2026年版・2-3

敷地利用権の一問一答

マンション管理士「法令及び実務2」から、敷地利用権に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-3

区分所有法第22条に定める分離処分の禁止に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①敷地利用権が数人で有する権利のときは、原則として分離処分できない
  • ②敷地利用権が単独の所有権であっても、常に分離処分は禁止される
  • ③分離処分の禁止に反する処分は、常に絶対的に無効になるとされている
  • ④分離処分を禁止するには、その旨の規約を定めることが必要である
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正解 ①敷地利用権が数人で有する権利のときは、原則として分離処分できない
解説
区分所有法22条1項本文は、敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者はその有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができないと定めている。専有部分と敷地利用権が別々の者に帰属すると、建物を所有する権原のない者が生じ区分所有関係が不安定になるため、両者の一体性を確保したものである。

他の選択肢が不適切な理由
22条3項は、専有部分の全部を所有する者の敷地利用権が単独で有する権利である場合に1項及び2項を準用するにとどまり、区分所有関係が生じている通常の場合に単独所有の敷地利用権について常に分離処分を禁じているわけではない。また23条本文は違反する処分の無効を善意の相手方に主張できないとしているから、常に絶対的に無効とする記述も誤りである。さらに分離処分の禁止は法律上当然に生ずる効果であり、規約の定めを要しない。
問22-3

敷地利用権の分離処分に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①規約に別段の定めがあるときは、分離して処分することができる
  • ②分離処分を許す規約は、集会の普通決議で設定することができる
  • ③最初に専有部分の全部を所有する者は、公正証書で規約を設定できる
  • ④分離処分ができる旨の規約があれば、敷地のみの譲渡も有効である
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正解 ②分離処分を許す規約は、集会の普通決議で設定することができる
解説
分離処分を認める定めは規約事項であるから、その設定には規約の設定手続によることが必要である。区分所有法31条1項前段は、規約の設定、変更又は廃止は、集会において区分所有者の過半数の者であって議決権の過半数を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による決議によってすると定めている。普通決議で足りるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
22条1項ただし書は規約に別段の定めがあるときは分離処分ができるとしているから、その記述は正しい。32条は、最初に建物の専有部分の全部を所有する者が公正証書により22条1項ただし書等の規約を設定することができると定めており、分譲業者が分譲前に定める例が多い。そして分離処分を許す規約がある以上、敷地利用権のみを譲渡しても有効である。
問32-3

一人の区分所有者が数個の専有部分を所有する場合における各専有部分に係る敷地利用権の割合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①各専有部分に係る敷地利用権の割合は、必ず均等になるとされる
  • ②各専有部分に係る敷地利用権の割合は、規約によって定めることはできない
  • ③各専有部分に係る敷地利用権の割合は、原則として床面積の割合による
  • ④各専有部分に係る敷地利用権の割合は、登記記録の記載により決まる
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正解 ③各専有部分に係る敷地利用権の割合は、原則として床面積の割合による
解説
区分所有法22条2項本文は、同条1項本文の場合において区分所有者が数個の専有部分を所有するときは、各専有部分に係る敷地利用権の割合は14条1項から3項までに定める割合によると定めている。14条1項から3項までは共用部分の持分について専有部分の床面積の割合によるものとし、床面積を内側線で囲まれた部分の水平投影面積によるとしているから、敷地利用権の割合も原則として床面積の割合によることになる。

他の選択肢が不適切な理由
床面積が異なれば割合も異なるから、必ず均等になるとする記述は誤りである。また22条2項ただし書は、規約でこの割合と異なる割合が定められているときはその割合によるとしているので、規約で定めることができないとする記述も条文に反する。登記記録の記載は権利関係を公示するものにすぎず、割合そのものを創設的に決めるわけではない。
問42-3

区分所有法第22条第3項の準用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①専有部分の全部を一人が所有する場合には、分離処分の禁止は及ばない
  • ②分離処分の禁止は、敷地利用権が共有である場合にのみ適用される
  • ③分譲前の建物には、およそ分離処分の禁止は適用されない
  • ④専有部分の全部を一人が所有し敷地を単独所有する場合にも準用される
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正解 ④専有部分の全部を一人が所有し敷地を単独所有する場合にも準用される
解説
区分所有法22条3項は、同条1項及び2項の規定は、建物の専有部分の全部を所有する者の敷地利用権が単独で有する所有権その他の権利である場合に準用すると定めている。分譲業者が全戸を所有し敷地も単独で所有している段階でも分離処分の禁止が及ぶため、専有部分を残したまま敷地だけを他に譲渡することは原則としてできない。分譲後に専有部分と敷地利用権が分離してしまう事態をあらかじめ防ぐ趣旨である。

他の選択肢が不適切な理由
22条3項が置かれている以上、専有部分の全部を一人が所有する場合に禁止が及ばないとする記述や、敷地利用権が共有の場合にのみ適用されるとする記述は誤りである。分譲前の建物についても同項により禁止が及ぶから、およそ適用されないとする記述も条文に反する。
問52-3

分離処分の禁止に違反する処分の効力に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①善意の相手方に対しては、その処分の無効を主張することができない
  • ②相手方の善意悪意を問わず、その処分は常に有効なものとされる
  • ③分離処分できない旨の登記の有無は、無効の主張に影響を与えない
  • ④悪意の相手方に対しても、その処分の無効を主張することはできない
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正解 ①善意の相手方に対しては、その処分の無効を主張することができない
解説
区分所有法23条本文は、22条1項本文の規定に違反する専有部分又は敷地利用権の処分については、その無効を善意の相手方に主張することができないと定めている。分離処分が禁止されていることを知らずに取引に入った者を保護し、取引の安全を図る趣旨である。裏を返せば、悪意の相手方に対しては無効を主張することができる。

他の選択肢が不適切な理由
違反する処分は本来無効であり、悪意の相手方には無効を主張できるから、常に有効とする記述も、悪意の相手方に主張できないとする記述も誤りである。また23条ただし書は、不動産登記法の定めるところにより分離して処分することができない専有部分及び敷地利用権であることを登記した後にその処分がされたときは善意者保護の適用がないとしているので、登記の有無が無効の主張に影響を与えないとする記述も誤りである。
問62-3

区分所有法における敷地利用権と民法の規定との関係に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①共有者が敷地利用権の持分を放棄しても、他の共有者には帰属しない
  • ②区分所有者が相続人なく死亡した場合、持分は他の共有者に帰属する
  • ③共用部分の共有については、民法第177条の規定が適用されない
  • ④敷地利用権が共有の場合、民法第255条の適用が排除されている
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正解 ②区分所有者が相続人なく死亡した場合、持分は他の共有者に帰属する
解説
民法255条は、共有者の一人がその持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は他の共有者に帰属すると定めている。しかし区分所有法24条は、22条1項本文の場合には民法255条の規定を敷地利用権には適用しないとしている。敷地利用権の持分だけが他の共有者に移ると専有部分と敷地利用権が分離してしまい、22条の趣旨に反するからである。相続人なく死亡した場合に持分が他の共有者に帰属するとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
持分を放棄しても他の共有者に帰属しないとする記述は、24条による民法255条の適用除外の帰結として正しい。共用部分について民法177条が適用されないことは11条3項が明記している。また24条が民法255条の適用を排除していることも条文どおりである。
問72-3

敷地利用権に関する次のア~エの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができないのが原則である。
イ アの原則については、規約に別段の定めがあるときは分離して処分することができるという例外が認められている。
ウ 分離処分の禁止に違反する処分の無効は、善意の相手方に対しても主張することができる。
エ 分離して処分することができない専有部分及び敷地利用権である旨の登記がされた後にその処分がされたときは、善意の相手方に対しても無効を主張することができる。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ③三つ
解説
正しいものはア、イ、エの三つである。
アは区分所有法22条1項本文のとおりであり、専有部分と敷地利用権の一体性を確保する原則を示している。イは同項ただし書のとおりで、規約に別段の定めがあれば分離処分が可能となる。エは23条ただし書のとおりであり、分離処分ができない旨の登記がされた後の処分については善意者保護が働かず、無効を主張することができる。

ウは誤りである。23条本文は、違反する処分についてはその無効を善意の相手方に主張することができないと定めており、善意者に対する無効の主張は制限されている。

他の選択肢が不適切な理由
正しい記述はア、イ、エの三つであるから、一つ、二つ又は四つとするのはいずれも誤りである。ウを正しいものと数えると23条本文の善意者保護を否定することになり、四つとすることはできない。
問82-3

区分所有法第10条に定める区分所有権売渡請求権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①売渡請求ができるのは、他の区分所有者の全員に限られている
  • ②専有部分の収去を請求できる者が、時価での売渡しを請求できる
  • ③売渡しの代金は、当事者間の協議によって定めるものとされる
  • ④売渡請求権は、集会の特別決議を経なければ行使することができない
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正解 ②専有部分の収去を請求できる者が、時価での売渡しを請求できる
解説
区分所有法10条は、敷地利用権を有しない区分所有者があるときは、その専有部分の収去を請求する権利を有する者は、その区分所有者に対し、区分所有権を時価で売り渡すべきことを請求することができると定めている。敷地の所有者などが収去を求めると建物全体の存立が脅かされるため、収去に代えて区分所有権を取得させることで建物の保全を図る趣旨である。

他の選択肢が不適切な理由
請求権者は収去を請求する権利を有する者であり、他の区分所有者の全員に限られるものではない。代金は条文上「時価」と定められているから、当事者の協議で自由に定めるとする記述も誤りである。また10条は集会の決議を要件としておらず、請求権者が単独で行使できる形成権であるから、特別決議を要するとする記述も条文に反する。
問92-3

敷地利用権に関する次のア~エの記述のうち、誤っているものの組み合わせはどれか。
ア 敷地利用権とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。
イ 敷地利用権が数人で有する権利である場合、専有部分と敷地利用権とを分離して処分することは、規約によっても認めることができない。
ウ 区分所有者が数個の専有部分を所有する場合、各専有部分に係る敷地利用権の割合について規約で定めがあるときは、その割合による。
エ 敷地利用権を有しない区分所有者があるときは、その区分所有者は、他の区分所有者に対して区分所有権を時価で買い取るよう請求することができる。

  • ①アとイ
  • ②アとウ
  • ③イとエ
  • ④ウとエ
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正解 ③イとエ
解説
誤っているのはイとエである。
イについて、区分所有法22条1項ただし書は、規約に別段の定めがあるときは分離して処分することができるとしている。共用部分の持分に関する15条2項が規約による例外を認めていないのと対照的であり、敷地利用権については規約による分離処分が可能である。

エについて、10条が売渡しを請求できるとしているのは、敷地利用権を有しない区分所有者の専有部分の収去を請求する権利を有する者であって、敷地利用権を有しない区分所有者の側ではない。請求する者と請求される者が逆になっている点で誤りである。

他の選択肢が不適切な理由
アは2条6項の定義そのものであり正しいから、アを誤りとして含む組み合わせは成り立たない。ウも22条2項ただし書のとおりであり正しいから、ウを誤りとして含む組み合わせも成り立たない。
問102-3

共用部分の持分と敷地利用権とにおける分離処分の禁止の異同に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①いずれも規約に別段の定めがあれば分離処分をすることができる
  • ②いずれも規約の定めの有無にかかわらず分離処分は禁止されている
  • ③共用部分の持分についてのみ規約による分離処分が例外的に許される
  • ④敷地利用権についてのみ規約による分離処分が例外的に許される
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正解 ④敷地利用権についてのみ規約による分離処分が例外的に許される
解説
区分所有法15条2項は、共有者はこの法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して共用部分の持分を処分することができないと定めている。例外は「この法律に別段の定めがある場合」に限られ、規約による例外は認められていない。これに対し22条1項ただし書は、敷地利用権について規約に別段の定めがあるときは分離処分ができるとしている。両者の違いを正確に区別することが重要である。

他の選択肢が不適切な理由
共用部分の持分については規約による例外がないから、いずれも規約で分離処分できるとする記述は誤りである。敷地利用権については規約による例外があるので、いずれも規約にかかわらず禁止されるとする記述も誤りである。例外が認められるのは敷地利用権の側であるから、共用部分の持分についてのみ許されるとする記述も両者を取り違えており誤りである。

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