2026年版・3-7

被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の一問一答

マンション管理士「法令及び実務3」から、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-7

被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)の適用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①災害の規模を問わず、区分所有建物が滅失すれば当然にこの法律が適用される
  • ②この法律の適用の対象となるのは、地震により滅失した場合に限られている
  • ③政令で定められた災害により区分所有建物が滅失した場合に適用される
  • ④この法律の適用には、区分所有者全員の申立てが必要とされている
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正解 ③政令で定められた災害により区分所有建物が滅失した場合に適用される
解説
被災マンション法は、政令で定める災害により区分所有建物の全部又は一部が滅失した場合について、区分所有法の特例を定める法律である。適用の前提として、当該災害が政令によって指定されることが必要であり、指定がされて初めて敷地共有者等集会の開催や再建決議などの特例を用いることができる。

他の選択肢が不適切な理由
災害の規模を問わず当然に適用されるとする内容は、政令による指定という要件を無視するもので誤りである。政令で指定される災害は地震に限られず、津波や暴風、洪水など大規模な災害が広く対象となり得る。また、法律の適用は政令の指定によって決まるのであって、区分所有者全員の申立てを要件とする規定は存在しない。
問23-7

政令で定める災害により区分所有建物の全部が滅失した場合に関する次の記述のうち、被災マンション法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①敷地共有者等は、集会を開いて再建決議等をすることができるものとされる
  • ②建物が滅失した以上、集会を開くことは法律上認められないものとされる
  • ③敷地の管理については、民法の共有に関する規定のみによることとされる
  • ④敷地共有者等の集会においては、管理者を置くことができないものとされる
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正解 ①敷地共有者等は、集会を開いて再建決議等をすることができるものとされる
解説
区分所有建物の全部が滅失すると区分所有関係は消滅し、残るのは敷地の共有関係だけとなるため、本来であれば民法の共有の規律により全員の同意がなければ土地の処分等ができない。被災マンション法は、この状態にある敷地共有者等について集会を開くことを認め、多数決によって再建決議や敷地売却決議をすることができるものとして、被災地の復興を進めやすくしている。

他の選択肢が不適切な理由
建物が滅失しても敷地共有者等集会を開くことができるから、集会が認められないとする内容は誤りである。民法の共有の規定のみによるとすると全員の同意がない限り何も決められず、この法律を設けた意味が失われる。敷地共有者等集会では管理者を置くこともできるとされている。
問33-7

被災マンション法に基づく敷地共有者等集会における議決権に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①議決権は、敷地共有者等の頭数によって平等に配分されるものとされている
  • ②議決権は、その有する敷地共有持分等の価格の割合によるものとされている
  • ③議決権は、滅失前の専有部分の床面積の割合によることとされている
  • ④議決権は、滅失前に納付していた管理費の額の割合によるものとされる
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正解 ②議決権は、その有する敷地共有持分等の価格の割合によるものとされている
解説
被災マンション法は、敷地共有者等集会における議決権について、敷地共有持分等の価格の割合によるものと定めている。建物が滅失した後に残る権利は敷地の共有持分等であるから、その価格の割合を議決権の基準とすることが、各人の経済的な利害の大きさに見合った合理的な取扱いだからである。

他の選択肢が不適切な理由
頭数による平等配分は、持分の大小にかかわらず同じ影響力を認めることになり、被災マンション法の採用する基準ではない。滅失前の専有部分の床面積は敷地共有持分の割合を定める際の一要素になり得るが、議決権の基準そのものとして条文に掲げられているわけではない。納付していた管理費の額を基準とする規定も存在しない。
問43-7

政令で定める災害により区分所有建物の全部が滅失した場合の再建決議について、2026年4月1日に施行された改正後の被災マンション法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①敷地共有者等の全員の同意がなければ、再建決議をすることができないとされる
  • ②議決権の過半数の賛成があれば、再建決議が成立するものとされている
  • ③再建決議の制度は廃止され、敷地を売却するほかないこととされている
  • ④従前の5分の4以上から緩和され、3分の2以上の多数で決議することができる
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正解 ④従前の5分の4以上から緩和され、3分の2以上の多数で決議することができる
解説
被災マンション法の再建決議は、従来、敷地共有者等の議決権の5分の4以上の多数によることとされていた。2026年4月1日に施行された改正により、被災した区分所有建物の再生を一層円滑に進める観点から、再建決議や敷地売却決議等の多数決割合が3分の2以上に引き下げられた。被災地では所有者の転出や連絡困難が生じやすく、高い多数決割合のままでは復興が滞るという実情に対応したものである。

他の選択肢が不適切な理由
全員の同意を要するとすると多数決によって再建を可能にした制度の趣旨が失われる。過半数で足りるとする内容は、緩和後の割合よりもさらに低く、条文の定めと異なる。再建決議の制度は現在も存続しており、廃止されたとする内容も誤りである。
問53-7

被災マンション法に基づく敷地売却決議に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①敷地共有者等集会において、多数決により敷地の売却を決議することができる
  • ②敷地の売却は共有物の処分であるから、全員の同意によるほかないものとされる
  • ③敷地売却決議は、再建決議が否決された後でなければすることができない
  • ④敷地売却決議によって得られた代金は、国庫に帰属するものとされている
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正解 ①敷地共有者等集会において、多数決により敷地の売却を決議することができる
解説
被災マンション法は、区分所有建物の全部が滅失した場合において、敷地共有者等集会の決議により、敷地共有持分等に係る土地等を売却する旨を定めることができるとしている。再建をせずに敷地を売却して清算するという選択肢を多数決で選べるようにしたものであり、再建に必要な資金を負担できない者が多い場合などに用いられる。

他の選択肢が不適切な理由
全員の同意によるほかないとする内容は、多数決による処分を可能にしたこの法律の趣旨に反する。敷地売却決議は再建決議の否決を前提とするものではなく、はじめから敷地売却を選択することもできる。売却代金は敷地共有者等に帰属するものであり、国庫に帰属するという規定は存在しない。
問63-7

政令で定める災害により区分所有建物の全部が滅失した場合の敷地共有持分等に係る土地の分割請求に関する次の記述のうち、被災マンション法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①敷地共有者等は、滅失の直後からいつでも分割の請求をすることができる
  • ②分割の請求は、敷地共有者等の全員の同意がある場合に限り認められている
  • ③政令の施行の日から一定の期間、分割の請求をすることができないとされる
  • ④分割の請求は、再建決議が成立するまで永久に禁止されるものとされている
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正解 ③政令の施行の日から一定の期間、分割の請求をすることができないとされる
解説
被災マンション法は、政令の施行の日から起算して1か月を経過する日の翌日以後、同じく3年を経過する日までの間は、敷地共有持分等に係る土地について分割の請求をすることができないと定めている。分割請求によって敷地の共有関係が細分化されてしまうと、再建決議や敷地売却決議による一体的な再生が不可能になるため、一定期間これを凍結して合意形成の時間を確保する趣旨である。

他の選択肢が不適切な理由
滅失の直後からいつでも分割を請求できるとすると、この凍結期間を設けた意味が失われる。分割請求の制限は全員の同意の有無にかかわらず法律上当然に生じるものであり、同意があれば常に分割できるというわけではない。また、制限は期間を限ったものであるから、永久に禁止されるとする内容も誤りである。
問73-7

被災マンション法に基づく再建決議等をすることができる期間に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①期間の制限は設けられておらず、いつでも決議をすることができるとされる
  • ②政令の施行の日から起算して3年を経過する日までの間に限られている
  • ③政令の施行の日から起算して1か月を経過する日までに限られている
  • ④災害の発生した日から起算して10年を経過する日までである
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正解 ②政令の施行の日から起算して3年を経過する日までの間に限られている
解説
被災マンション法は、全部滅失の場合の再建決議や敷地売却決議について、政令の施行の日から起算して3年を経過する日までの間に限ってすることができると定めている。権利関係を長期間不安定なままにしないための期間制限である。なお、2026年4月1日に施行された改正では、一部滅失の場合の建物敷地売却決議等をすることができる期間が1年から3年に延長され、さらに延長することも可能とされた。

他の選択肢が不適切な理由
期間の制限がないとする内容は明文に反する。政令の施行の日から1か月というのは分割請求の制限が始まる時点に関する数字であり、決議可能期間ではない。災害の発生した日から10年という期間を定める規定も存在しない。
問83-7

区分所有建物の一部が政令で定める災害により滅失した場合について、被災マンション法が定める決議に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①一部滅失の場合にはこの法律の適用はなく、区分所有法のみが適用される
  • ②一部滅失の場合には、建物を取り壊す旨の決議をすることができないとされる
  • ③一部滅失の場合には、建物及びその敷地を売却する旨の決議はできない
  • ④建物敷地売却決議、建物取壊し敷地売却決議、取壊し決議をすることができる
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正解 ④建物敷地売却決議、建物取壊し敷地売却決議、取壊し決議をすることができる
解説
被災マンション法は、政令で定める災害により区分所有建物の一部が滅失した場合についても特例を設けており、区分所有者集会において、建物及びその敷地を売却する旨の決議、建物を取り壊した上で敷地を売却する旨の決議、建物を取り壊す旨の決議をすることができるとしている。復旧や建替えだけでなく、区分所有関係を解消する方向の選択肢を多数決で選べるようにしたものである。

他の選択肢が不適切な理由
一部滅失の場合にもこの法律の特例が用意されているから、区分所有法のみが適用されるとする内容は誤りである。建物の取壊しの決議も、建物及び敷地の売却の決議も、いずれも明文で認められているから、これらができないとする内容も正しくない。
問93-7

被災マンション法に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。 ア この法律は、阪神・淡路大震災を契機として制定されたものである。 イ この法律の特例の適用を受けるためには、その災害が政令で定められている必要がある。 ウ 敷地共有者等集会における議決権は、敷地共有者等の頭数によって平等に配分される。 エ 2026年4月1日に施行された改正により、建物敷地売却決議等をすることができる期間は3年から1年に短縮された。

  • ①アとイ
  • ②アとウ
  • ③イとエ
  • ④ウとエ
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正解 ①アとイ
解説
正しいものはアとイである。アについて、被災マンション法は平成7年に発生した阪神・淡路大震災における被災マンションの再建の困難を契機として同年に制定され、その後の東日本大震災の経験を踏まえて対象となる決議の種類が拡充された。イについて、この法律の特例は政令で定める災害について適用されるため、災害が政令で指定されることが前提となる。

誤りである記述の理由
ウは誤りで、敷地共有者等集会における議決権は敷地共有持分等の価格の割合によるものとされており、頭数による平等配分ではない。エも誤りで、2026年4月1日施行の改正は決議可能期間を短縮したのではなく、1年から3年へ延長し、さらに延長することも可能とした。
問103-7

被災マンション法と区分所有法との関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①被災マンション法が適用される場合、区分所有法の規定はすべて適用されない
  • ②被災マンション法は、区分所有法よりも厳格な多数決割合を定めるものである
  • ③被災マンション法は、区分所有法の特例を定める特別法として位置づけられる
  • ④被災マンション法は、区分所有建物以外の建物にも広く適用される法律である
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正解 ③被災マンション法は、区分所有法の特例を定める特別法として位置づけられる
解説
被災マンション法は、政令で定める災害により被災した区分所有建物について、区分所有法の原則的な規律を修正する特例を定める特別法である。全部滅失により区分所有関係が消滅した後の敷地共有者等集会の制度や、一部滅失の場合の建物敷地売却決議等がその内容であり、特例が定められていない事項については区分所有法の規律がそのまま働く。

他の選択肢が不適切な理由
特別法が適用される場面でも、特例が及ばない部分には一般法である区分所有法が適用されるから、すべて適用されないとする内容は誤りである。被災マンション法の多数決割合は区分所有法より緩和されており、厳格であるとする内容も正しくない。また、この法律の対象は区分所有建物とその敷地であって、それ以外の建物一般に広く適用されるものではない。

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