2026年版・2-4

区分所有者の権利義務の一問一答

マンション管理士「法令及び実務2」から、区分所有者の権利義務に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-4

区分所有法第6条第1項に定める共同の利益に反する行為の禁止に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①建物の保存に有害な行為も、共同の利益に反する行為に含まれる
  • ②共同の利益に反する行為の禁止は、専有部分の使用には及ばない
  • ③この禁止に違反した者には、常に刑事罰が科される
  • ④禁止の対象となるのは、共用部分に関する行為に限られている
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正解 ①建物の保存に有害な行為も、共同の利益に反する行為に含まれる
解説
区分所有法6条1項は、区分所有者は建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならないと定めている。建物の保存に有害な行為は共同の利益に反する行為の典型例として条文に明示されており、耐力壁の除去や躯体の損傷を招く工事などがこれに当たる。

他の選択肢が不適切な理由
6条1項は「建物の管理又は使用に関し」と定めており、専有部分の使用に関する行為も広く対象となるから、専有部分の使用には及ばないとする記述は誤りである。また同項違反に対する措置は57条から60条までの民事上の請求として定められており、違反自体に刑事罰を科す規定は置かれていない。さらに対象は共用部分に関する行為に限られず、専有部分の用法違反なども含まれる。
問22-4

区分所有法第6条第2項に定める使用請求権に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①専有部分等を保存し又は改良するため必要な範囲内で請求できる
  • ②他の区分所有者が損害を受けたとしても、償金を支払う必要はない
  • ③他の区分所有者の専有部分を使用することを請求できる場合がある
  • ④自己の所有に属しない共用部分の保存を請求することもできる
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正解 ②他の区分所有者が損害を受けたとしても、償金を支払う必要はない
解説
区分所有法6条2項後段は、他の区分所有者の専有部分等を使用した場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならないと定めている。使用請求権は保存又は改良のために必要な限度で他人の権利領域への立入りを認める制度であるから、これによって生じた損害の填補が当然に予定されている。償金を支払う必要はないとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
6条2項前段は、区分所有者はその専有部分又は共用部分を保存し又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分若しくは自己の所有に属しない共用部分を使用し、又は自らこれらを保存することを請求することができると定めている。したがって、必要な範囲内で請求できるとする記述も、他の区分所有者の専有部分の使用を請求できる場合があるとする記述も、自己の所有に属しない共用部分の保存を請求できるとする記述も、いずれも条文どおりである。
問32-4

区分所有法第6条第3項による占有者への準用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①占有者にも、他の専有部分の使用を請求する権利が認められている
  • ②占有者には、共同の利益に反する行為の禁止は準用されていない
  • ③占有者も、共同の利益に反する行為をしてはならないものとされる
  • ④占有者とは、区分所有者以外で専有部分を占有する者に限られない
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正解 ③占有者も、共同の利益に反する行為をしてはならないものとされる
解説
区分所有法6条3項は、同条1項の規定を区分所有者以外の専有部分の占有者に準用すると定めている。賃借人などの占有者も、区分所有者と同様に建物の保存に有害な行為その他共同の利益に反する行為をしてはならない。共同生活上の秩序は建物を現に使用する者によって左右されるため、所有者であるか否かにかかわらず義務を課したものである。

他の選択肢が不適切な理由
6条3項が準用しているのは1項のみであり、2項の使用請求権は占有者に準用されていないから、占有者にも使用請求権が認められるとする記述は誤りである。禁止が準用されていないとする記述も同項に反する。また6条3項は占有者を「区分所有者以外の専有部分の占有者」と定義しているので、これに限られないとする記述も誤りである。
問42-4

区分所有法第57条に定める共同の利益に反する行為の停止等の請求に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①請求をするには、必ず訴えを提起しなければならない
  • ②行為をするおそれがあるにとどまる段階では請求ができない
  • ③訴訟を提起するには、集会の特別決議によることが必要である
  • ④訴訟の提起には、集会の決議によることが必要とされている
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正解 ④訴訟の提起には、集会の決議によることが必要とされている
解説
区分所有法57条2項は、同条1項の規定に基づき訴訟を提起するには集会の決議によらなければならないと定めている。この決議について特別の定数は定められていないため、39条1項の原則に従い、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数による普通決議で足りる。使用禁止や競売の請求と異なり、行為の停止等の請求は義務違反者の権利を奪うものではないためである。

他の選択肢が不適切な理由
57条1項の請求は訴訟によらずに行うこともでき、訴訟による場合に限って2項の決議が必要となるから、必ず訴えを要するとする記述は誤りである。同項は「その行為をするおそれがある場合」も対象としているので、おそれの段階では請求できないとする記述も誤りである。また決議は普通決議で足りるから、特別決議を要するとする記述も条文に反する。
問52-4

区分所有法第6条第1項にいう「共同の利益に反する行為」の該当性の判断に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①行為の必要性の程度とこれによって侵害される利益の程度とを比較して判断される
  • ②規約に具体的に列挙された行為のみが、共同の利益に反する行為に該当するとされる
  • ③区分所有者本人の故意による行為に限られ、過失による行為は含まれないとされる
  • ④専有部分内で完結する行為は、他の区分所有者に影響しないため一切対象とならない
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正解 ①行為の必要性の程度とこれによって侵害される利益の程度とを比較して判断される
解説
ある行為が区分所有法6条1項の「共同の利益に反する行為」に該当するかどうかは、その行為をする必要性の程度と、それによって他の区分所有者が共同生活上受ける不利益の程度とを比較衡量して判断される。行為を形式的・画一的に禁止するのではなく、個別の事情に応じた相関的な判断が求められる。

他の選択肢が不適切な理由
共同の利益に反する行為は規約に個別に列挙されていないものも広く該当し得るのであって、規約に列挙された行為に限定されるものではない。6条1項は行為の態様や結果に着目するものであり、区分所有者本人の故意の有無によって適用が排除されるものではなく、過失による行為であっても該当し得る。また、専有部分内における行為であっても、騒音や振動、悪臭など他の区分所有者の共同生活に影響を及ぼすものは対象となり得るのであって、専有部分内で完結するというだけで一律に対象外となるわけではない。
問62-4

区分所有法第8条に定める特定承継人の責任に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①特定承継人は、前の区分所有者が滞納した管理費等の債務を承継するとされる
  • ②特定承継人の責任は、前区分所有者が滞納した管理費等の元本のみに限られる
  • ③特定承継人が責任を負うのは、滞納の事実を知って区分所有権を取得した場合に限る
  • ④特定承継人は、前区分所有者への求償を放棄しない限り責任を免れないとされる
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正解 ①特定承継人は、前の区分所有者が滞納した管理費等の債務を承継するとされる
解説
区分所有法8条は、7条1項に規定する債権はその債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができると定めている。管理費等の債権は区分所有権に付随する性質を有するため、区分所有権を譲り受けた者は、前の区分所有者が滞納していた管理費等の債務も承継し、支払の責任を負う。

他の選択肢が不適切な理由
8条は7条1項に規定する債権を承継の対象としており、遅延損害金を含む債権全体が対象となるのであって、元本のみに限定する根拠はない。8条の責任は特定承継人であることをもって当然に生ずるものであり、滞納の事実を知っていたかどうかという主観的な事情によって左右されるものではない。特定承継人が自ら支払った後に前の区分所有者へ求償できるかは別論であり、求償の放棄が特定承継人自身の責任の発生要件となるものでもない。
問72-4

区分所有法に定める義務違反者に対する措置に関する次のア~エの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 共同の利益に反する行為の停止等の請求に係る訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。
イ 専有部分の使用禁止を請求する訴えを提起するための決議をするには、あらかじめ当該区分所有者に弁明する機会を与えなければならない。
ウ 区分所有権の競売を請求する訴えは、集会の決議を経ることなく提起することができる。
エ 管理組合法人も、共同の利益に反する行為の停止等を請求することができる。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ③三つ
解説
正しいものはア、イ、エの三つである。
アは区分所有法57条2項のとおりであり、停止等の請求について訴訟を提起する場合には集会の決議が必要である。イは58条3項のとおりで、使用禁止の請求に係る決議には弁明の機会の付与が要求されている。エは57条1項が請求権者を「他の区分所有者の全員又は管理組合法人」としていることから正しい。

ウは誤りである。59条1項は、他の区分所有者の全員又は管理組合法人が集会の決議に基づき訴えをもって競売を請求することができると定めており、決議を欠いたまま訴えを提起することはできない。さらに59条2項が58条2項及び3項を準用するため、その決議には定足数を伴う特別多数と弁明の機会の付与が必要となる。

他の選択肢が不適切な理由
正しい記述はア、イ、エの三つであるから、一つ、二つ又は四つとするのはいずれも誤りである。ウを正しいものと数えると競売請求について決議が不要となり、四つとすることはできない。
問82-4

区分所有法に定める先取特権及び特定承継人の責任に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①先取特権の目的は、債務者の区分所有権のみに限られている
  • ②先取特権は、優先権の順位について一般の先取特権とみなされる
  • ③管理費の滞納債権は、特定承継人には一切請求することができない
  • ④管理者が職務を行うにつき有する債権にも先取特権が認められる
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正解 ④管理者が職務を行うにつき有する債権にも先取特権が認められる
解説
区分所有法7条1項後段は、管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても先取特権を有すると定めている。前段の区分所有者相互間の債権と同様に、管理者等が有する管理費等の債権も担保される。

他の選択肢が不適切な理由
7条1項は先取特権の目的を債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産としているから、区分所有権のみに限られるとする記述は誤りである。7条2項は優先権の順位及び効力について共益費用の先取特権とみなすとしているので、一般の先取特権とみなすとする記述も条文に反する。また8条は、7条1項に規定する債権は債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができるとしているから、特定承継人に一切請求できないとする記述も誤りである。
問92-4

区分所有者及び占有者の権利義務に関する次のア~エの記述のうち、誤っているものの組み合わせはどれか。
ア 区分所有者は、共用部分を保存するため必要な範囲内であっても、他の区分所有者の専有部分の使用を請求することはできない。
イ 区分所有者が他の区分所有者の専有部分を使用したことにより当該他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。
ウ 占有者は、専有部分を占有するにすぎないから、共同の利益に反する行為の禁止を受けることはない。
エ 占有者が共同の利益に反する行為をした場合、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、その行為の停止を請求することができる。

  • ①アとイ
  • ②アとウ
  • ③イとエ
  • ④ウとエ
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正解 ②アとウ
解説
誤っているのはアとウである。
アについて、区分所有法6条2項前段は、区分所有者はその専有部分又は共用部分を保存し又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分の使用を請求することができると定めている。共用部分の保存のために他の専有部分に立ち入る必要が生ずることは実際にも多く、請求できないとするのは条文に反する。

ウについて、6条3項は同条1項の規定を占有者に準用しているから、占有者も共同の利益に反する行為をしてはならない。占有にすぎないことを理由に義務を免れるものではない。

他の選択肢が不適切な理由
イは6条2項後段のとおりであり正しいから、イを誤りとして含む組み合わせは成り立たない。エも57条4項が同条1項から3項までを占有者の場合に準用していることから正しく、エを誤りとして含む組み合わせも成り立たない。
問102-4

区分所有法第6条の2に定める国内管理人に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①国内に住所又は居所を有しない区分所有者が選任することができる
  • ②国内管理人は、集会における議決権を行使する権限を有していない
  • ③国内管理人を選任した場合でも、管理者に通知する必要はない
  • ④国内管理人の選任は、集会の決議を経なければ効力を生じない
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正解 ①国内に住所又は居所を有しない区分所有者が選任することができる
解説
区分所有法6条の2第1項は、区分所有者は国内に住所又は居所を有せず、又は有しないこととなる場合には、その専有部分及び共用部分の管理に関する事務を行わせるため、国内に住所又は居所を有する者のうちから管理人を選任することができると定めている。海外に居住する区分所有者との連絡が取れず管理に支障が生ずる事例に対応するための制度である。

他の選択肢が不適切な理由
6条の2第2項は国内管理人の権限として保存行為、専有部分の利用又は改良を目的とする行為、集会の招集の通知の受領、集会における議決権の行使、一定の債務の弁済を掲げているから、議決権を行使する権限がないとする記述は誤りである。同条3項は、管理者があるとき等は遅滞なくその旨等を通知しなければならないとしているので、通知が不要とする記述も条文に反する。また選任は区分所有者が単独で行うものであり、集会の決議は要件とされていない。

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