2026年版・3-3

復旧(小規模滅失・大規模滅失)の一問一答

マンション管理士「法令及び実務3」から、復旧(小規模滅失・大規模滅失)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-3

建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合(小規模滅失)の復旧に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①各区分所有者は、滅失した共用部分及び自己の専有部分を復旧することができる
  • ②各区分所有者が単独で共用部分を復旧することは、およそ認められないとされる
  • ③共用部分の復旧には、必ず集会の特別多数決議を経なければならないとされる
  • ④専有部分の復旧についても、集会の決議を経なければ着手することができない
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正解 ①各区分所有者は、滅失した共用部分及び自己の専有部分を復旧することができる
解説
区分所有法61条1項本文は、建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失したときは、各区分所有者が滅失した共用部分及び自己の専有部分を復旧することができると定めている。被害が比較的小さい段階で復旧を急ぐ必要があることから、集会の決議を待たずに個々の区分所有者による復旧を認めたものである。ただし、復旧の工事に着手するまでに61条3項の復旧決議や建替え決議等があったときは、単独での共用部分の復旧はできない。

他の選択肢が不適切な理由
単独での共用部分の復旧がおよそ認められないとする記述は、61条1項本文の明文に反する。小規模滅失の場合の共用部分の復旧決議は61条3項により集会の普通決議で足りるから、特別多数決議が必要とする記述も誤りである。自己の専有部分の復旧は本来その所有者の自由であり、集会の決議を要件とする規定は存在しない。
問23-3

建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合(大規模滅失)の復旧決議について、2026年4月1日に施行された改正後の区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①区分所有者及び議決権の総数の各5分の4以上の多数によって決議が成立する
  • ②区分所有者及び議決権の総数の各3分の2以上の多数によって決議が成立するとされる
  • ③区分所有者及び議決権の各過半数の出席の下、出席者の各3分の2以上で決する
  • ④区分所有者及び議決権の各3分の1以上の出席の下、出席者の過半数で決する
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正解 ③区分所有者及び議決権の各過半数の出席の下、出席者の各3分の2以上で決する
解説
区分所有法61条5項は、建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合に、集会において滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができると定めている。2026年4月1日施行の改正により、この決議は総区分所有者を母数とする方式から出席者を母数とする方式に改められ、区分所有者の過半数の者であって議決権の過半数を有するものが出席することを定足数としたうえで、出席した区分所有者及びその議決権の各3分の2以上の多数で決するものとされた。改正前は総数を母数とする各4分の3以上の多数が必要とされていたが、大規模な被害を受けた建物の再生が停滞しないよう、共用部分の重大変更(4分の3以上)よりもさらに踏み込んだ緩和が図られている。

他の選択肢が不適切な理由
各5分の4以上は建替え決議の原則的な多数決割合であって復旧決議のものではない。総数の各3分の2以上とする内容は、多数決割合の数値こそ正しいものの、母数を出席者ではなく総区分所有者としている点で誤りである。各3分の1以上の出席で出席者の過半数とする内容は、定足数も多数決割合も条文に根拠がない。
問33-3

大規模滅失の場合の復旧決議がされたときの買取請求権に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①決議に賛成した区分所有者が、賛成しなかった者に対して買取りを請求する
  • ②決議に賛成しなかった区分所有者が、賛成した者に対し買取りを請求できる
  • ③買取請求の対象は専有部分に限られ、敷地に関する権利は含まれないとされる
  • ④買取価格は決議で定めた額により、時価によって定めることは認められない
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正解 ②決議に賛成しなかった区分所有者が、賛成した者に対し買取りを請求できる
解説
区分所有法61条7項は、大規模滅失の復旧決議があったときは、その決議に賛成した区分所有者以外の区分所有者は、決議賛成者に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができると定めている。多額の費用負担を伴う復旧に加わりたくない区分所有者に、区分所有関係から離脱する道を用意した規定である。

他の選択肢が不適切な理由
買取りを請求できるのは決議に賛成しなかった区分所有者の側であるから、賛成者が請求するとする記述は当事者が逆であり誤りである。買取りの対象は建物及びその敷地に関する権利であって専有部分に限られない。また、条文は買取価格を時価と定めているので、決議で定めた額によるとする記述も正しくない。
問43-3

大規模滅失の復旧決議に係る買取指定者の制度に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①買取指定者を指定することができるのは、復旧決議に賛成しなかった区分所有者である
  • ②買取指定者の指定は、復旧決議があった日に直ちにしなければならないとされている
  • ③買取指定者は、その建物の区分所有者の中から選ばなければならないとされる
  • ④買取指定者が指定されたときは、買取請求は買取指定者に対して行うことになる
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正解 ④買取指定者が指定されたときは、買取請求は買取指定者に対して行うことになる
解説
区分所有法61条8項は、復旧決議の日から2週間を経過したときは、決議賛成者はその全員の合意により、建物及びその敷地に関する権利を買い取ることができる者(買取指定者)を指定することができると定めている。買取指定者が指定され、その旨が書面で通知されたときは、決議に賛成しなかった区分所有者の買取請求は買取指定者に対してすることとなり、決議賛成者の負担が分散される仕組みになっている。

他の選択肢が不適切な理由
買取指定者を指定するのは決議賛成者であって、賛成しなかった区分所有者ではない。指定は決議の日から2週間を経過した後にすることができるものであり、決議当日に直ちにしなければならないわけではない。また、買取指定者を区分所有者に限る旨の規定はなく、資力のある事業者等を指定することもできる。
問53-3

建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合において、一定期間内に復旧又は建替えの決議がされないときの措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①滅失の日から6か月以内に決議がないときは、各区分所有者は買取りを請求できる
  • ②滅失の日から3か月以内に決議がないときは、区分所有関係は当然に消滅するとされる
  • ③滅失の日から1年以内に決議がないときは、建物は当然に取り壊されるとされる
  • ④期間の定めは置かれておらず、決議がされるまで何らの請求もできないとされる
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正解 ①滅失の日から6か月以内に決議がないときは、各区分所有者は買取りを請求できる
解説
区分所有法61条14項は、大規模滅失があった場合において、その滅失した日から6か月以内に復旧決議、建替え決議、団地内建物の一括建替え決議その他の再生に関する決議のいずれもされなかったときは、各区分所有者は他の区分所有者に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができると定めている。方針が定まらないまま権利関係が固定されることを避け、区分所有関係からの離脱を可能にする趣旨である。

他の選択肢が不適切な理由
期間の経過によって区分所有関係が当然に消滅したり、建物が当然に取り壊されたりするという規定は存在しない。また、6か月という期間制限が明文で置かれている以上、期間の定めがなく何らの請求もできないとする記述も誤りである。
問63-3

小規模滅失の場合に、区分所有者が単独で滅失した共用部分を復旧したときの費用に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①復旧した者は、他の区分所有者に対して何らの請求もすることができないとされる
  • ②復旧した者は、他の区分所有者に対し復旧に要した費用の全額の償還を請求できる
  • ③復旧した者は、他の区分所有者に共用部分の持分の割合に応じ償還を請求できる
  • ④復旧した者は、集会の決議を経た場合に限り償還を請求することができる
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正解 ③復旧した者は、他の区分所有者に共用部分の持分の割合に応じ償還を請求できる
解説
区分所有法61条2項は、同条1項の規定により共用部分を復旧した者は、他の区分所有者に対し、復旧に要した金額を14条に定める割合に応じて償還すべきことを請求することができると定めている。共用部分は区分所有者全員の共有物であるから、復旧費用も持分の割合に従って分担するのが公平だからである。

他の選択肢が不適切な理由
償還請求が一切できないとする記述は61条2項に反する。復旧費用は共有者全員が持分に応じて負担すべきものであるから、他の区分所有者に全額の償還を求めることはできない。また、償還請求権は条文上当然に認められるものであり、集会の決議を要件とする規定は存在しない。
問73-3

建物の一部が滅失した場合の復旧に関する規約の定めについて、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①小規模滅失の復旧に関する規定は、規約で別段の定めをすることができないとされる
  • ②小規模滅失の復旧に関する規定は、規約で別段の定めをすることが認められている
  • ③大規模滅失の復旧決議の多数決割合は、規約で過半数まで減ずることが認められる
  • ④復旧に関する事項は、その全部について規約で自由に定めることが認められている
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正解 ②小規模滅失の復旧に関する規定は、規約で別段の定めをすることが認められている
解説
区分所有法61条4項は、同条1項から3項までの規定は規約で別段の定めをすることを妨げないと定めている。したがって、小規模滅失の場合の単独復旧や償還請求、集会による復旧決議については、規約で異なる取扱いを定めることができる。実務でも、一定額を超える復旧については必ず集会に諮る旨を規約に定める例がある。

他の選択肢が不適切な理由
小規模滅失について規約による別段の定めができないとする記述は61条4項に反する。規約による別段の定めが認められているのは1項から3項までであり、大規模滅失の復旧決議に関する5項以下は強行規定であるから、その多数決割合を規約で減ずることはできない。したがって、復旧に関する事項の全部を規約で自由に定められるとする記述も誤りである。
問83-3

区分所有法における小規模滅失と大規模滅失の区別に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①滅失した専有部分の床面積が全体の2分の1を超えるかどうかによって区別される
  • ②滅失した部分の復旧費用が修繕積立金の2分の1を超えるかどうかで区別される
  • ③滅失によって居住することができなくなった住戸の数の割合によって区別される
  • ④滅失した部分に相当する建物の価格が全体の2分の1を超えるかどうかで区別する
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正解 ④滅失した部分に相当する建物の価格が全体の2分の1を超えるかどうかで区別する
解説
区分所有法61条1項は「建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失したとき」を小規模滅失とし、同条5項は「前項に規定する場合を除いて、建物の一部が滅失したとき」すなわち建物の価格の2分の1を超える部分が滅失したときを大規模滅失として区別している。基準となるのは滅失した部分に相当する建物の価格であり、価格の割合によって適用される規律が大きく変わる。

他の選択肢が不適切な理由
基準は建物の価格であって専有部分の床面積ではないから、床面積を基準とする記述は誤りである。修繕積立金の額との比較や、居住できなくなった住戸数の割合を基準とする規定も条文には存在しない。
問93-3

建物の一部が滅失した場合の復旧に関する次のア〜エの記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア 小規模滅失の場合には、集会において滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることもできる。 イ 大規模滅失の復旧決議に賛成しなかった区分所有者は、決議賛成者に対して買取請求権を行使することができる。 ウ 大規模滅失の復旧決議は、集会において区分所有者及び議決権の総数の各5分の4以上の多数でしなければならない。 エ 大規模滅失の復旧決議の多数決割合は、規約によって3分の2以上に緩和することができる。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ②二つ
解説
正しいものはアとイの二つである。アについて、61条3項は小規模滅失の場合にも集会において滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができると定めており、この決議は普通決議で足りる。イについて、61条7項は復旧決議に賛成しなかった区分所有者が決議賛成者に対して建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求できると定めている。

誤りである記述の理由
ウは誤りで、大規模滅失の復旧決議は2026年4月1日施行の改正により出席した区分所有者及びその議決権の各3分の2以上の多数で決するものとされており、区分所有者及び議決権の総数の各5分の4以上とする点も、母数を総数とする点も誤りである。5分の4以上は建替え決議の原則的な割合である。エも誤りで、規約による別段の定めが認められるのは61条1項から3項までであり、大規模滅失の復旧決議に関する規定は規約で緩和することができない。
問103-3

大規模滅失があった場合における復旧決議と建替え決議との関係に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • ①復旧決議に代えて、建物を取り壊して再建する建替え決議をすることもできる
  • ②大規模滅失があった場合には、建替え決議をすることが法律上禁止されている
  • ③建替え決議は、復旧決議が否決された後でなければすることができないとされる
  • ④復旧決議と建替え決議は、常に同一の多数決割合によることとされている
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正解 ①復旧決議に代えて、建物を取り壊して再建する建替え決議をすることもできる
解説
区分所有法61条14項は、大規模滅失の日から6か月以内に復旧決議、建替え決議又は団地内建物の一括建替え決議その他の再生に関する決議のいずれもされなかった場合の買取請求について定めており、大規模滅失後に建替え決議をすることが当然に予定されている。滅失の程度が大きく復旧よりも建替えが合理的な場合には、62条1項の要件を満たす限り建替え決議を選択することができる。

他の選択肢が不適切な理由
大規模滅失の場合に建替え決議が禁止される旨の規定は存在しない。復旧決議が否決されることを建替え決議の前提条件とする規定もなく、いきなり建替え決議を行うことも可能である。また、復旧決議は出席した区分所有者及び議決権の各3分の2以上の多数で決するのに対し、建替え決議は総区分所有者を母数とする各5分の4以上の多数が原則であり、母数も割合も異なる仕組みによっている。

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