2026年版・6-18

建物の維持保全に関する用語の一問一答

マンション管理士「マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること」から、建物の維持保全に関する用語に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-18

建物の維持保全に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①予防保全は、故障や不具合が生じる前に計画的に行う保全である。
  • ②事後保全は、故障や不具合が生じた後にこれに対応して行う保全である。
  • ③事後保全は、予防保全に比べれば常に費用が少なく合理的である。
  • ④予防保全には、時間計画保全と状態監視保全の二つの方式がある。
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正解 ③事後保全は、予防保全に比べれば常に費用が少なく合理的である。
解説
事後保全は、故障が生じてから対応するため、日常的な点検・整備の費用は抑えられるものの、故障による機能停止で居住者の生活に支障が生じ、二次的な被害の復旧に多額の費用を要することがある。建物や設備の重要度に応じて予防保全と使い分けるべきものであり、常に費用が少なく合理的であるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
予防保全が、故障や不具合が生じる前に点検・整備・部品交換等を計画的に行う保全であるとする記述は正しい。事後保全が、故障や不具合が発生した後に修理・交換を行う保全であるとする記述も正しい。予防保全には、一定の時間や周期を定めて行う時間計画保全と、劣化の状態を監視・計測し、その結果に応じて実施する状態監視保全があるとする記述も正しい。
問26-18

ライフサイクルコスト(LCC)に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①企画設計費、建設費、運用管理費、解体処分費の総計をいうものである。
  • ②一般に、建設費よりも運用管理費のほうが大きな割合を占めるとされる。
  • ③初期の投資を抑えることが、必ずしもLCCの低減につながるとは限らない。
  • ④LCCは、建設費のみを対象として算定される指標であるとされている。
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正解 ④LCCは、建設費のみを対象として算定される指標であるとされている。
解説
ライフサイクルコストとは、建物の企画・設計から建設、運用・維持管理、修繕・改修を経て、最終的な解体・処分に至るまでの生涯にわたって必要となる費用の総額をいう。建設費のみを対象とするものではないから、この記述は誤りである。長期的な視点で建物を評価するための指標であり、長期修繕計画の考え方とも密接に関連する。

他の選択肢が正しい理由
企画設計費、建設費、運用管理費、解体処分費の総計をLCCとするとする記述は正しい。建物の使用期間が長期にわたるため、生涯費用に占める運用管理費(光熱水費・保守点検費・修繕費等)の割合は建設費よりも大きくなるのが一般的であり、この記述も正しい。初期投資を抑えて安価な仕様を採用すると、その後の修繕や更新の費用がかさみ、かえって生涯費用が増大することがあるため、初期投資の抑制が必ずしもLCCの低減につながらないとする記述も正しい。
問36-18

建物の耐用年数に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①法定耐用年数をひとたび経過した建物は、直ちに使用できなくなる。
  • ②機能的耐用年数は、求められる機能を満たせなくなるまでの年数である。
  • ③法定耐用年数は、税法上の減価償却のために定められた年数である。
  • ④物理的耐用年数は、劣化により物理的に使用できなくなるまでの年数である。
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正解 ①法定耐用年数をひとたび経過した建物は、直ちに使用できなくなる。
解説
法定耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令が定める税務上の計算のための年数であって、建物の物理的な寿命を示すものではない。適切な維持保全を行えば、法定耐用年数を経過した後も長く使用することができるから、直ちに使用できなくなるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
物理的耐用年数が、劣化の進行により構造上・安全上の性能を保てなくなり物理的に使用できなくなるまでの年数であるとする記述は正しい。機能的(functional)耐用年数は、設備の陳腐化や居住者の要求水準の変化により、求められる機能を満たせなくなるまでの年数をいい、この記述も正しい。法定耐用年数が税法上の減価償却のために定められた年数であるとする記述も正しく、鉄筋コンクリート造の住宅は47年とされている。
問46-18

建築物の維持保全に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①建築基準法は、建築物の所有者等に対し適法な状態に維持する努力義務を課す。
  • ②維持保全の義務は、建築物の所有者等ではなく施工者が負うものとされている。
  • ③定期の調査・検査の結果は、特定行政庁に報告しなければならないとされる。
  • ④一定の建築物の所有者等は、維持保全に関する準則又は計画の作成を要する。
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正解 ②維持保全の義務は、建築物の所有者等ではなく施工者が負うものとされている。
解説
建築基準法8条1項は、建築物の所有者、管理者又は占有者に対し、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めなければならないと定めている。維持保全の義務を負うのは所有者等であって施工者ではないから、この記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
建築基準法8条1項が所有者等に常時適法な状態への維持を求めているとする記述は正しい。同条2項は、特殊建築物等一定の建築物の所有者又は管理者に対し、必要に応じて建築物の維持保全に関する準則又は計画を作成し、その他適切な措置を講ずることを求めており、この記述も正しい。建築基準法12条1項・3項に基づく定期の調査・検査の結果を特定行政庁に報告しなければならないとする記述も正しい。
問56-18

建物の維持保全に関する用語についての次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①更新とは、劣化した部材や機器を新しいものに取り替えることをいう。
  • ②改修とは、修繕に加えて性能や機能の向上を図ることをいう。
  • ③計画修繕とは、故障が発生する都度、その場で行う修繕のことをいう。
  • ④経常修繕とは、日常的に発生する小規模な修繕のことをいう。
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正解 ③計画修繕とは、故障が発生する都度、その場で行う修繕のことをいう。
解説
計画修繕とは、長期修繕計画に基づき、部位ごとの修繕周期を踏まえてあらかじめ時期と内容を定めて計画的に実施する修繕をいう。故障が発生する都度その場で行う修繕は、経常修繕あるいは事後保全に当たるものであるから、この記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
更新が、劣化した部材や機器を撤去して新しいものに取り替えることをいうとする記述は正しい。改修が、劣化した性能を回復させる修繕にとどまらず、新築時の水準を上回る性能・機能の向上を伴うものをいうとする記述も正しい。経常修繕が、日常の管理の中で生じる小規模な修繕をいい、通常は管理費から支出されるものであるとする記述も正しい。
問66-18

既存住宅状況調査(インスペクション)に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分の状況を調査する。
  • ②既存住宅状況調査技術者が、国の定める方法により実施するものである。
  • ③宅地建物取引業者は、媒介契約時に調査を行う者のあっせんの可否を示す。
  • ④調査により、建物に瑕疵が存在しないことが法的に保証されることとなる。
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正解 ④調査により、建物に瑕疵が存在しないことが法的に保証されることとなる。
解説
既存住宅状況調査は、調査時点において目視等により確認できる範囲で劣化事象等の有無を把握するものにすぎず、隠れた部分の不具合まで発見できるものではない。したがって、調査によって瑕疵が存在しないことが法的に保証されるわけではなく、この記述は誤りである。国土交通省もこの点を明確にしており、調査の限界を理解して利用する必要がある。

他の選択肢が正しい理由
既存住宅状況調査の対象が、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分であるとする記述は正しい。講習を修了した建築士である既存住宅状況調査技術者が、国が定める方法により実施するものであるとする記述も正しい。宅地建物取引業法34条の2により、宅地建物取引業者は媒介契約書に建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載しなければならないとされており、この記述も正しい。
問76-18

建物の維持保全に関する次のア〜エの記述のうち、適切なものの組み合わせはどれか。
ア 状態監視保全は、劣化の状況を計測・監視し、その結果に応じて保全を行う方式である。
イ 建物の経済的耐用年数とは、税法により定められた減価償却のための年数のことをいう。
ウ スケルトン・インフィル住宅は、構造躯体と内装・設備とを分離する考え方による住宅である。
エ 修繕とは、必ず新築時を上回る性能を実現する行為のことをいう。

  • ①アとイ
  • ②アとウ
  • ③イとエ
  • ④ウとエ
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正解 ②アとウ
解説
アは正しい。状態監視保全は、劣化の状況を計測・監視し、その結果に基づいて必要な時期に保全を行う予防保全の一形態であり、一定周期で行う時間計画保全と対比される。ウも正しい。スケルトン・インフィル住宅は、耐久性が求められる構造躯体(スケルトン)と、更新の周期が短い内装・設備(インフィル)を分離し、居住者の要求の変化に応じてインフィルを更新しやすくする考え方による住宅である。したがって、正しいものの組み合わせはアとウとなる。

他の選択肢が不適切な理由
イは誤りである。税法により定められた減価償却のための年数は法定耐用年数であり、経済的耐用年数とは、修繕・改修に要する費用と得られる便益とを比較して経済的に使用し続けることが合理的でなくなるまでの年数をいう。エも誤りである。修繕は劣化した性能を新築時と同等の水準まで回復させる行為であって、新築時を上回る性能を実現するのは改良・改修である。したがって、イ又はエを含む組み合わせはいずれも正しくない。
問86-18

建物の保全の分類に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①事後保全とは、劣化の兆候を事前に把握して行う保全のことをいう。
  • ②改良保全は、性能や機能の向上を図るために行う保全のことをいう。
  • ③予防保全のうち、一定の周期ごとに行うものを時間計画保全という。
  • ④維持保全は、初期の性能や機能を保つために行う保全のことをいう。
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正解 ①事後保全とは、劣化の兆候を事前に把握して行う保全のことをいう。
解説
事後保全は、故障や不具合が実際に発生した後にこれを回復させるために行う保全であり、劣化の兆候を事前に把握して行うものではない。劣化の兆候を事前に把握して対応するのは予防保全、とりわけ状態監視保全である。したがって、この記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
維持保全が、建物の初期の性能・機能の水準を保つために行う保全であるとする記述は正しい。改良保全(グレードアップ)が、新築時の水準を超えて性能や機能の向上を図るために行う保全であるとする記述も正しい。予防保全のうち、一定の時間や周期を定めて計画的に実施するものを時間計画保全といい、劣化の状態に応じて実施する状態監視保全と対比されるとする記述も正しい。
問96-18

マンションの長寿命化に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①スケルトンとは構造躯体を、インフィルとは内装や設備をいうものである。
  • ②配管を躯体に埋め込むことは、更新を容易にする有効な方法である。
  • ③コンクリートのかぶり厚さの確保は、耐久性の向上に寄与するとされる。
  • ④二重床や二重天井は、配管や配線の更新を容易にする効果がある。
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正解 ②配管を躯体に埋め込むことは、更新を容易にする有効な方法である。
解説
配管をコンクリートの躯体に直接埋め込むと、更新の際に躯体をはつる必要が生じ、工事が大がかりとなるうえ構造体を傷めるおそれもある。このため、現在は二重床・二重天井やパイプスペースを利用して配管を躯体から分離し、更新を容易にする設計が主流である。したがって、更新を容易にする有効な方法であるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
スケルトンが構造躯体を、インフィルが内装・設備を指すとする記述は正しい。二重床・二重天井とすれば、躯体をはつることなく配管や配線を更新でき、間取りの変更にも対応しやすくなるため、この記述も正しい。かぶり厚さを十分に確保すれば、中性化や塩化物イオンが鉄筋に達するまでの時間が長くなり、鉄筋の腐食が抑えられて耐久性が向上するため、この記述も正しい。
問106-18

建物に関する用語についての次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  • ①コンバージョンとは、建物の用途を変更して活用することをいう。
  • ②リノベーションとは、性能や価値を高める大規模な改修のことをいう。
  • ③デューデリジェンスとは、建物の解体の工事のことをいうものである。
  • ④耐震改修とは、地震に対する建物の安全性の向上を図る工事をいう。
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正解 ③デューデリジェンスとは、建物の解体の工事のことをいうものである。
解説
デューデリジェンス(デューディリジェンス)とは、不動産の取得や投資に当たり、物理的・法的・経済的な側面から資産の価値やリスクを詳細に調査・評価することをいい、建物の解体工事を意味するものではない。したがって、この記述は誤りである。物理的な側面の調査には、建物状況調査や修繕履歴の確認、修繕費用の見積り等が含まれる。

他の選択肢が正しい理由
コンバージョンが、事務所を住宅にするなど建物の用途を変更して活用することをいうとする記述は正しい。リノベーションが、劣化した部分を元に戻すにとどまらず、性能や価値を新築時の水準以上に高める大規模な改修をいうとする記述も正しい。耐震改修が、建築物の耐震改修の促進に関する法律にいうとおり、地震に対する安全性の向上を目的として増築、改築、模様替、壁の設置等を行うことをいうとする記述も正しい。

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