2026年版・1-10

契約各論(売買・贈与・請負・委任)の一問一答

マンション管理士「法令及び実務1」から、契約各論(売買・贈与・請負・委任)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-10

マンションの一住戸の売買契約において買主が売主に手付を交付した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。

  • ①買主は、売主が履行に着手した後でも、手付を放棄して解除することができる。
  • ②売主が契約を解除するには、その手付の倍額を現実に提供しなければならない。
  • ③手付による解除をした当事者は、相手方に損害賠償を請求することができる。
  • ④売主は、手付の倍額を償還する旨を口頭で告げれば解除できるとされている。
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正解 ②売主が契約を解除するには、その手付の倍額を現実に提供しなければならない。
解説
民法557条1項本文は、買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を「現実に提供して」契約の解除をすることができると定めている。平成29年改正により、売主の側については現実の提供が必要であることが明文化された。

他の選択肢が不適切な理由
民法557条1項ただし書は、その相手方が契約の履行に着手した後は手付による解除ができないと定めているから、売主が履行に着手した後でも買主が解除できるとする記述は誤りである。また、同条2項は損害賠償の請求を妨げない旨を定める民法545条4項を適用しないとしているから、手付解除をした当事者が損害賠償を請求できるとする記述も誤りである。さらに、口頭で告げるだけでは現実の提供に当たらないから、この記述も誤りである。
問21-10

マンションの一住戸の売買において、引き渡された住戸が契約の内容に適合しない場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば誤っているものはどれか。

  • ①買主は、目的物の修補による履行の追完を請求することができるとされている。
  • ②売主は、買主に不相当な負担を課さなければ、異なる方法で追完することができる。
  • ③買主は、追完の催告をすることなく直ちに代金の減額を請求することができる。
  • ④不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときは、追完を請求することができない。
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正解 ③買主は、追完の催告をすることなく直ちに代金の減額を請求することができる。
解説
民法563条1項は、代金減額請求について、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときにすることができると定めている。追完が不能である場合など同条2項各号に該当する場合を除き、原則として催告が必要であるから、常に直ちに減額請求できるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
民法562条1項本文は、目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないときは、買主は目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求できると定めているから、修補請求に関する記述は正しい。また、同項ただし書は、売主は買主に不相当な負担を課するものでないときは買主が請求した方法と異なる方法による追完ができると定めているから、この記述も正しい。さらに、同条2項は、不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは追完請求ができないと定めているから、この記述も正しい。
問31-10

売買の目的物の契約不適合に関する期間の制限についての次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。

  • ①数量に関する不適合についても、知った時から1年以内の通知が必要とされる。
  • ②売主が引渡し時に不適合を知っていた場合にも、1年以内の通知が必要である。
  • ③権利に関する契約不適合についても、知った時から1年以内の通知を要する。
  • ④種類又は品質の不適合は、知った時から1年以内に売主に通知する必要がある。
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正解 ④種類又は品質の不適合は、知った時から1年以内に売主に通知する必要がある。
解説
民法566条本文は、売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができないと定めている。

他の選択肢が不適切な理由
民法566条が対象としているのは種類又は品質に関する不適合に限られ、数量に関する不適合や権利に関する不適合はその対象外であるから、数量の不適合について1年以内の通知が必要とする記述も、権利の不適合について1年以内の通知を要するとする記述も、いずれも誤りである。これらについては民法166条1項の一般の消滅時効の規律によることになる。また、同条ただし書は、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは通知を要しないと定めているから、この記述も誤りである。
問41-10

マンションの売買における売主の担保責任に関する次の記述のうち、民法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律の規定によれば誤っているものはどれか。

  • ①担保責任を負わない旨の特約をすれば、知りながら告げなかった事実も免責される。
  • ②新築住宅の売主は、構造耐力上主要な部分について引渡しから10年間責任を負う。
  • ③売主が自ら第三者のために設定した権利については、免責特約の効力は及ばない。
  • ④担保責任を負わない旨の特約自体は、原則として有効であるとされている。
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正解 ①担保責任を負わない旨の特約をすれば、知りながら告げなかった事実も免責される。
解説
民法572条は、売主が担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができないと定めている。信義に反する売主まで保護する必要はないからであり、知りながら告げなかった事実についても免責されるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
住宅の品質確保の促進等に関する法律95条1項は、新築住宅の売買契約において売主が構造耐力上主要な部分等の瑕疵について引渡しの時から10年間担保責任を負うと定めているから、この記述は正しい。また、民法572条が自ら第三者のために設定した権利を免責の例外としていることから、この記述も正しい。さらに、同条は一定の場合を除いて免責特約が有効であることを前提としているから、特約自体は原則として有効であるとする記述も正しい。
問51-10

贈与に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。

  • ①書面によらない贈与は、履行の終わった部分を除き、各当事者が解除できる。
  • ②贈与契約は、書面によらなければその効力を生じないものとされている。
  • ③負担付贈与の贈与者は、いかなる場合にも担保責任を負わないとされている。
  • ④書面による贈与であっても、履行の前であれば自由に解除することができる。
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正解 ①書面によらない贈与は、履行の終わった部分を除き、各当事者が解除できる。
解説
民法550条は、書面によらない贈与は各当事者が解除をすることができるとしつつ、そのただし書で履行の終わった部分についてはこの限りでないと定めている。軽率にされた贈与の意思表示から贈与者を保護するとともに、既に履行された部分については法律関係の安定を図る趣旨である。

他の選択肢が不適切な理由
民法549条は、贈与を当事者の一方が財産を無償で相手方に与える意思を表示し相手方が受諾することによって効力を生ずる諾成契約としており、書面は効力要件ではないから、書面によらなければ効力を生じないとする記述は誤りである。また、民法551条2項は、負担付贈与については贈与者がその負担の限度において売主と同じく担保の責任を負うと定めているから、いかなる場合も責任を負わないとする記述も誤りである。さらに、民法550条が解除を認めるのは書面によらない贈与に限られるから、書面による贈与も自由に解除できるとする記述も誤りである。
問61-10

請負に関する次の記述のうち、民法の規定によれば誤っているものはどれか。

  • ①報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に支払わなければならないとされている。
  • ②請負人は、仕事に着手する前に報酬の全額を請求することができるとされている。
  • ③注文者の責めに帰さない事由で完成が不能となっても、割合的な報酬を請求できる。
  • ④請負契約が仕事の完成前に解除されたときも、割合的な報酬を請求できる。
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正解 ②請負人は、仕事に着手する前に報酬の全額を請求することができるとされている。
解説
民法633条本文は、報酬は仕事の目的物の引渡しと同時に支払わなければならないと定めており、報酬債権の弁済期は仕事の完成後に到来する。したがって、仕事に着手する前に報酬の全額を請求できるとする記述は誤りである。なお、物の引渡しを要しないときは、同条ただし書により民法624条1項が準用され後払いとなる。

他の選択肢が正しい理由
報酬の支払時期を目的物の引渡しと同時とする記述は民法633条本文の内容そのものであるから正しい。また、民法634条1号は、注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなった場合において、既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときはその部分を仕事の完成とみなすと定めているから、この記述も正しい。さらに、同条2号は請負が仕事の完成前に解除されたときも同様とすると定めているから、この記述も正しい。
問71-10

請負人の担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。

  • ①注文者の与えた指図によって生じた不適合についても、常に請負人が責任を負う。
  • ②注文者は、不適合を知った時から2年以内に通知しなければ責任を追及できない。
  • ③注文者は、契約不適合を理由として報酬の減額を請求することはできないとされる。
  • ④仕事の目的物が建物であっても、契約不適合を理由に契約を解除することができる。
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正解 ④仕事の目的物が建物であっても、契約不適合を理由に契約を解除することができる。
解説
平成29年改正前の民法635条ただし書は、建物その他の土地の工作物については瑕疵を理由とする解除を認めていなかったが、改正によりこの規定は削除された。現行法の下では、民法559条により売買の規定が準用され、民法541条・542条の要件を満たす限り、建物についても契約不適合を理由とする解除が認められる。

他の選択肢が不適切な理由
民法636条本文は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合については注文者が担保責任を追及できないと定めており、同条ただし書で請負人が不適当であることを知りながら告げなかった場合を除外しているから、常に請負人が責任を負うとする記述は誤りである。また、民法637条1項が定める通知期間は不適合を知った時から1年以内であるから、2年以内とする記述も誤りである。さらに、同項は報酬の減額の請求も追及方法として掲げているから、減額請求ができないとする記述も誤りである。
問81-10

請負契約の解除に関する次のア〜エの記述のうち、民法の規定によれば正しいものの組み合わせはどれか。
ア 注文者は、請負人が仕事を完成しない間は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
イ 注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人又は破産管財人は契約の解除をすることができる。
ウ 注文者は、仕事が完成した後であっても、損害を賠償して契約の解除をすることができる。
エ 請負人は、注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、仕事を完成した後であっても契約の解除をすることができる。

  • ①アとイ
  • ②アとエ
  • ③イとウ
  • ④ウとエ
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正解 ①アとイ
解説
正しいものはアとイであり、その組み合わせが正解となる。アについて、民法641条は、請負人が仕事を完成しない間は注文者がいつでも損害を賠償して契約の解除をすることができると定めているから正しい。イについて、民法642条1項本文は、注文者が破産手続開始の決定を受けたときは請負人又は破産管財人が契約の解除をすることができると定めているから正しい。

他の選択肢が不適切な理由
ウについては、民法641条が解除を認めるのは「仕事を完成しない間」に限られるから誤りである。仕事が完成した後は、不要となった仕事を押し付けられる注文者の不利益がなくなる一方、請負人の利益を一方的に害することになるため、この解除権は認められない。エについては、民法642条1項ただし書が、請負人による契約の解除については仕事を完成した後はすることができないと定めているから誤りである。
問91-10

委任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。

  • ①受任者は、特約がなくても委任者に報酬を請求することができるとされている。
  • ②受任者は、委任者の許諾がなくても自由に復受任者を選任することができる。
  • ③受任者は、報酬の有無を問わず、善良な管理者の注意をもって事務を処理する。
  • ④受任者が委任事務の処理により無過失で損害を受けても、賠償を請求できない。
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正解 ③受任者は、報酬の有無を問わず、善良な管理者の注意をもって事務を処理する。
解説
民法644条は、受任者は委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負うと定めている。この義務は報酬の有無を区別せずに課されており、無償の委任であっても注意義務の程度は軽減されない点が重要である。マンション管理組合と管理業者との管理委託契約にも、この規律が及ぶ。

他の選択肢が不適切な理由
民法648条1項は、受任者は特約がなければ委任者に対して報酬を請求することができないと定めているから、特約がなくても請求できるとする記述は誤りである。また、民法644条の2第1項は、受任者は委任者の許諾を得たとき又はやむを得ない事由があるときでなければ復受任者を選任することができないと定めているから、自由に選任できるとする記述も誤りである。さらに、民法650条3項は、受任者が委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは委任者に対しその賠償を請求できると定めているから、この記述も誤りである。
問101-10

委任に関する次のア〜エの記述のうち、民法の規定によれば正しいものはいくつあるか。
ア 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
イ 相手方に不利な時期に委任を解除した者は、やむを得ない事由があったときを除き、相手方の損害を賠償しなければならない。
ウ 委任者が死亡したときは、委任は終了する。
エ 委任の終了事由は、相手方に通知をしなくても常にこれを対抗することができる。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ③三つ
解説
正しいものはア・イ・ウの三つである。アについて、民法651条1項は委任を各当事者がいつでも解除することができると定めているから正しい。イについて、同条2項1号及びただし書は、相手方に不利な時期に委任を解除した者は、やむを得ない事由があったときを除き相手方の損害を賠償しなければならないと定めているから正しい。ウについて、民法653条1号は委任者又は受任者の死亡を委任の終了事由として掲げているから正しい。

他の選択肢が不適切な理由
エについては、民法655条が、委任の終了事由はこれを相手方に通知したとき又は相手方がこれを知っていたときでなければ、その相手方に対抗することができないと定めているから誤りである。委任の終了を知らずに事務処理を続けた相手方や、終了を知らずに事務処理を委ねたままにしていた相手方の保護を図る趣旨である。したがって正しいものは三つであり、一つ・二つ・四つとする記述はいずれも誤りである。

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