2026年版・5-1

管理組合の組織運営の実務の一問一答

マンション管理士「管理組合の運営の円滑化に関すること」から、管理組合の組織運営の実務に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-1

マンション管理士が管理組合の理事長から総会議事録の作成について相談を受けた。区分所有法及びマンション標準管理規約(単棟型)の規定によれば、次の記述のうち最も適切なものはどれか。

  • ①区分所有法では議長及び集会に出席した区分所有者2人が署名するとされる
  • ②標準管理規約では議長が一人で署名すれば足りるものと定められているのだ
  • ③書面で作成された議事録には、署名者全員の実印による押印が必要とされる
  • ④議事録は理事会の承認を得て初めて総会決議の効力が生じるものとされている
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正解 ①区分所有法では議長及び集会に出席した区分所有者2人が署名するとされる
解説
区分所有法42条は、集会の議事について議事録を作成しなければならないと定め、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名しなければならないとしている。かつて求められていた押印は、デジタル化に対応する法改正により不要となった。これに対しマンション標準管理規約49条は、議事録には議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員が署名するものとしており、署名者の選び方が法律と規約とで異なる点が実務上の要点となる。

他の選択肢が不適切な理由
標準管理規約は議長のほかに議長が指名する出席組合員2名の署名を求めており、議長が単独で署名すれば足りるとはしていない。実印による押印や印鑑証明書の添付は法にも規約にも求められておらず、押印そのものが不要とされている。また、議事録は決議の内容を証拠として残す書面にすぎず、その作成や理事会の承認が総会決議の効力発生要件となるわけではない。
問25-1

管理組合の総会議事録及び会計帳簿等の保管・閲覧に関する次の記述のうち、区分所有法及びマンション標準管理規約(単棟型)によれば、最も不適切なものはどれか。

  • ①議事録は管理者が保管し、利害関係人の請求があれば閲覧させる必要がある
  • ②閲覧の請求は口頭でよく、理由を示さなくても理事長は応じる義務を負うのだ
  • ③理事長は、会計帳簿や組合員名簿を作成して保管する義務を負うものとされる
  • ④議事録の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならないとされる
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正解 ②閲覧の請求は口頭でよく、理由を示さなくても理事長は応じる義務を負うのだ
解説
マンション標準管理規約64条は、理事長が会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿その他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときにこれらを閲覧させなければならないと定めている。すなわち閲覧請求には書面によることと理由の付記が求められており、口頭で理由も示さない請求にまで応じる義務があるとはいえない。

他の選択肢が正しい理由
区分所有法42条が同法33条の規定を準用する結果、議事録は管理者が保管し、利害関係人の請求があったときは正当な理由がある場合を除いて閲覧を拒むことができず、保管場所を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。会計帳簿や組合員名簿を理事長が作成して保管する点も、標準管理規約64条が定めるとおりである。
問35-1

マンション標準管理規約(単棟型)における管理組合の役員に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①理事長は理事の互選ではなく、総会で直接選任しなければならないとされている
  • ②役員は、当該マンションに現に居住する組合員でなければならないとされている
  • ③役員は組合員のうちから総会で選任し、その任期は規約で定めるものとされる
  • ④外部の専門家を役員として選任することは、規約上一切認められないとされる
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正解 ③役員は組合員のうちから総会で選任し、その任期は規約で定めるものとされる
解説
マンション標準管理規約35条は、理事及び監事を総会の決議によって組合員のうちから選任すると定め、36条で役員の任期を規約で定めるものとしている。任期についてはコメントで2年程度とし、選任時期をずらして半数ずつ改選する方法なども例示されており、輪番制を採用する場合でも極端に短い任期は運営の継続性を損なうとされている。

他の選択肢が不適切な理由
役員資格から現に居住することという要件は既に削除されており、居住していない組合員でも役員になることができる。理事長・副理事長・会計担当理事は理事の互選によって選任するのが標準管理規約の建て付けであり、総会で直接選ぶことが必須とされているわけではない。また、標準管理規約は組合員以外の外部専門家を役員として選任できる規定例を別に用意しており、一切認められないとするのは誤りである。
問45-1

理事の選任方法として輪番制を採用している管理組合から相談を受けたマンション管理士の助言として、最も不適切なものはどれか。

  • ①単年度で全員が交替すると経験が蓄積しないため、半数改選の導入を検討する
  • ②業務を標準化するため、年間の運営スケジュールと引継書の整備を提案するのだ
  • ③就任を辞退する組合員が多い場合には、役員活動費の支給の検討を提案するのだ
  • ④輪番制は、規約に定めがなくても理事会限りの判断で導入してよいと説明をする
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正解 ④輪番制は、規約に定めがなくても理事会限りの判断で導入してよいと説明をする
解説
役員の選任は総会の決議事項であり(マンション標準管理規約35条・48条)、選任方法として輪番制を採用してその順序や免除の要件を定めることは、組合員の負担に直接かかわる運営ルールである。したがって規約又は細則の定めや総会の決議によって根拠を明確にしておく必要があり、理事会限りの判断で導入してよいとする助言は不適切である。

他の選択肢が正しい理由
単年度で役員が全員交替すると知識と経験が引き継がれないため、任期を2年として半数ずつ改選する方法は標準管理規約のコメントでも例示されている。年間の運営スケジュールや引継書を整備することは担い手の負担感を下げる実務上有効な工夫であり、役員活動費の支給も標準管理規約が総会の議決事項として想定している。
問55-1

マンション標準管理規約(単棟型)における監事の職務に関する次のア〜エの記述のうち、適切なものはいくつあるか。 ア 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。 イ 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは意見を述べなければならない。 ウ 監事は、業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。 エ 監事は、理事が不正の行為をするおそれがあると認めるときでも、理事会の招集を請求することはできない。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ③三つ
解説
マンション標準管理規約41条は監事の職務を定めており、業務の執行及び財産の状況の監査とその結果の総会への報告、理事会への出席と必要な場合の意見陳述義務、不正がある場合の臨時総会の招集権を規定している。したがってアからウまでは適切である。他方、同条は理事の不正行為又はそのおそれを認めた監事が遅滞なくこれを理事会に報告し、必要があると認めるときは理事長に対して理事会の招集を請求できるとしているから、エは誤りである。

他の選択肢が不適切な理由
適切な記述はアからウまでの三つであるから、一つ、二つ及び四つはいずれも数が合わない。特に、理事会への出席が平成28年の改正で任意ではなく義務とされた点と、理事会の招集請求権が監事に認められている点は、監事の監査機能を強化した重要な改正であり、数え落としに注意を要する。
問65-1

マンション標準管理規約(単棟型)における理事長に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①理事長は、区分所有法に定める管理者としての地位を兼ねるものとされている
  • ②理事長は、自己の判断のみで管理組合を代表して訴訟を提起することができる
  • ③理事長は、理事会の承認を受けて他の理事に職務の一部を委任できるとされる
  • ④理事長は、通常総会において前会計年度の管理組合の業務執行の報告を行うのだ
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正解 ②理事長は、自己の判断のみで管理組合を代表して訴訟を提起することができる
解説
区分所有法26条は、管理者が規約又は集会の決議により、その職務に関し区分所有者のために原告又は被告となることができると定めており、理事長が独断で訴訟を追行することはできない。マンション標準管理規約も、未納の管理費等の請求については理事会の決議によって法的措置を追行できるとし、それ以外の訴訟の提起については総会の議決事項としている。

他の選択肢が正しい理由
標準管理規約38条は理事長を区分所有法に定める管理者とすると明記しており、通常総会における前会計年度の業務執行の報告も同条が理事長の職務として定めている。理事会の承認を受けて他の理事に職務の一部を委任できる旨も同条に規定されており、いずれも規約の定めるとおりである。
問75-1

マンション標準管理規約(単棟型)に基づく総会の招集に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①建替え決議を目的とする総会の招集通知は、会日の1か月前までに発すればよい
  • ②通常総会の招集通知は、会日の少なくとも1週間前までに発すれば足りるのだ
  • ③通常総会は、毎年1回、新会計年度開始以後2か月以内に招集する必要がある
  • ④緊急を要する場合でも、通知期間を短縮することは一切認められないとされている
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正解 ③通常総会は、毎年1回、新会計年度開始以後2か月以内に招集する必要がある
解説
マンション標準管理規約42条は、理事長が通常総会を毎年1回新会計年度の開始以後2か月以内に招集しなければならないと定めている。収支決算及び事業報告の承認を新年度の早い時期に行い、会計と業務執行の区切りを明確にするための実務上の要請に基づく規定である。

他の選択肢が不適切な理由
標準管理規約43条は総会の招集通知を会日の少なくとも2週間前までに発することを求めており、1週間前で足りるとするのは区分所有法の最低基準と規約の定めを混同したものである。建替え決議を会議の目的とする場合は少なくとも2か月前までに通知を発しなければならず、1か月前では足りない。また、緊急を要する場合には理事会の承認を得て1週間を下回らない範囲で通知期間を短縮することが認められている(令和7年の区分所有法及びマンション標準管理規約の改正により、従前の「5日間」という下限は「1週間」に引き上げられた)。
問85-1

組合員からの臨時総会の招集請求に関する次のア〜エの記述のうち、マンション標準管理規約(単棟型)によれば適切なものの組み合わせはどれか。 ア 組合員総数の5分の1以上及び議決権総数の5分の1以上に当たる組合員の同意を得る必要がある。 イ 請求を受けた理事長は、2週間以内に、請求があった日から4週間以内の日を会日とする臨時総会の招集の通知を発しなければならない。 ウ 招集を請求するに当たって会議の目的を示す必要はなく、当日の動議で議題を決めることができる。 エ 理事長が招集通知を発しない場合であっても、請求をした組合員が総会を招集することは一切できない。

  • ①アとイ
  • ②アとウ
  • ③イとエ
  • ④ウとエ
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正解 ①アとイ
解説
マンション標準管理規約44条は、組合員が組合員総数の5分の1以上及び議決権総数の5分の1以上の同意を得て、会議の目的を示して総会の招集を請求した場合には、理事長は2週間以内に、その請求があった日から4週間以内の日を会日とする臨時総会の招集の通知を発しなければならないと定めている。したがってアとイが適切である。

他の選択肢が不適切な理由
招集の請求には会議の目的を示すことが要件とされており、目的を示さずに当日の動議で議題を決められるとするウは誤りである。また、理事長が所定の期間内に招集通知を発しない場合には、請求をした組合員が総会を招集することができるとされているため、一切できないとするエも誤りであり、これらを含む組み合わせは正解とならない。
問95-1

マンション標準管理規約(単棟型)における専門委員会に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①理事会は、その責任と権限の範囲内において専門委員会を設置することができる
  • ②専門委員会は理事会から独立した機関であり、その決定は理事会を拘束するのだ
  • ③専門委員会の委員は、必ず理事の中から選任しなければならないとされているのだ
  • ④専門委員会の設置には、必ず総会の決議を経なければならないとされているのだ
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正解 ①理事会は、その責任と権限の範囲内において専門委員会を設置することができる
解説
マンション標準管理規約55条は、理事会がその責任と権限の範囲内において専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができると定めている。専門委員会はあくまで理事会の諮問を受けて調査・検討を行う組織であり、最終的な意思決定は理事会又は総会が行う。

他の選択肢が不適切な理由
専門委員会は理事会に対して調査結果や検討結果を報告する立場にあり、その結論が理事会を法的に拘束するものではない。委員の構成についても、規約のコメントは組合員以外の外部専門家や理事以外の組合員を委員とすることを想定しており、理事に限定されるわけではない。さらに、専門委員会の設置自体は理事会の権限で行うことができ、活動に多額の費用を要する場合など理事会の責任と権限を超える事項について総会の決議が必要になるにとどまる。
問105-1

管理組合の運営に関する次のア〜エの記述のうち、マンション標準管理規約(単棟型)に照らして不適切なものはいくつあるか。 ア 総会の議長は、原則として理事長が務める。 イ 役員が組合員でなくなった場合には、その役員はその地位を失う。 ウ 理事会は、あらかじめ通知していない議案であっても、総会当日に追加して決議させることができる。 エ 収支決算の結果、管理費に余剰が生じた場合には、その余剰を必ず組合員に返金しなければならない。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ②二つ
解説
総会の議長を理事長が務めること(マンション標準管理規約42条)と、役員が組合員でなくなったときにその地位を失うこと(同36条)は、いずれも規約の定めるとおりでありアとイは適切である。これに対し、総会ではあらかじめ通知した事項についてのみ決議することができるとされているためウは不適切であり、管理費に余剰が生じた場合はその余剰を翌年度における管理費に充当するとされているためエも不適切である。したがって不適切なものは二つである。

他の選択肢が不適切な理由
不適切な記述はウとエの二つであるから、一つ、三つ及び四つはいずれも数が合わない。特にエについては、余剰を返金するのではなく翌年度の管理費に充当するという処理が原則である点を、会計実務との関係で確実に押さえておく必要がある。

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