2026年版・3-4

建替え決議の一問一答

マンション管理士「法令及び実務3」から、建替え決議に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-4

建替え決議の要件について、2026年4月1日に施行された改正後の区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①原則として区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数によって決議される
  • ②原則として出席した区分所有者及び議決権の各4分の3以上で決議される
  • ③原則として区分所有者及び議決権の各3分の2以上の多数によって決議される
  • ④原則として区分所有者及び議決権の各過半数の多数によって決議が成立する
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正解 ①原則として区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数によって決議される
解説
区分所有法62条1項は、集会において区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地等に新たに建物を建築する旨の決議をすることができると定めている。2026年4月1日施行の改正では、共用部分の変更や規約の設定などの特別決議が出席者を母数とする方式に改められたが、区分所有権の処分を伴う建替え決議については母数を全区分所有者とする方式が維持されており、原則的な多数決割合も5分の4以上のままである。

他の選択肢が不適切な理由
出席した区分所有者及び議決権の各4分の3以上とする内容は共用部分の重大変更などの特別決議の方式であり、建替え決議には当てはまらない。各3分の2以上は被災マンション法の緩和後の割合などに用いられるもので、通常の建替え決議の割合ではない。各過半数は普通決議の水準であり、区分所有権を失わせる建替えをこの要件で決することはできない。
問23-4

2026年4月1日に施行された改正後の区分所有法において、建替え決議の多数決割合が4分の3以上に緩和される場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①建築から40年以上が経過していることが、緩和のための要件とされている
  • ②区分所有者の3分の1以上が高齢者であることが、緩和のための要件である
  • ③建物が耐震性を欠いていることは、緩和の対象となる事由の一つとされる
  • ④分譲時の販売価格を下回っていることが、緩和のための要件とされている
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正解 ③建物が耐震性を欠いていることは、緩和の対象となる事由の一つとされる
解説
2026年4月1日施行の改正区分所有法は、建替え決議の原則的な多数決割合を各5分の4以上としつつ、対象建物が耐震性の不足、火災に対する安全性の不足、外壁等の剥落により周辺に危害を生ずるおそれ、給排水管等の腐食等により著しく衛生上有害となるおそれ、バリアフリー基準への不適合のいずれかに該当する場合には、各4分の3以上に緩和することとした。放置すれば居住者や周辺住民の生命・身体に危険が及ぶ建物の再生を促す趣旨である。

他の選択肢が不適切な理由
緩和事由は建物の安全性や衛生等に関する客観的な状態によって定められており、築年数の長短そのものは事由とされていない。区分所有者の年齢構成や、分譲時の販売価格との比較といった事情も、緩和事由には含まれていない。
問33-4

次のア〜エの事項のうち、区分所有法の規定によれば、建替え決議において定めなければならないものはいくつあるか。 ア 再建建物の設計の概要 イ 建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額 ウ 再建建物の建築を請け負う施工者の商号 エ 建替えに参加しない区分所有者に支払うべき補償金の額

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ②二つ
解説
建替え決議で定めなければならないのはアとイの二つである。区分所有法62条は、決議すべき事項として、再建建物の設計の概要、建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額、その費用の分担に関する事項、再建建物の区分所有権の帰属に関する事項を掲げている。いずれも区分所有者が建替えに賛成するか否かを判断するために不可欠な情報だからである。

誤りである記述の理由
ウは決議事項とされていない。施工者の選定は決議の成立後に建替えを実行する段階で進める事柄であり、これを決議事項とすると施工者の変更のたびに再度の建替え決議が必要になりかねない。エも決議事項ではない。建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対しては63条の売渡し請求により時価で買い取ることになるため、あらかじめ補償金の額を決議で定める仕組みにはなっていない。
問43-4

建替え決議を会議の目的とする集会の招集手続に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に発しなければならないとされる
  • ②招集の通知に、建替えを必要とする理由を記載する必要はないとされている
  • ③説明会の開催は任意であり、招集者が開催しないことも認められるとされる
  • ④招集の通知は、会日より少なくとも2か月前に発しなければならないとされる
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正解 ④招集の通知は、会日より少なくとも2か月前に発しなければならないとされる
解説
区分所有法62条は、建替え決議を会議の目的とする集会を招集するときは、その通知を会日より少なくとも2か月前に発しなければならないと定めている(規約でこの期間を伸長することはできるが、短縮することはできない)。建替えは区分所有者の生活と財産に重大な影響を及ぼすため、通常の集会の1週間前という原則よりもはるかに長い検討期間を保障したものである。

他の選択肢が不適切な理由
1週間前とするのは35条1項が定める通常の集会の原則であり、建替え決議の集会には当てはまらない。招集の通知には建替えを必要とする理由や、建物の効用の維持・回復に要する費用の額等を記載しなければならないとされているから、理由の記載が不要とする内容も誤りである。また、招集者は会日より少なくとも1か月前までに説明会を開催しなければならないとされており、開催が任意であるとする内容も正しくない。
問53-4

建替え決議があった場合の催告及び売渡し請求に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①集会を招集した者は、決議に賛成しなかった者に参加するか否かを催告する
  • ②催告を受けた者は、催告を受けた日から1か月以内に回答しなければならない
  • ③売渡し請求の相手方は、建替え決議に賛成した区分所有者に限られるとされる
  • ④売渡し請求における売買代金は、分譲時の販売価格によることとされている
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正解 ①集会を招集した者は、決議に賛成しなかった者に参加するか否かを催告する
解説
区分所有法63条1項は、建替え決議があったときは、集会を招集した者は遅滞なく、建替え決議に賛成しなかった区分所有者に対し、建替えに参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならないと定めている。この催告を経ることで、建替えに参加する者と参加しない者とを確定し、その後の売渡し請求へと手続が進む。

他の選択肢が不適切な理由
回答期間は催告を受けた日から2か月以内であり、1か月以内とする内容は誤りである。売渡し請求の相手方は建替えに参加しない旨を回答した区分所有者等であって、決議に賛成した区分所有者ではない。また、売渡し請求における代金は時価とされており、分譲時の販売価格によるという規定は存在しない。
問63-4

建替え決議の内容により建替えを行う旨の合意に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①建替え決議に賛成した区分所有者のみが、合意をしたものとみなされている
  • ②合意が成立するためには、改めて全員の書面による同意が必要とされている
  • ③建替えに参加する旨を回答した区分所有者も、合意をしたものとみなされる
  • ④売渡し請求により区分所有権を買い受けた者は、合意の当事者とならない
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正解 ③建替えに参加する旨を回答した区分所有者も、合意をしたものとみなされる
解説
区分所有法64条は、建替え決議に賛成した各区分所有者、建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者、及び売渡し請求によって区分所有権又は敷地利用権を買い受けた各買受人は、建替え決議の内容により建替えを行う旨の合意をしたものとみなすと定めている。個別の契約書を交わさなくても、法律上当然に建替えを実行する団体的な合意が成立する仕組みである。

他の選択肢が不適切な理由
合意をしたものとみなされるのは決議賛成者に限られないから、賛成者のみとする内容は誤りである。合意は法律の規定により当然に成立するものであり、改めて全員の書面同意を得る必要はない。売渡し請求により買い受けた買受人も明文で合意の当事者に含まれている。
問73-4

2026年4月1日に施行された改正後の区分所有法における、所在等不明区分所有者と建替え決議との関係に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①所在等不明区分所有者は、当然に建替えに反対したものとして取り扱われる
  • ②裁判所の決定を得れば、所在等不明区分所有者を決議の母数から除外できる
  • ③所在等不明区分所有者がいる場合には、建替え決議をすることができなくなる
  • ④所在等不明区分所有者の議決権は、管理者が代理して行使するものとされる
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正解 ②裁判所の決定を得れば、所在等不明区分所有者を決議の母数から除外できる
解説
2026年4月1日施行の改正区分所有法38条の2は、区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、他の区分所有者又は管理者の請求により、裁判所が当該所在等不明区分所有者を除いて決議をすることができる旨の裁判をすることができると定めた。この裁判を得た所在等不明区分所有者は議決権を有しないこととなり、建替えをはじめとする再生に係る決議の母数から除外されるため、連絡の取れない区分所有者の存在によって決議が事実上不可能になる事態を避けることができる。

他の選択肢が不適切な理由
所在等不明であることをもって当然に反対とみなす扱いは、改正法が採用したものではない。所在等不明の区分所有者がいることで建替え決議自体ができなくなるわけでもない。また、所在等不明区分所有者の議決権を管理者が代理して行使できるとする規定も置かれていない。
問83-4

2026年4月1日に施行された改正後の区分所有法における、建替え決議がされた場合の専有部分の賃借人等の扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①賃貸借は建替え決議によって当然に終了し、何らの手続も要しないとされる
  • ②賃借人が同意しない限り、賃貸借を終了させる方法は用意されていない
  • ③賃貸借を終了させるにあたり、賃借人に対する補償金の支払は不要である
  • ④一定の手続と補償金の支払により、賃借権を消滅させる制度が設けられた
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正解 ④一定の手続と補償金の支払により、賃借権を消滅させる制度が設けられた
解説
2026年4月1日施行の改正区分所有法は、建替え決議がされた場合において、専有部分の賃借権、使用貸借による権利及び配偶者居住権について、所定の請求手続を経たうえで補償金を支払うことによりこれらを消滅させることができる制度を新設した。従前は賃借人の同意が得られないと建替えの実行が滞ることがあったため、権利者に金銭による補償を与えつつ建替えを進められるようにしたものである。

他の選択肢が不適切な理由
建替え決議のみによって賃貸借が当然に終了するわけではなく、法定の請求と補償の手続が必要である。賃借人の同意がなければ終了させられないとする内容も、改正によって用意された制度を無視するもので誤りである。補償金の支払は制度の中核をなす要件であり、これを不要とする内容も正しくない。
問93-4

建替え決議に関する次のア〜エの記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものの組合せはどれか。 ア 建替え決議を会議の目的とする集会を招集するときは、会日より少なくとも1か月前までに説明会を開催しなければならない。 イ 再建建物は、従前の建物の敷地と全く同一の土地の上に建築されなければならず、隣接地を含む土地に建築することはできない。 ウ 建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対しては、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。 エ 建替え決議の多数決割合は、規約で別段の定めをすることにより3分の2以上に減ずることができる。

  • ①アとイ
  • ②アとウ
  • ③イとエ
  • ④ウとエ
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正解 ②アとウ
解説
正しいものはアとウである。アについて、区分所有法62条は、建替え決議を会議の目的とする集会の招集者に対し、会日より少なくとも1か月前までに区分所有者に対する説明会の開催を義務づけている。ウについて、63条は、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者等に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求できると定めている。

誤りである記述の理由
イは誤りで、62条1項は、当該建物の敷地若しくはその一部の土地、又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議ができると定めており、隣接地を取り込んだ土地の上に再建することも認められる。エも誤りで、建替え決議の多数決割合を規約で減ずることを認める規定は置かれていない。
問103-4

建替え決議に基づく売渡し請求により区分所有権を売り渡した者の保護に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①建替え工事に着手しなかった場合でも、売渡し請求の効果は覆らないとされる
  • ②一定の期間内に建物の取壊しの工事に着手しないときは、再売渡しを請求できる
  • ③建替え工事に着手しないときは、売買契約が当然に無効となるものとされている
  • ④売り渡した者は、いつでも代金を返還して区分所有権を取り戻すことができる
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正解 ②一定の期間内に建物の取壊しの工事に着手しないときは、再売渡しを請求できる
解説
区分所有法63条は、売渡し請求によって区分所有権等が売り渡された後、正当な理由がないのに建替え決議の日から2年以内に建物の取壊しの工事に着手しない場合について、売り渡した者が、その期間の満了の日から6か月以内に、買主が支払った代金に相当する金銭を提供して、区分所有権及び敷地利用権を売り渡すべきことを請求できると定めている。建替えが実行されないまま住居を失う結果となることを防ぐための救済規定である。

他の選択肢が不適切な理由
工事に着手しない場合の救済が明文で用意されている以上、売渡し請求の効果が覆らないとする内容は誤りである。救済は再売渡しの請求という形で行われるのであって、売買契約が当然に無効となるわけではない。また、請求できる期間は限定されているから、いつでも取り戻せるとする内容も正しくない。

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