④管理費に不足が生じた場合には、修繕積立金から自由に補填してよいとされる
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正解 ④管理費に不足が生じた場合には、修繕積立金から自由に補填してよいとされる
解説
マンション標準管理規約は、修繕積立金を管理費とは区分して経理しなければならないと定めている。修繕積立金は将来の計画修繕等に備えて長期にわたり積み立てられる資金であり、日常の管理に要する費用の不足を安易に補填する原資として用いることは、将来の修繕の実施を危うくするため認められない。

他の選択肢が正しい理由
修繕積立金は、一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕、不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕、敷地及び共用部分等の変更などに充当されるものと定められている。その取崩しは総会の議決事項とされており、理事会限りの判断で処分することはできない。
問95-5

管理組合の会計処理に関する次のア〜エの記述のうち、適切なものはいくつあるか。 ア 当期に発生した管理費であっても、決算日までに入金がないものは未収入金として資産に計上する。 イ 翌期分として決算日前に受領した管理費は、前受金として負債に計上する。 ウ 決算日までに完成し引渡しを受けた修繕工事の請負代金のうち未払のものは、当期の費用に計上しない。 エ 収支報告書の当期収支差額に前期繰越収支差額を加えたものが、次期繰越収支差額となる。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ③三つ
解説
発生主義の下では、当期に発生した管理費は入金がなくても未収入金として資産に計上し、翌期分を先に受領した場合は前受金として負債に計上する。また、収支報告書では当期収支差額に前期繰越収支差額を加えたものが次期繰越収支差額となる。したがってア、イ及びエの三つが適切である。

他の選択肢が不適切な理由
ウは、決算日までに完成し引渡しを受けた修繕工事の代金は当期の費用として計上し、未払の部分を未払金として負債に計上すべきであるから誤りである。適切な記述は三つであるから、一つ、二つ及び四つはいずれも数が合わない。
問105-5

管理組合の決算に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約(単棟型)によれば最も適切なものはどれか。

  • ①収支決算案は、監事の監査を経ずに通常総会へ提出することができるのだ
  • ②理事長は、収支決算案を監事の会計監査を経て通常総会に報告し承認を得るのだ
  • ③収支決算の承認は、理事会の決議によって行うことができるものとされているのだ
  • ④会計帳簿は決算の承認後に廃棄してよく、保管する義務はないものとされているのだ
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正解 ②理事長は、収支決算案を監事の会計監査を経て通常総会に報告し承認を得るのだ
解説
マンション標準管理規約59条は、理事長が毎会計年度の収支決算案を監事の会計監査を経て通常総会に報告し、その承認を得なければならないと定めている。執行機関である理事会が作成した決算を、監査機関である監事が点検し、最終的に総会が承認するという三段階の手続によって、会計の適正が担保される仕組みである。

他の選択肢が不適切な理由
監事の会計監査は決算の手続に組み込まれた必須の過程であり、これを経ずに総会へ提出することはできない。収支決算の承認は総会の議決事項であって、理事会の決議によって代えることはできない。また、理事長は会計帳簿等を作成して保管する義務を負い、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があれば閲覧させなければならないから、承認後に廃棄してよいものではない。

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