2026年版・1-4

物権変動と対抗要件の一問一答

マンション管理士「法令及び実務1」から、物権変動と対抗要件に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-4

不動産の物権変動の対抗要件に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。

  • ①不動産を不法に占拠している者に対しては、登記がなくても所有権を主張できる。
  • ②実体上の権利を有しない登記名義人に対しても、登記がなければ対抗できない。
  • ③先に売買契約を締結した買主は、登記がなくても後の買主に優先して対抗できる。
  • ④詐欺により登記の申請を妨げた第三者に対しても、登記がなければ対抗できない。
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正解 ①不動産を不法に占拠している者に対しては、登記がなくても所有権を主張できる。
解説
民法177条にいう「第三者」とは、判例によれば、当事者及びその包括承継人以外の者であって、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者をいう。不法占拠者は、そもそも当該不動産について何らの正当な権利も有しておらず、登記の欠缺を主張する正当な利益を有しないから、所有者は登記がなくても所有権を主張して明渡しを求めることができる。

他の選択肢が不適切な理由
実体上の権利を有しない無権利の登記名義人も同様に正当な利益を有する第三者に当たらないから、登記がなければ対抗できないとする記述は誤りである。また、不動産の二重譲渡においては、契約の先後ではなく登記の先後によって優劣が決せられるから、先に契約した買主が登記なくして対抗できるとする記述も誤りである。さらに、不動産登記法5条1項は、詐欺又は強迫によって登記の申請を妨げた第三者は登記がないことを主張することができないと定めているから、この記述も誤りである。
問21-4

いわゆる背信的悪意者に関する次の記述のうち、判例によれば誤っているものはどれか。

  • ①背信的悪意者は、民法177条にいう第三者に当たらないと解されている。
  • ②背信的悪意者からの転得者は、自ら背信的悪意者でなければ保護されうる。
  • ③第一の買主を害する目的で不当な安値で買い受けた者は、背信的悪意者となりうる。
  • ④第一の買主がいることを知って買い受けた者は、それだけで背信的悪意者となる。
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正解 ④第一の買主がいることを知って買い受けた者は、それだけで背信的悪意者となる。
解説
判例は、単に先行する売買の存在を知っていたにすぎない単純悪意者も民法177条にいう第三者に当たり、登記を備えれば所有権の取得を対抗できるとしている。自由競争の範囲内の行為だからである。背信的悪意者と評価されるためには、登記の欠缺を主張することが信義則に反すると認められる事情が別に必要であるから、悪意であることだけで背信的悪意者となるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
判例は、背信的悪意者は登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらないとしているから、この記述は正しい。また判例は、背信的悪意者からの転得者について、その転得者自身が第一の買主との関係で背信的悪意者と評価されない限り所有権の取得を対抗できるとしているから、この記述も正しい。さらに、第一の買主を害する目的で不当に安い価格で買い受けるような行為は信義則違反を基礎づける典型的な事情であるから、背信的悪意者となりうるとする記述も正しい。
問31-4

Aが所有するマンションの一住戸について、AがBに売却した後、さらにCにも売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。

  • ①Bが先に代金を全額支払っていた場合には、登記がなくてもCに対抗できる。
  • ②Bが先に引渡しを受けて居住していた場合には、登記がなくてもCに対抗できる。
  • ③Cが先に所有権移転登記を備えたときは、CはBに所有権の取得を対抗できる。
  • ④AB間の売買契約が先である以上、Cは登記を備えても所有権を取得できない。
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正解 ③Cが先に所有権移転登記を備えたときは、CはBに所有権の取得を対抗できる。
解説
民法177条により、不動産に関する物権の得喪及び変更は登記をしなければ第三者に対抗することができない。二重譲渡の場合、両買主は互いに登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たるから、先に所有権移転登記を備えた者が確定的に所有権を取得し、他方に対してこれを対抗できる。

他の選択肢が不適切な理由
民法177条の対抗要件は登記であり、代金の支払の先後は優劣に影響しないから、代金を全額支払っていれば登記がなくても対抗できるとする記述は誤りである。また、不動産については引渡しは対抗要件とされていないから、引渡しを受けて居住していれば登記がなくても対抗できるとする記述も誤りである。さらに、契約の先後によって優劣が決まるわけではなく、後に契約した買主も登記を備えれば所有権を取得できるから、最後の記述も誤りである。
問41-4

AがBの詐欺によりマンションの一住戸をBに売却し、その後Bがこれを第三者Cに転売した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。

  • ①Aの取消し後にCが現れたときは、Aは登記がなくてもCに所有権を対抗できる。
  • ②Aの取消し前にCが現れたときは、Cは善意であれば過失があっても保護される。
  • ③Aの取消し後にCが現れたときは、Cは善意無過失でなければ保護されない。
  • ④Aの取消し前にCが現れた場合、Cが善意無過失ならAは取消しを対抗できない。
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正解 ④Aの取消し前にCが現れた場合、Cが善意無過失ならAは取消しを対抗できない。
解説
民法96条3項は、詐欺による意思表示の取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗することができないと定めている。ここでいう第三者とは、取消しの意思表示より前に利害関係を有するに至った者をいうと解されているから、取消し前に登場したCが善意無過失であれば、Aは取消しをCに対抗できない。

他の選択肢が不適切な理由
判例は、取消し後に現れた第三者との関係については、取消しによる復帰的物権変動があったものとして民法177条の対抗問題として処理し、登記の先後で優劣を決するとしているから、取消し後の第三者に登記なくして対抗できるとする記述は誤りである。同様に、取消し後の第三者との関係は登記の先後で決せられ、善意無過失であることは要件とされないから、善意無過失でなければ保護されないとする記述も誤りである。また、民法96条3項は第三者に無過失を要求しているから、善意でありさえすれば保護されるとする記述も誤りである。
問51-4

AがBにマンションの一住戸を売却したが、Bの代金不払によりAが売買契約を解除した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば誤っているものはどれか。

  • ①解除前にBから買い受けた第三者は、登記を備えていなくても保護される。
  • ②解除の効果は第三者の権利を害することができないと明文で定められている。
  • ③解除後にBから買い受けた第三者との関係は、登記の先後により決せられる。
  • ④解除により各当事者は相手方を原状に復させる義務を負うこととなる。
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正解 ①解除前にBから買い受けた第三者は、登記を備えていなくても保護される。
解説
民法545条1項ただし書は解除による原状回復が第三者の権利を害することができないと定めているが、判例は、ここで保護される第三者は権利保護要件としての登記を備えていることを要するとしている。したがって、登記を備えていなくても保護されるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
民法545条1項ただし書が第三者の権利を害することができない旨を明文で定めていることはそのとおりであるから、この記述は正しい。また判例は、解除後に現れた第三者との関係については解除による復帰的物権変動を観念して民法177条の対抗問題として処理するとしているから、登記の先後で決するとする記述も正しい。さらに、民法545条1項本文は解除により各当事者が相手方を原状に復させる義務を負うと定めているから、この記述も正しい。
問61-4

不動産の取得時効と登記に関する次の記述のうち、判例によれば正しいものはどれか。

  • ①時効完成後に原所有者から譲り受けた者に対しても、登記なくして対抗できる。
  • ②時効完成前に原所有者から譲り受けた者に対しては、登記なくして対抗できる。
  • ③時効完成後の第三者に対しては、いかなる場合も所有権を主張できなくなる。
  • ④時効取得者は、登記を備えない限り原所有者に対しても対抗することができない。
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正解 ②時効完成前に原所有者から譲り受けた者に対しては、登記なくして対抗できる。
解説
判例は、時効完成前に原所有者から目的不動産を譲り受けた者は、時効取得者にとって物権変動の当事者に準ずる地位に立つとして、時効取得者は登記がなくてもその者に所有権の取得を対抗できるとしている。時効完成の時点で所有者であった者との関係は対抗問題とならないからである。

他の選択肢が不適切な理由
これに対し判例は、時効完成後に原所有者から譲り受けた第三者との関係は民法177条の対抗問題となり、時効取得者は登記がなければ対抗できないとしているから、登記なくして対抗できるとする記述は誤りである。もっとも、その第三者が登記をした時点を起算点として更に時効期間が経過すれば改めて時効取得を主張できるから、いかなる場合も主張できなくなるとする記述も誤りである。また、原所有者は物権変動の当事者であって第三者に当たらないから、原所有者に対しても登記を要するとする記述も誤りである。
問71-4

相続による不動産の権利承継と対抗要件に関する次のア〜エの記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものはいくつあるか。
ア 相続の放棄をした者の持分を取得した他の相続人は、登記がなくても第三者に対抗することができる。
イ 遺産の分割により法定相続分を超えて取得した部分については、登記がなければ第三者に対抗することができない。
ウ いわゆる相続させる旨の遺言による承継であっても、法定相続分を超える部分については登記を要する。
エ 法定相続分に相当する部分の承継についても、登記がなければ第三者に対抗することができない。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ③三つ
解説
正しいものはア・イ・ウの三つである。アについて、判例は、相続の放棄は相続開始時にさかのぼって相続人でなかったことになる絶対的な効力を有するとして、他の相続人は登記なくして第三者に対抗できるとしているから正しい。イ及びウについて、民法899条の2第1項は、相続による権利の承継は遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、法定相続分を超える部分については登記等の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないと定めており、いわゆる相続させる旨の遺言(特定財産承継遺言)による承継もその適用対象であるから、いずれも正しい。

他の選択肢が不適切な理由
エについては、民法899条の2第1項が対抗要件を要求しているのは法定相続分を「超える」部分に限られており、その反対解釈として法定相続分に相当する部分の承継には対抗要件を要しないから誤りである。法定相続分の範囲では、相続人は登記がなくても自己の権利を主張することができる。したがって正しいものは三つであり、一つ・二つ・四つとする記述はいずれも誤りである。
問81-4

不動産の物権変動に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。

  • ①不動産の所有権は、登記をした時に初めて買主に移転するのが原則である。
  • ②物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによってその効力を生ずる。
  • ③不動産の登記には公信力があり、登記を信頼した者は常に保護されている。
  • ④不動産の売買では、代金が完済されなければ所有権は絶対に移転しない。
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正解 ②物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによってその効力を生ずる。
解説
民法176条は、物権の設定及び移転は当事者の意思表示のみによってその効力を生ずると定めている。これを意思主義といい、登記や引渡しは物権変動の効力発生要件ではなく、民法177条・178条が定める第三者に対する対抗要件にすぎない。

他の選択肢が不適切な理由
登記は対抗要件であって効力発生要件ではないから、登記の時に初めて所有権が移転するとする記述は誤りである。また、我が国の不動産登記には公信力が認められておらず、無権利者を権利者と信じて取引した者は原則として保護されないから、公信力があるとする記述も誤りである。さらに、判例は、特約がない限り所有権は売買契約の成立時に移転するとしており、代金完済を所有権移転の要件とする特約は可能であるとしても法律上当然の要件ではないから、絶対に移転しないとする記述も誤りである。
問91-4

不動産の物権変動と対抗要件に関する次のア〜エの記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものの組み合わせはどれか。
ア 共同相続人の一人が単独名義の登記をして第三者に譲渡した場合、他の共同相続人は自己の持分を登記なく第三者に対抗できる。
イ 取得時効の完成後に不動産を譲り受けた第三者に対しては、時効取得者は登記なく対抗できる。
ウ 二重譲渡において、第二の買主が単に第一の売買を知っていただけの場合、その者は民法177条の第三者に当たらない。
エ 通謀虚偽表示の相手方から不動産を譲り受けた善意の第三者は、登記を備えなくても保護される。

  • ①アとイ
  • ②アとエ
  • ③イとウ
  • ④ウとエ
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正解 ②アとエ
解説
正しいものはアとエであり、その組み合わせが正解となる。アについて、判例は、共同相続人の一人が勝手に単独名義の登記をしても他の共同相続人の持分については無権利であり、その譲受人も無権利者であるから、他の共同相続人は自己の持分を登記なくして対抗できるとしているので正しい。エについて、判例は民法94条2項の第三者に登記を要求していないから正しい。

他の選択肢が不適切な理由
イについては、判例が時効完成後の第三者との関係を民法177条の対抗問題として扱い、時効取得者は登記がなければ対抗できないとしているから誤りである。ウについては、判例が単純悪意者も民法177条の第三者に当たるとしており、先行する売買の存在を知っているだけでは第三者から除外されないから誤りである。したがって、これらを含む組み合わせはいずれも正解とならない。
問101-4

Aが所有し、Bに賃貸しているマンションの一住戸をAがCに売却した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば正しいものはどれか。

  • ①賃貸人たる地位がCに移転するには、賃借人Bの承諾を得ることが必要である。
  • ②Cは、所有権移転登記を備えなくても、Bに対して賃料の支払を請求できる。
  • ③Bが建物の引渡しを受けていれば、賃貸人たる地位は原則としてCに移転する。
  • ④敷金に関する権利義務は、旧賃貸人Aのもとに当然に残ることとされている。
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正解 ③Bが建物の引渡しを受けていれば、賃貸人たる地位は原則としてCに移転する。
解説
借地借家法31条は、建物の賃貸借は登記がなくても建物の引渡しがあったときは以後その建物について物権を取得した者に対して効力を生ずると定めている。そして民法605条の2第1項は、賃借人が対抗要件を備えた不動産が譲渡されたときは賃貸人たる地位が譲受人に移転すると定めているから、引渡しを受けているBとの関係で賃貸人たる地位は原則としてCに移転する。

他の選択肢が不適切な理由
賃貸人たる地位の移転は賃借人にとって不利益がないため、判例及び民法605条の2第1項は賃借人の承諾を不要としているから、承諾を要するとする記述は誤りである。また、同条3項は、賃貸人たる地位の移転は賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ賃借人に対抗できないと定めているから、登記なくして賃料請求できるとする記述も誤りである。さらに、同条4項は敷金に関する権利義務が譲受人に承継される旨を定めているから、旧賃貸人のもとに残るとする記述も誤りである。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。