2026年版・5-4

マンション管理業者の選定と評価の一問一答

マンション管理士「管理組合の運営の円滑化に関すること」から、マンション管理業者の選定と評価に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-4

管理組合が管理業者の変更(いわゆるリプレイス)を検討する場合の手続に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①管理委託契約の締結は、総会の決議を経て行うべき事項とされているのだ
  • ②現行の契約の解約は、少なくとも3か月前に書面で申し入れる必要がある
  • ③見積りは、各社の仕様をそろえたうえで比較することが望ましいとされる
  • ④理事会の決議だけで、新たな管理業者と契約を締結することができるのだ
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正解 ④理事会の決議だけで、新たな管理業者と契約を締結することができるのだ
解説
マンション標準管理規約48条は、組合管理部分に関する管理委託契約の締結を総会の議決事項として掲げている。管理委託契約は管理組合の支出の中でも大きな割合を占め、居住者の生活にも直結するため、理事会限りの判断で新たな管理業者と契約を締結することはできない。

他の選択肢が正しい理由
現行の契約については、標準管理委託契約書に基づき少なくとも3か月前に書面で解約を申し入れる必要があり、この期間を逆算して総会の開催時期を決めることが実務上の要点となる。また、各社が異なる仕様で見積りを出すと金額だけを比べても優劣を判断できないため、清掃の回数や管理員の勤務形態などの仕様をそろえたうえで比較することが望ましい。
問25-4

管理業者の選定に当たり、マンション管理士が理事会に対して行う助言として、最も不適切なものはどれか。

  • ①委託業務費が最も低い業者を無条件に選定することが、合理的な判断といえる
  • ②委託業務費の総額だけでなく、業務ごとの内訳を提出させて比較の材料とする
  • ③現在の管理業者に対しても、同じ仕様で見積りを提出する機会を与えるとよい
  • ④管理員の勤務日数や清掃の回数などの仕様を統一したうえで見積りを依頼する
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正解 ①委託業務費が最も低い業者を無条件に選定することが、合理的な判断といえる
解説
管理委託契約の目的は、マンションの資産価値と居住環境を維持するために必要な業務を安定的に確保することにある。金額のみを基準に選定すると、担当者の配置や緊急時の対応体制、財産の分別管理の方法といった品質面の差異を見落とすおそれがあり、結果として管理の質が低下しかねない。したがって最低価格を無条件に採用するという助言は不適切である。

他の選択肢が正しい理由
仕様を統一しなければ見積金額の差が何に由来するのか判断できないため、条件をそろえて依頼することは選定の前提である。業務ごとの内訳を求めることで、どの業務にどれだけの費用がかかっているかを把握でき、契約後の仕様の見直しにも役立つ。現在の管理業者にも同一の条件で提案の機会を与えることは、公平性を確保するとともに既存の契約内容を見直す契機にもなる。
問35-4

マンション管理業者の変更(リプレイス)の検討に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①現行の管理委託契約を解約する前に、複数業者から見積りを取ることが望ましい
  • ②管理委託契約の解約は、契約期間の満了を待たず、いつでも自由に行えるとされる
  • ③新たな管理業者との契約は、現に効力を有する契約の解約と同時にのみ締結できる
  • ④管理業者の変更は、理事会の決議のみで足り、総会の決議を要しないとされる
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正解 ①現行の管理委託契約を解約する前に、複数業者から見積りを取ることが望ましい
解説
管理業者の変更を検討する際は、現行の管理委託契約を解約する前に、複数の管理業者から見積りや提案を取り、管理内容や委託費用を比較検討することが望ましいとされる。拙速に解約してしまうと、後任の業者が決まらないまま管理業務に空白が生じる危険がある。

他の選択肢が不適切な理由
標準管理委託契約書は解約の申入れについて一定の予告期間を設けており、契約期間中にいつでも無条件で自由に解約できるわけではない。新たな管理業者との契約は現行契約の解約と必ず同時でなければならないものではなく、業務の引継ぎに要する期間を見込んで前後の時期を調整するのが実務上一般的である。また、管理委託契約の締結・変更は組合員の負担に直結する重要事項であるため、総会の決議を要し、理事会の決議のみで決定できるものではない。
問45-4

管理業務主任者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば最も適切なものはどれか。

  • ①人の居住の用に供する独立部分が5以下のマンションも、設置数の算定に含める
  • ②管理業者は、事務所ごとに10の管理組合につき1人以上の専任の主任者を置く
  • ③管理業者は、事務所ごとに30の管理組合につき1人以上の専任の主任者を置く
  • ④重要事項の説明の際は、請求があった場合に限り主任者証を提示すれば足りる
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正解 ③管理業者は、事務所ごとに30の管理組合につき1人以上の専任の主任者を置く
解説
マンション管理適正化法56条は、マンション管理業者が事務所ごとに、管理事務の委託を受けた管理組合の数を30で除して得た数以上の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければならないと定めている。事務所の受託件数に応じて有資格者の配置を義務付けることで、管理事務の適正な処理を担保する趣旨である。

他の選択肢が不適切な理由
基準となる管理組合の数は30であり、10ではない。人の居住の用に供する独立部分が5以下のマンションの管理組合から受託した管理事務については、この設置基準の算定から除かれる。また、重要事項の説明及び管理事務の報告の説明を行うときは、請求の有無にかかわらず管理業務主任者証を提示しなければならないため、請求があった場合に限るとするのも誤りである。
問55-4

マンション管理計画認定制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①認定は、マンション管理適正化推進計画を作成した地方公共団体の長が行うのだ
  • ②認定を受けるためには、長期修繕計画が一定の要件を満たしている必要があるのだ
  • ③認定の有効期間は5年とされ、その後は更新を受けることができるものとされるのだ
  • ④認定を受けた管理組合は、管理費を非課税とする税制上の特例の適用を受けられる
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正解 ④認定を受けた管理組合は、管理費を非課税とする税制上の特例の適用を受けられる
解説
マンション管理計画認定制度は、マンション管理適正化法に基づき、管理組合が作成した管理計画について地方公共団体の長が一定の基準に適合すると認定する制度である。認定を受けた場合の主な効果は住宅金融支援機構の融資金利の引下げなどであり、そもそも組合員から徴収する管理費は法人税の課税対象となる収益事業の収入ではないから、管理費を非課税とする特例という説明自体が成り立たない。

他の選択肢が正しい理由
認定を行うのはマンション管理適正化推進計画を作成した都道府県又は市町村の長であり、認定の基準には、管理者等が定められていること、集会が年1回以上開催されていること、長期修繕計画が一定の期間内に作成又は見直しされ計画期間等の要件を満たすことなどが含まれる。認定の有効期間は5年とされ、期間の満了後は更新を受けることができる。
問65-4

管理組合の管理状態を外部から評価する仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①マンション管理適正評価制度は、業界団体が運営する任意の評価制度であるのだ
  • ②マンション管理適正評価制度は、法律に基づき国が直接評価を行う制度である
  • ③管理計画認定制度と適正評価制度は、いずれも同じ機関が運営する制度であるのだ
  • ④評価や認定を受けた事実が、住戸の売買時に情報提供されることはないとされるのだ
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正解 ①マンション管理適正評価制度は、業界団体が運営する任意の評価制度であるのだ
解説
マンション管理適正評価制度は、マンション管理業の業界団体が運営する任意の制度であり、管理組合の運営体制、管理計画や修繕積立金の積立ての状況などを一定の基準で採点し、その結果を段階的に評価して公表する仕組みである。法律に基づく管理計画認定制度とは、根拠も運営の主体も異なる。

他の選択肢が不適切な理由
適正評価制度は国が直接評価を行う制度ではなく、法律上の認定制度でもない。管理計画認定制度はマンション管理適正化法に基づき地方公共団体の長が認定するものであるから、両者が同じ機関によって運営されているともいえない。また、評価や認定の結果は管理状態を示す客観的な情報として住戸の売買時に購入希望者へ提供されることが期待されており、情報提供されることはないとするのも誤りである。
問75-4

外部管理者方式(いわゆる第三者管理者方式)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①管理業者が管理者に就任する場合には、利益相反への対応が課題となるとされる
  • ②この方式を採用すると、集会(総会)を開催する必要がなくなるものとされている
  • ③この方式を採用する場合でも、監事の設置など監視の仕組みが重要であるとされる
  • ④国土交通省は、外部管理者方式等に関するガイドラインを策定して公表している
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正解 ②この方式を採用すると、集会(総会)を開催する必要がなくなるものとされている
解説
外部管理者方式は、区分所有者以外の専門家や管理業者が管理者に就任する運営の方式であるが、これによって集会(総会)の開催義務がなくなるわけではない。区分所有法は管理者に対して少なくとも毎年1回集会を招集することを義務付けており、意思決定機関としての集会の役割はむしろ一層重要となる。

他の選択肢が正しい理由
管理業者が管理者を兼ねる場合、自らが発注者であると同時に受注者にもなり得るため、工事の発注や委託業務費の決定において利益相反が生じやすい。国土交通省はこうした課題に対応するため外部管理者方式等に関するガイドラインを策定しており、監事の設置や区分所有者による監視の仕組みを整えることが重要であるとされている。さらにマンション管理適正化法にも、管理業者が管理者となる場合に利益相反のおそれがある取引について区分所有者へあらかじめ説明を行うことを義務付ける規定(77条の2)が新設され、法律上の担保も強化されている。
問85-4

管理業者の変更に伴う引継ぎに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①従前の管理業者は、契約の終了時に管理組合へ帳票類や図書を引き渡すのだ
  • ②引継ぎには、設計図書や修繕の履歴に関する記録も含めるべきものとされる
  • ③従前の管理業者は、組合員名簿を個人情報を理由に一切引き渡せないとされる
  • ④管理費等の口座の名義や届出印の変更手続は、計画的に進める必要があるのだ
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正解 ③従前の管理業者は、組合員名簿を個人情報を理由に一切引き渡せないとされる
解説
管理業者が管理組合から預かり、又は管理組合のために作成して保管している組合員名簿は、もともと管理組合が管理の主体となる情報であり、契約の終了に伴って管理組合へ引き継がれるべきものである。個人情報の保護は、委託先の監督や安全管理措置によって図られるべき事柄であり、引継ぎを一切拒む理由にはならない。

他の選択肢が正しい理由
マンション標準管理委託契約書は、契約が終了した場合に管理業者が管理組合に対して保管している書類等を遅滞なく引き渡すことを定めている。引継ぎの対象には設計図書や過去の修繕履歴の記録も含まれ、これらが欠けると長期修繕計画の見直しに支障が生じる。また、収納口座等の名義や届出印の変更は日々の入出金に直結するため、切替えの時期を定めて計画的に進める必要がある。
問95-4

管理業者の選定手続に関する次のア〜エの記述のうち、適切なものの組み合わせはどれか。 ア 候補を絞り込む段階では理事会が中心となって調査と比較を行い、最終的な決定は総会の決議による。 イ 見積りの依頼に当たっては、現行の管理仕様書や長期修繕計画などの資料を各社へ同一の内容で提供する。 ウ 管理業者から提出された見積書の内容は、公平性を保つため総会の場まで組合員に一切開示してはならない。 エ 管理業者の変更は、現行の契約の解約予告期間を考慮せずに決議しても支障がない。

  • ①アとイ
  • ②アとウ
  • ③イとエ
  • ④ウとエ
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正解 ①アとイ
解説
管理業者の選定は、理事会が資料の収集と比較検討を行い、最終的な意思決定を総会の決議によって行うのが標準的な進め方である。また、各社に同一の仕様書や資料を提供しなければ見積りの条件がそろわず比較ができないため、アとイが適切である。

他の選択肢が不適切な理由
見積りの内容を総会の場まで一切開示しないとすると、組合員が判断の材料を持たないまま採決に臨むことになり、かえって手続の透明性を損なうためウは誤りである。また、現行の契約には少なくとも3か月前の解約申入れという予告期間があり、これを考慮せずに決議すると新旧の契約の空白や二重の支払が生じるおそれがあるから、エも誤りである。
問105-4

管理組合が採用する管理方式に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①全部委託方式は、管理事務の全部を管理業者に委託する方式のことをいうのだ
  • ②一部委託方式では、基幹事務を委託することができないものとされているのだ
  • ③自主管理方式では、管理組合が管理費等の会計業務を行うことはできないのだ
  • ④全部委託方式を採用すると、管理組合の意思決定も管理業者が代行できるのだ
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正解 ①全部委託方式は、管理事務の全部を管理業者に委託する方式のことをいうのだ
解説
管理組合の管理方式は、管理事務の全部を管理業者に委託する全部委託方式、一部の業務のみを委託する一部委託方式、管理業者に委託せず管理組合が自ら行う自主管理方式に大別される。どの方式を採用するかは、管理組合の規模や役員の担い手の状況などを踏まえて総会で決定すべき事項である。

他の選択肢が不適切な理由
一部委託方式であっても、会計の収入及び支出の調定や出納といった基幹事務を委託することは可能であり、法律が禁じているのは基幹事務を一括して再委託する行為である。自主管理方式でも管理組合が自ら会計業務を行うことができ、むしろそれが自主管理の中心的な業務となる。また、いずれの方式でも管理組合の意思決定は総会及び理事会が行うものであり、管理業者が代行できるものではない。

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