2026年版・2-12

占有者の意見陳述権の一問一答

マンション管理士「法令及び実務2」から、占有者の意見陳述権に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-12

区分所有法第44条第1項に定める占有者の意見陳述権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合に認められている
  • ②区分所有者の承諾を得ていない占有者にも当然に認められている
  • ③利害関係の有無を問わず、すべての占有者に認められるとされる
  • ④占有者が集会に出席することは、およそ認められないとされている
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正解 ①会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合に認められている
解説
区分所有法44条1項は、区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができると定めている。占有者は区分所有者ではないため議決権を有しないが、規約や決議の内容によっては現実の生活に直接影響を受けることから、意見を述べる機会が保障されている。

他の選択肢が不適切な理由
44条1項は「区分所有者の承諾を得て」占有する者を対象としているから、承諾を得ていない占有者にも当然に認められるとする記述は誤りである。利害関係を有する場合という限定が付されているので、利害関係の有無を問わず認められるとする記述も条文に反する。また同項が出席して意見を述べることができるとしている以上、出席がおよそ認められないとする記述も誤りである。
問22-12

集会における占有者の地位に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①占有者は、集会に出席して意見を述べることができるにとどまる
  • ②占有者は、意見を述べるだけでなく議決権を行使することもできる
  • ③占有者は、区分所有者を代理して議決権を行使できる場合がある
  • ④占有者が意見を述べても、決議の成否そのものには影響を与えない
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正解 ②占有者は、意見を述べるだけでなく議決権を行使することもできる
解説
区分所有法38条は各区分所有者の議決権について定めており、議決権を有するのは区分所有者である。44条1項が占有者に認めているのは集会に出席して意見を述べることのみであって、議決権の行使まで認めるものではない。占有者自身の資格で議決権を行使できるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
占有者に認められるのが意見の陳述にとどまるとする記述は44条1項のとおりである。もっとも、39条2項は代理人による議決権の行使を認めており代理人の資格に制限がないから、賃借人が区分所有者から委任を受けてその代理人として議決権を行使することは可能である。また占有者の意見は決議の賛否として算入されないため、決議の成否そのものには影響しない。
問32-12

占有者の意見陳述権が認められる場合における集会の招集者の義務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①占有者に対しても、区分所有者と同じ招集の通知を発する必要がある
  • ②掲示は、集会が終わった後に遅滞なく行えばよいものとされている
  • ③招集の通知を発した後遅滞なく、建物内の見やすい場所に掲示する
  • ④掲示すべき事項は、集会の日時及び場所に限られるとされている
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正解 ③招集の通知を発した後遅滞なく、建物内の見やすい場所に掲示する
解説
区分所有法44条2項は、占有者が意見を述べることができる場合において、集会を招集する者は、35条の規定により招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所、会議の目的たる事項及び議案の要領を建物内の見やすい場所に掲示しなければならないと定めている。占有者の氏名や連絡先を管理組合が把握していない場合もあるため、個別の通知ではなく掲示という方法によることとされている。

他の選択肢が不適切な理由
占有者に対しては掲示によることとされており、区分所有者と同じ招集の通知を発する必要はない。掲示の時期は招集の通知を発した後遅滞になくであって、集会の終了後では意見を述べる機会が失われるから、集会後でよいとする記述も誤りである。また掲示すべき事項には会議の目的たる事項及び議案の要領も含まれるので、日時及び場所に限られるとする記述も条文に反する。
問42-12

区分所有法第46条第2項に定める占有者の義務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①占有者は、規約や集会の決議には一切拘束されないものとされる
  • ②占有者は、管理費を負担する義務まで当然に負うものとされている
  • ③占有者が義務を負うのは、規約に明文の定めがある場合に限られる
  • ④建物等の使用方法につき、区分所有者と同一の義務を負うとされる
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正解 ④建物等の使用方法につき、区分所有者と同一の義務を負うとされる
解説
区分所有法46条2項は、占有者は建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うと定めている。ペットの飼育禁止や共用部分の使用方法に関する定めなど、建物等の使用方法に関する規律は現に建物を使用する占有者に及ばなければ実効性を欠くためである。

他の選択肢が不適切な理由
46条2項が占有者に義務を及ぼしている以上、一切拘束されないとする記述は誤りである。同項が及ぼしているのは使用方法に関する義務であって費用負担に関する義務ではないから、管理費の負担義務まで当然に負うとする記述も誤りである。また義務は同項によって法律上当然に生ずるので、規約に明文の定めがある場合に限られるとする記述も適切でない。
問52-12

区分所有法第60条に定める占有者に対する引渡し請求に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①引渡しの請求は、集会の普通決議に基づいて行うことができる
  • ②決議に先立ち、当該占有者に弁明の機会を与える必要があるとされる
  • ③請求の内容には、使用又は収益を目的とする契約の解除も含む
  • ④引渡しを受けた者は、占有する権原を有する者に引き渡す義務を負う
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正解 ①引渡しの請求は、集会の普通決議に基づいて行うことができる
解説
区分所有法60条2項は、同条1項の決議について58条2項及び3項を準用している。58条2項は、集会において議決権を有する区分所有者の過半数の者であって議決権の過半数を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数でするとしているから、普通決議で足りるとする記述は誤りである。

他の選択肢が正しい理由
60条2項が準用する58条3項により、決議をするにはあらかじめ当該占有者に弁明する機会を与えなければならないから、弁明の機会に関する記述は正しい。60条1項は、訴えをもって占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができるとしている。また同条3項は、判決に基づき引渡しを受けた者は遅滞なくその専有部分を占有する権原を有する者に引き渡さなければならないと定めている。
問62-12

占有者に関する次のア~エの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。
イ 占有者は、集会に出席して意見を述べるほか、その専有部分に係る議決権を自らの資格で行使することができる。
ウ 占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
エ 占有者が共同の利益に反する行為をした場合であっても、その占有する専有部分の引渡しを請求することはできない。

  • ①一つ
  • ②二つ
  • ③三つ
  • ④四つ
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正解 ②二つ
解説
正しいものはアとウの二つである。
アは区分所有法44条1項のとおりであり、区分所有者の承諾を得た占有者は利害関係を有する場合に意見を述べることができる。ウは46条2項のとおりで、建物等の使用方法については区分所有者と同一の義務が占有者にも及ぶ。

イは誤りである。議決権を有するのは区分所有者であって、占有者は自らの資格で議決権を行使することはできない。エも誤りであり、60条1項は、占有者による共同の利益に反する行為による障害が著しく他の方法によってはその障害を除去することが困難であるときは、集会の決議に基づき訴えをもって契約の解除及び専有部分の引渡しを請求することができると定めている。

他の選択肢が不適切な理由
正しい記述はアとウの二つであるから、一つ、三つ又は四つとするのはいずれも誤りである。イを正しいものと数えると占有者に議決権を認めることになり、エを正しいものと数えると義務違反者に対する措置の規定を見落とすことになる。
問72-12

占有者が意見を述べることができる「利害関係を有する場合」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①管理費の値上げを議題とする場合、賃借人は常に利害関係を有する
  • ②利害関係とは、事実上の利害関係で足りるものと解されている
  • ③ペットの飼育を禁止する規約の設定は、利害関係が認められやすい
  • ④占有者が利害関係を有するかどうかは、管理者が自由に判断できる
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正解 ③ペットの飼育を禁止する規約の設定は、利害関係が認められやすい
解説
区分所有法44条1項にいう利害関係とは、会議の目的たる事項について法律上の利害関係を有することをいうと解されている。46条2項により占有者は建物等の使用方法につき区分所有者と同一の義務を負うから、ペットの飼育禁止や専有部分の用途制限のように使用方法を直接規律する規約の設定や変更については、占有者に法律上の利害関係が認められやすい。

他の選択肢が不適切な理由
管理費は区分所有者が負担するものであり、その額の改定は賃借人の法律上の地位を直接左右しないから、賃借人が常に利害関係を有するとする記述は誤りである。要求されるのは法律上の利害関係であって事実上の利害関係では足りない。また利害関係の有無は44条1項の解釈により客観的に定まるものであり、管理者が自由に判断できるものではない。
問82-12

区分所有法にいう占有者に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①占有者に当たるのは、賃借人に限られるものとされている
  • ②区分所有者と同居する家族も、独立して占有者として扱われる
  • ③占有者は、区分所有権を有する者であっても差し支えないとされる
  • ④使用貸借に基づいて専有部分を使用する者も占有者に当たりうる
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正解 ④使用貸借に基づいて専有部分を使用する者も占有者に当たりうる
解説
区分所有法6条3項は占有者を「区分所有者以外の専有部分の占有者」と定義しており、占有の権原の種類を限定していない。したがって、賃貸借に基づく賃借人のほか、使用貸借に基づいて無償で専有部分を使用する者も占有者に当たる。44条1項の意見陳述権については、さらに区分所有者の承諾を得て占有していることが要件となる。

他の選択肢が不適切な理由
占有の権原は限定されていないから、賃借人に限られるとする記述は誤りである。区分所有者と同居する家族は区分所有者の占有を補助する立場にとどまると解されるので、独立した占有者として扱われるとする記述も適切でない。また6条3項は区分所有者以外の者を占有者としているから、区分所有権を有する者でも差し支えないとする記述も条文に反する。
問92-12

占有者に関する次のア~エの記述のうち、誤っているものの組み合わせはどれか。
ア 集会を招集する者は、占有者に対しても、区分所有者に対するのと同様の招集の通知を発しなければならない。
イ 占有者が集会に出席して意見を述べることができるのは、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合に限られる。
ウ 占有者は、集会に出席して意見を述べる権利を有するから、その意見は決議において賛否として算入される。
エ 占有者が共同の利益に反する行為をした場合、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもってその専有部分の引渡しを請求することができる。

  • ①アとイ
  • ②アとウ
  • ③イとエ
  • ④ウとエ
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正解 ②アとウ
解説
誤っているのはアとウである。
アについて、区分所有法44条2項は、集会を招集する者は招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所、会議の目的たる事項及び議案の要領を建物内の見やすい場所に掲示しなければならないと定めている。占有者に対する周知は掲示によることとされており、区分所有者と同様の招集の通知を発することは要求されていない。

ウについて、44条1項が占有者に認めているのは意見を述べることのみであり、議決権を有しない以上その意見が賛否として算入されることはない。

他の選択肢が不適切な理由
イは44条1項のとおりであり正しいから、イを誤りとして含む組み合わせは成り立たない。エも60条1項のとおりであり正しいから、エを誤りとして含む組み合わせも成り立たない。
問102-12

占有者の意見陳述権の行使に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①占有者が意見を述べなかったとしても、決議の効力に影響はない
  • ②占有者に意見を述べる機会を与えなくても、常に決議は有効である
  • ③占有者の意見に反する決議は、その効力を生じないものとされる
  • ④占有者は、集会に出席せずに書面で意見を述べることを請求できる
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正解 ①占有者が意見を述べなかったとしても、決議の効力に影響はない
解説
区分所有法44条1項が占有者に認めているのは、集会に出席して意見を述べることができるという権利であって、意見を述べる義務を課すものではない。占有者が権利を行使せず意見を述べなかったとしても、集会の決議は有効に成立する。

他の選択肢が不適切な理由
44条2項の掲示を怠るなどして意見を述べる機会が与えられなかった場合には、招集手続に瑕疵があるものとして決議の効力が争われうるから、常に有効であるとする記述は誤りである。占有者は議決権を有しないので、その意見に反する決議であっても効力に影響はなく、効力を生じないとする記述も誤りである。また同条1項は集会に出席して意見を述べることを認めるにとどまり、書面による意見の陳述を請求する権利までは定めていない。

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